まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第15回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~鹿児島の郷土料理と「鹿児島王将」

2024年05月22日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

指宿まで往復した後、鹿児島中央に戻る。駅横のアミュプラザでは「新茶まつり」というのが行われており、鹿児島県内のお茶屋さん10数店舗が出店している。無料で試飲ができる。鹿児島といえば知覧茶が有名だが、枕崎の札所に行くのに合わせて知覧の町も訪ねてみようと考えている。

駅前には「若き薩摩の群像」の像が建つ。鹿児島といえば西郷隆盛、大久保利通や島津斉彬といったところが連想され、彼らの像もあるのだが、ここに居並ぶのは幕末に薩摩藩がイギリスに派遣した留学生たちで、彼らは帰国後、明治日本の近代化に政治、経済、産業面で貢献した人たちである。鹿児島市内の札所を訪ねるならば、せっかくなので明治維新や近代化に関するスポットも見物したい。

さて5月11日の宿泊は、駅からしばらく歩いた「ホテルタイセイアネックス」。部屋自体は一般的なビジネスホテルだが、地下にはサウナ・大浴場がある。こちらはカプセル&サウナとして別の宿泊施設なのだが、ビジネスホテルの宿泊客も無料で利用できる。後で入ることにしよう。

そして、南国鹿児島での夜の一献である。せっかくなので天文館通まで移動する。ちょうどホテルの目の前が高見橋の電停で、路面電車に揺られる。感覚としては広島駅から八丁堀、紙屋町に行くようなものだ。さすが鹿児島の中心部ということで多くの人で賑わっている。

向かったのは「居酒屋 ゆ」。以前に鹿児島に来た時にもこの名前の居酒屋に入り、鹿児島の味をいろいろ楽しんだので、今回席だけ予約していた。ただ来てみると、店の雰囲気がその時とは何やら違うような気がする。調べてみると、この「居酒屋 ゆ」は市内に複数あるチェーンで、前に入ったのは別の店だったようだ。

店名が「ゆ」だし、ロゴは温泉のマーク。これは銭湯の暖簾が由来で、気軽にゆったりくつろげる・・ということでつけられた名前である。メニューは薩摩の郷土料理から大衆酒場の定番まで200種類以上ありいろいろ迷う。

まずはビールで乾杯。

そしてさつま地鶏の刺身。鶏を刺身で・・というのも南九州の味である。一人でいただくには結構ボリュームもある。歯ごたえあり、美味しくいただく。

薩摩特産の魚介類ということで、カツオのたたきや刺身の盛り合わせもあるが、「時価」というのに少しびびる。ここで店内を見渡すとか、店員に訊くとかすればよかったのだろうが、まあ鹿児島ならではということで、定価で出るキビナゴの単品をいただく。郷土の味ということで美味かったのだが、一人でこれだけ一度にいただかなくてもよかったかな。今思うに、「時価」だったにせよ、さまざまな魚介類を味わったほうがよかったかな。カツオのたたきが2切れくらいはいったかもしれないし。

続いては焼鳥盛り合わせ。「居酒屋 ゆ」は元々焼鳥専門店だったそうで、創業以来の味だという。出発点は地元の人たちが気軽に入れる大衆酒場で、後に郷土料理を押し出して観光客にも入りやすくしたと思う。

鹿児島といえば黒豚、さまざまなメニューがありいろいろ迷ったが、結局選んだのは豚足。この豚足だが、骨ごとバリバリいただく必要があるのか、周りのコラーゲンだけ掬えばいいのか、迷う一品である。

入店した時は私が口開け客だったが、気づけば予約のグループが何組も来ており、オペレーションの都合か、予約なしの来店は断っているようだ。接客の店員も慌ただしそうだし、他にも食べてみようと思うメニューがあったが、ここは早めに切り上げることにする。

・・切り上げたのは店の混み具合もあるが、もう1ヶ所行きたいところがあったためである。

路面電車の線路を渡り、向かったのは「餃子の王将」。「王将」といえば全国チェーンのあの店舗、わざわざ旅先で「王将」もなかろうと思われる方もいるだろうが、ここ鹿児島には「鹿児島王将」というのがある。「鹿児島王将」は以前、鹿児島出身の方から教えてもらったことがあり一度入店したことがあり、久しぶりの訪問である。

全国の「餃子の王将」というのはいわゆる「京都王将」。別に「大阪王将」というのがあるが、こちらはいろいろややこしい関係にあるようだ。その中で「鹿児島王将」は「京都王将」も公認の存在である。

「鹿児島王将」の設立にはあの実業家・稲盛和夫氏が関わっている。稲盛氏の義弟が「京都王将」で働いていたが、ある時独立を希望した。そこで稲盛氏が「京都王将」に掛け合って、独立した会社として鹿児島県内での出店を一任されることになった。

「鹿児島王将」独自のスタイルとして、注文はテーブルの上にある用紙に鉛筆で個数を入れて店員に渡す。

町中華ということで、改めて瓶ビールで仕切り直し。そして餃子である。「京都王将」の餃子独特の濃さとは一味違う家庭的な味わいだ。

そして鶏のから揚げ。こちらも「京都王将」とは異なり、竜田揚げに近いメニューである。

締めとして天津飯・・ではなく天津焼飯。「鹿児島王将」の名物は天津飯なのだが、焼飯も食べたいなということで、結局両者合わさった一品を注文した。こちらも鹿児島オリジナルで、餡の味つけのベースは黒酢である。

「餃子の王将」は店舗ごとのオリジナルセットメニューもあるのだが、さすがに「鹿児島王将」となると一種独特になる。鹿児島の人たちの口に合うように、ということで独自の味付け、レシピになったとのことだが、ある意味「鹿児島王将」も「郷土料理」の店といえるのではないかと思う。

結局、薩摩料理と「鹿児島王将」で一献は二次会まで及び、そのまま歩いてホテルまで戻る。大久保利通像にも出会う。

部屋に戻り、地下のサウナ・大浴場に向かう。ビジネスホテル側からだと部屋着のままでよく、エレベーターの地下から専用の入口に進み、ルームキーを見せるとそのままロッカーキーを渡される。天然ではなく人工の光明石温泉だが、ジャグジーもあり(サウナは苦手なので入らない)心身を癒すことができる。

入浴後は休憩スペースでしばらくゆっくり。こちらは宿泊中は自由に利用できるので、翌朝も来ることにしよう。

・・・こうして、鹿児島での一夜は十分満足できるものとなった。しかし問題は翌12日である。鹿児島でのホークス対バファローズ戦に合わせて今回の九州八十八ヶ所百八霊場めぐりを組んだのだが、テレビ、スマホの天気予報を何度繰り返し見ても、12日の鹿児島の天気予報は雨。しかも降水確率100%とある。正直、今日11日なら土砂降りの雨で桜島や錦江湾の景色が見えず、宮ヶ浜の札所まで傘をさして歩き、指宿の砂蒸し風呂で雨に濡れてもよかった。

ただ、こればかりはどうしようもない。野球は中止確実として、夕方の新幹線までどのように過ごすか。他の札所を訪ねることも含めて考え直すことに・・・。

コメント    この記事についてブログを書く
« 第15回九州八十八ヶ所百八... | トップ | 第15回九州八十八ヶ所百八... »

コメントを投稿