まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

滋賀8番「永源寺」~神仏霊場巡拝の道・105(クールジャパンはここにも)

2024年07月24日 | 神仏霊場巡拝の道

今回の神仏霊場巡拝の道めぐり、当初の予定から遅くなって午後からのスタートだが、近江八幡でレンタカーに乗り、午後の半日で彦根に向かう。

その途中の札所、特に公共交通機関だと不便なところをレンタカーで回れればと思う。予定では滋賀8番・永源寺、9番・百済寺、そしてあみだくじの目的地である3番・金剛禅寺、拝観時間に間に合えば4番・西明寺まで押さえられるかなというつもり。

時刻は12時15分すぎ、トヨタレンタカーを出発し、まずは永源寺に向かう。近江八幡からは約25キロである。近江鉄道の八日市行きに近いところを走るが、沿線には近江牛の看板がいろいろ並ぶ。一口に近江といっても範囲は広いが、かつてこの辺りを領有した蒲生氏郷や豊臣秀次が牛馬の畜産を奨励し、江戸時代に彦根藩の井伊氏も太鼓用の牛革確保の名目で畜産を行い、そこから出た肉を食べることを黙認したことが現在の近江牛のルーツという。

・・だた、こうして看板にひかれるが、今回、近江牛を口にする機会はあるのかどうか。いや、別に豪華なステーキやしゃぶしゃぶをいただこうというのではないが・・。

国道421号線に入り、八日市の街中や名神高速のインターを過ぎ、永源寺の看板を見る。

最後は愛知川にかかる橋を渡り、無料の駐車場に到着。「永源禅寺」の石柱と看板があり、いよいよ参詣である。

外は厳しい暑さだが、愛知川に注ぐ水路を渡る石橋に立つとほんのわずかだが涼しい風が流れてくる。

しばらく参道が続く。石段の途中には眼鏡をかけた石像が現れ、ドキッとする。どなたか特定の方をモデルにしたのだろうが、私の身近にいる方によく似ていて・・。そして上がりきると十六羅漢像が並ぶ。

総門をくぐったところに券売機があり、ここで入山料を納める。そして出た紙のきっぷをこの先の納経所に出すようにとある。何だか手間に見えるが。永源寺は紅葉の名所として知られるところで、その時季には多くの参詣者で賑わうのだろう。ここに券売機があるのも混雑緩和の狙いがあるのかな。

紅葉の名所とは真逆の真夏の暑さの中だが、「青紅葉」というのも悪くない。もっとも、5月の初夏あたりなら「青紅葉」という形容もありだが、この暑さで「青」も濃いものに感じられる・・。

受付で紙のきっぷ、そして朱印帳も差し出し、先に神仏霊場の朱印をいただく。

永源寺が開かれたのは南北朝時代。近江の守護である佐々木(六角)氏頼が、美作出身で鎌倉や元などで修行を積んだ禅僧・寂室元光を招いたのが始まりである。その後は多くの僧が集まり多くの支院も持ったが、戦火により焼失、衰退した。後に同じ臨済宗の妙心寺や彦根藩などの支援で再興し、明治以降は永源寺派として独立し、大本山となった。

本堂にあたる方丈は江戸時代中期、井伊氏の援助で建立されたもの。まずは広間にあがり、お勤めとする。

ここ永源寺は「クールジャパン」の取り組みにも貢献しているようだ。インバウンド向けの「源 ROOTS OF JAPAN 永源寺エリア 日本の原風景を訪ねて」という動画が、CJPF(クールジャパン官民連携プラットフォームという、いかにもうさんくさげな団体の名称)アウォードのムービー部門でグランプリを獲得したという。

気温30度を軽く超える中での「クールジャパン」か・・・。「クールジャパン」、「クールジャパン」という、上からの押し付け言葉を聞くと、別の意味で「寒さ」を感じる・・・・もっとも身体はちっとも涼しくならないが。

ただこの暑い中、永源寺には良い意味での涼しさを感じさせるスポットがあった。風穴である。現在は石垣で綴じられているとはいえ、その隙間から冷風が漂ってくる。昔は食料の貯蔵庫として使われていたそうだ。

これ以外にも手水の水は冷たいし、やはり山に近く、昔から愛知川の恵みとともにあった地である。近隣の名物として、水を活かしたイワナなどの川魚、こんにゃくなども有名だという。

まずは最初の札所を押さえ、次はそのまま県道を伝って湖東三山の一つである百済寺に向かう・・・。

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