まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第16回四国八十八所めぐり~三角寺口

2018年05月06日 | 四国八十八ヶ所
4月30日、三角寺へ向かう。公共交通機関としては、川之江の隣の伊予三島から新宮、霧の森行きのバスに乗り、三角寺口バス停から徒歩40~50分とある。まあ、バス停から歩くのは仕方ないとして、問題はダイヤ。土日ダイヤだと、伊予三島駅発は7時43分、11時、14時30分と3本しかない。

また、三角寺口からの戻りの便は、新宮、霧の森に行った車両が折り返してくるようだが、三角寺に普通にお参りしたのでは間に合わない。何回も触れているように午後は川之江での野球観戦で、試合開始は13時、開門は12時である。となると選択肢は伊予三島を朝のバスに乗り、三角寺からの帰りは川之江まで7~8キロを歩くことになる(川之江駅から球場までは歩いて10~15分と見込む)。

ホテルの朝食が6時半からなのがよかった。ミニバイキングだが、セレクトインホテルチェーンが力を入れているという朝カレーがなかなか美味かった。

川之江7時31分発の伊予西条行きに乗り、36分に伊予三島に到着。改札を出るとちょうど43分発の新宮行きのバスが入ってきた。好接続である。

バスの乗客は私一人。途中、伊予三島の中心部から地元の人が何人か乗ってくる。器用に数少ない便を利用するものだなと見ていると、一貫田(いっかだ)で降りて行った。ここから10分ほど歩くと高速バスの三島川之江インターバス停があるので、それに乗り継ぐのだろう。この辺りは国道11号線も走り、ロードサイドの大型店も並ぶ。川之江や伊予三島の駅前が寂しかったのも、今の地方都市の典型的な姿だろう。

川之江方面に戻るルートを通るバスも、上分(かみぶん)から山の方に進路を取る。途中、川之江の地酒「梅錦」の蔵元を過ぎる。雰囲気のよさそうな建物だったので歩いてみたいとも思ったが、帰りは別ルートを歩くことにしている。せめてどこかでワンカップでも買うことにするか。

8時06分、小さな集落の中の三角寺口バス停に到着。バスを降りて笈摺を羽織り、金剛杖を取り出す。三角寺までは2.2キロとある。まずは小川に沿って緩やかな坂を上がる。田畑の中にゆったりした造りの民家がある、緩やかな里山という感じだ。こういう景色が広がるとは意外だった。

少しずつ坂が急になる。振り返ると周囲の山々と合わさってのどかな景色である。一方で、少し霞んだ先の町中に見える丘が川之江城。帰りはあそこまで歩くのかとちょっとため息をつく。

川之江の町からの車道と合流する。ここから三角寺まで1キロとあるが、なかなかの勾配である。アスファルトの車道を延々と上るのもきついものがある。西国12番の岩間寺、あるいは29番の松尾寺に至る坂道、を思い出す。まあ、あれに比べればまだ距離は短い。ここは淡々と杖を突きながら坂道を上る。途中何台もクルマが追い越して行くが、それはどうぞお先に・・・という感じである。

バス停からは35分ほどかかったか。山門の下の駐車場に着く。駐車場から山門までは急な石段が数十段伸びる。ちょうど、菅笠に金剛杖スタイルの二人連れの巡拝の方がタクシーで乗り付けたところ。「この階段上るの~」とこの世の終わりのような顔をしていたが・・・。
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