まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第20回中国観音霊場めぐり~芸備線のローカル駅を訪ねて県境へ

2021年06月05日 | 中国観音霊場

中国観音霊場めぐりの結願を目指して、5月29日、鳥取に向けて出発。そのルートは中国山地を広島県から直接鳥取県に抜けるものである。

朝6時半に出発。国道183号線~国道54号線を走る。安佐南区、安佐北区は前回の勤務時でも営業で回っていたところだが、現在はバイパスも開通して可部の町を避けて順調に走って行く。

安芸高田市に入る。川の流れが太田川から可愛川(~江の川)に変わる。毛利元就が拠点とした吉田郡山城跡の麓も通る。

順調に走り、国道54号線から国道183号線に入り、出発から1時間半ほどで三次駅に到着。トイレ休憩を兼ねて駅の駐車場にクルマを入れる。ちょうど、キハ120の2両編成の広島行きが発車するところだった。

三次市から庄原市に向かう。三次から先は芸備線の線路と並走する区間も多い。しかし備後庄原までは1日7往復(うち2往復は土日祝日は運休)、その先の備後落合までは1日5往復しか走っていない。よほどタイミングが合わなければ列車の姿を見ることはない。

50年ほど前に騒動となった「ヒバゴン」の里を現在もアピールする西城を過ぎる。

国道沿いにある比婆山駅でいったん停車。列車に乗ったのではなかなか見られない駅舎を見ることにする。

「ヒバゴン」の名前の由来となった比婆山への玄関駅だが、ここ10年ほどの1日平均の乗車人員は1~3人、もちろん無人駅だ。神社の社殿を模した駅舎だが、建屋内はがらんとしている。

比婆山の次が備後落合。より一層山深くなり、西城川沿いにカーブが増える。芸備線は川の反対側を走るが、比婆山~備後落合間は営業キロが5.6キロのところ15分前後かかる。おそらく、JR西日本の「必殺徐行」の区間であろう。

その中で、ちらっと銀色の車体が見えた。備後落合を出たばかりの列車である。後で時刻表を確認すると、9時09分発の三次行きだった。木次線の木次6時45分発の列車と接続しており、一応「陰陽連絡」となっている。

その備後落合にも立ち寄る。今はこの駅も観光名所となるのか、駅前のスペースには何台かのクルマが停まっている。ちょうどドライブの途中で立ち寄ってみたという人がちらほらいる。

ホームに出てみると、ちょうど木次線の列車が発車を待っているところだった。9時20分発の木次行き。なんと、備後落合から木次方面への「始発列車」である。ちょっと乗ってみたい気もするが、本当に乗ってしまうと、備後落合に戻るのは14時33分のこととなる。

その木次線の観光列車に「奥出雲おろち号」という、ディーゼル機関車が牽引するトロッコ風の客車列車がある。この「奥出雲おろち号」だが、このたび、2023年度での運行終了が発表された。現在使用している12系客車の老朽化がその理由という。それに代わる列車が運転されるかどうかはまだ何も決まっていないようだが、他の路線のようにキハ47を改造した列車が出る・・・ことはないだろうな。

木次行きの発車時刻が近づくと、どこからともなく腕カバーとエプロンをつけた男性が現れる。何やら運転手と親しげに話をした後、列車が動き出すと両手を振ってのお見送りである。その姿で気づいたが、備後落合でガイドを務める国鉄OBの永橋則夫さんだった。ボランティアで駅の清掃などもされているそうだから、午前中はそうした作業、そして午後は「奥出雲おろち号」や普通列車でやって来る乗り鉄、観光客相手のガイドといったところ。

線路はこの先、木次線は奥出雲へ、そして芸備線は東城から新見へと続くが、国道183号線は一気に鳥取県を目指す。芸備線の橋梁にも出会う。県境が近づくと途中、狭い車線、S字カーブが連続する。

やって来たのは鍵掛峠(かっかけとうげ)。標高750メートルの表示もある。

そして県境を越える。県をまたいだ移動の自粛をというのを笑うかのように・・・。

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