羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

原初生命体の発想 3 生命の普遍性

2006年06月13日 20時30分30秒 | Weblog
 若い知人にエッセイストがいる。
 彼女は昨年末、自宅が火事に遭い、辛い日々を過された。
 一部焼失だったために、工務店に頼んでリフォームのように改築したらしい。
 
 ところがそのことがもとでシックハウスにかかり、親御さんとの関係も悪化した経緯を東京新聞に載せておられた。
 2006年5月10日(水)22面・掲載記事である。
 エッセーは、「子どもたちへ 大人たちへ」と題してあった。

 彼女の文章を要約してしまうと、思いが伝わらないし、文章の匂いも味もニュアンスも、なにより真意が消えてしまうので、どうしたものかと思い悩むし、ここに書くことも躊躇われるのだが。でも、触れておきたいのだ。

「脈拍も異常に高くなり、気分がジェットコースターのように上下する」彼女は、「遺書を書いて死にたくなった」とある。しかし、思いとどまった。やはり、彼女には、彼女を助けてくれるたくさんの人が周りにいた。

 そして最後に、自分には理解してくれる人がいないと思っている人に、こう呼びかけている。そこだけは、そのまま、ここに記しておきたい。

「あなたが生きている限り、決してなくならないものがある。命だ。あなたがいる限り決してなくならないものがある。命だ…。『離思』より。友人のタオイスト・加島祥造先生の詩、『そう、命はいつも、あなたとともに居る、人は離れ、裏切ることがあっても、命はあなたとともに居る』」。
 家族ぐるみで親交のある私は、この記事を読んで、ご両親の顔が目の前に浮かんで、ドッキとした。ここまで書いてしまったか、……と。

 自殺者数が、年間3万人を超えた日本。
 他者の命をあまりにも簡単に絶つ行為が日常茶飯事でおきている日本。
 そうした現代に「あなたが生きている限り決してなくならないものがある。命だ。」
 この言葉をかみしめている。
 昨日の私のブログに書いた「生命が命のうちに宿す普遍性」とは、まさにこの言葉だと思った。

 エッセイストの名は、三善里沙子。
 もう一度、題名を記す。

「子どもたちへ 大人たちへ 命はあなたとともに」
コメント (2)
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