みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

良寛さん  その10《法華と『法華経』》

2021-06-19 15:25:40 | 社会・経済
口を開くも法華を謗り 口を杜ずるも法華を謗る
法華 云何んが讃ぜん 合掌して曰く 南無妙法華


これは、良寛さん著「法華讃」の冒頭で「開口」と題した部分である。
そもそも「法華」とは何か? 解説文を書いた竹村牧男氏は「諸法実相」のことだという。悟りの世界でもあるという。私なりに言えば、存在や世界や宇宙、すなわちあらゆるものの真実、のようなものだと思う。

法華、それは言葉では言い表せないから、口を開いても口を杜じても法華を謗ることになるのだ。

竹村牧男氏の現代語訳は次のようになっている。

口を開いて『法華経』を讃嘆すれば『法華経』を謗ることになり、口を閉じて『法華経』について何も言わないとしても『法華経』を謗ることになる。さあ、『法華経』をどう讃嘆すべきであろうか。自ら代って答えよう、合掌して言う、南無妙法華。

氏は、法華=『法華経』と解釈されている。しかし、良寛さんが『法華讃』全体で一貫して説かれていることからすれば、法華=法華経はあり得ない。良寛さんが讃嘆しているのは法華であり、『法華経』など不要で、足蹴にしていい対象であり、弄ぶ対象なのだ。




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