街は青い闇の中に沈む直前で
俺はもう
身動きさえ取れなくなりそうな
錯覚に陥っていた。
暗闇に紛れて消えてしまうのならそれもいいし、
人混みに紛れて消息を絶つのも構わない。
すべての人の記憶から消えたってどうってことないし・・・
ただひとつ
恐れるのは、
眠れない夜みたいな世界で延々と
出口のない考え事を続けなきゃいけないような羽目になることだ。
そんなの毎日じゃないかって?
残念でした、
俺の「寝たふり」は完璧なので
俺が「寝ている」のかそれとも
「寝たふり」をしてるのかは、
俺にしかわからないのだ、世界中で俺だけにしか。
そのうち俺にもわからなくなって、
だから”考え事の悪魔”は、やって来ても
俺が眠ってると思い込んで
すぐにどっかへ行ってしまう。
「考えなきゃいけないこと」は、
あるにはあるんだけど
面倒くさいから
また今度にしておくよ。
それじゃね。
おやすみー。
ぐう。