まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第16回四国八十八所めぐり~観戦記・四国アイランドリーグ愛媛対高知@川之江

2018年05月08日 | 四国八十八ヶ所
川之江の町を抜けて着いたのは浜公園野球場。駅から行くと外野スタンドへの盛り土があり、三塁側に沿って正面に出る。ベンチ式の観客席は一・三塁付近までだけで、後は芝の席という地方球場らしい造りである。これから観戦するのは、愛媛マンダリンパイレーツ対高知ファイティングドッグスの試合。

開場が12時、試合開始が13時ということでしばらく外で待つ。金剛杖をそのまま持って来ているため「お遍路してはるんや」と地元の方から声をかけられる。「阪神応援しとるんやけど、今年はもう一つやなあ」と続けられる。

この球場はブルペンが外から丸見えで、投球練習も間近に見ることができる。独立リーグの投手の球速はだいたい130キロ台後半が多いが、それでも素人が近くで見ると速く感じる。

1台のコンテナが球場正面に下ろされる。球団が紙や布のリサイクル回収を行うという。紙は川之江や伊予三島といった四国中央、布はタオルなど繊維産業が盛んな今治を表す。回収して得た利益は球団の運営資金に充てるという。

開場時刻となり入場。愛媛のキャラクターであるマッピーと、謎の男「ウィーク・ゴールデン」氏に出迎えられる(画像は試合終了後のもの)。謎の男は球団スタッフの方だが、試合ごとにいろいろなものに扮して観客を盛り上げてくれる。

一塁側、愛媛側のスタンドに陣取る。ベンチ上のフェンスも低くグラウンドが見やすい。また外野の方に目をやると、最近新しくしたというスクリーン(アニメ表示も可能)があり、その奥には川之江城、川之江の入江、さらに奥には製紙工場が見える。なかなかよい眺めだ。海からの風も吹いて来るし、巡拝で歩いた後ということもありビールがより美味く感じる(ワンカップで持ち込んだ「梅錦」も後で美味しくいただいた)。

地元のダンススクールの子どもたちによるダンスの披露や、四国中央市の教育長の挨拶があり、愛媛、高知の選手、監督、コーチが全員紹介される。愛媛の選手は先日舞洲でのバファローズ(2.5軍)との練習試合で見たメンバーも多い。

さて試合。愛媛の先発は杉安。防御率は1点台でリーグの上位につけているが、勝ち星はまだない。初回は二死から3番宮田に安打を許すが、続く安藤を打ち取る。この安藤という打者、開き気味の構えがかつての中村紀洋に似ている感じだった。

高知の先発はサイドハンドの丸山。ここまでチームトップの2勝を挙げている。しかしまず先頭の太田にストレートの四球。続いては主砲のペレス。レフトへの当たりは伸びて、ポールを巻くようにしてフェンスを越えた。チームメイトのヘイドーンと並びリーグトップとなる4号2ランで愛媛が幸先よく2点先制。スタンドも大いに沸く。

2回は高知も反撃。先頭のザックが安打で出塁。その後、2つの四球で一死満塁とする。ここで9番の藤原がレフトへのタイムリーを放ち1点返す。なおも満塁とするが、続く高井はピッチャーゴロでホームフォースアウト、山城が空振り三振で1点止まり。ここは杉安が耐えた。

その裏、二死から安野、福田の連打で一・三塁のチャンスを作る。続く太田の打席で三塁へのファウルのゴロが飛ぶ・・・ように見えたが、塁審はフェアのジェスチャー。そのまま一塁に送球してアウト、チェンジとなる。高知の選手がベンチに戻る中、三塁コーチボックスの萩原コーチが抗議。河原監督も出てくる。NPBなら「チャレンジ」の対象となるのだろうが、ここは独立リーグ。ビデオで検証することはできない。結局審判3人で協議して、主審の判断でファウルと判定が覆った。

そうすると黙っていないのが高知の駒田監督。こちらは派手なジェスチャーも交えて何か言っている。三塁ベンチからはフェアに見えたのだろう。しかしそこは判定も決まったことで、これ以上覆ることはなく、試合再開となった。まあ、それだけ微妙な当たりだったということだろう。ここで助かった形の太田だが、再開後の初球をセーフティ気味にバント。丸山があっさりと抑えて3アウト。ちょっともったいなかったかな。

3、4回は両チームとも走者を出すが無得点で、5回表。高井が左中間への三塁打を放ってチャンスを作ると、宮田の内野安打で1点を挙げる。これで2対2の同点となり、試合の展開もわからなくなる。

愛媛は6回から片山が登板。牽制悪送球もあり勝ち越しのランナーを三塁まで進められるが、代打の田久見を見逃し三振に打ち取ってピンチを脱する。

7回の表裏にはジェット風船が飛ぶ。愛媛のオレンジ色のジェット風船は四国中央市ということで大王製紙(エリエール)の提供で、来場者にプレゼントされたもの。普段バファローズの試合を観戦しても風船は飛ばさないが、ここは川之江の潮風に任せるということで私も風船を飛ばす。

愛媛にもいい流れが来たようで、先頭の福田がレフトへの二塁打。太田が送って一死三塁として、迎えるは先制本塁打のペレス。振り抜いた当たりはライトへ。打った瞬間にわかる大きな本塁打となった。これで4対2と愛媛がリードする。これでリーグ単独トップとなる5号。

再び愛媛がリードして8回からは元日本ハムなどのベテラン・正田が登板。8回を3人で退ける。

8回裏、この回から高知は渋谷が登板。先頭の代打・堀尾が四球で出塁し、その後二死二塁となったところで安野がライト前にタイムリーを放つ。これで5対2となり、試合は決まった感じがある。

9回も正田が三者凡退に打ち取り、試合終了。5対2、2時間40分という早い展開だったが、見どころはいろいろあった。「今日はええ試合やった」とスタンドのあちこちで聞かれた。

試合終了後はアイランドリーグ恒例の選手お見送り。子どもたちも色紙やボールを持って選手たちには行列ができる。私も毎度のことながら納経帳にご朱印・・・もとい選手名鑑にサインをいただく。特に2本塁打で、この試合のMVPとなったペレスは大人気だ。

さて、四国八十八所めぐりも愛媛が終了間近ということで、アイランドリーグ観戦もいよいよ香川に移る。香川ではレクザムスタジアム(香川県営球場)、レクザムボールパーク丸亀(丸亀市民球場)、観音寺運動公園の3つの球場がある。その中でアイランドリーグのボールパークとして評判が高いのが丸亀だそうで、まだ行ったことがないこともありここは候補にしたいところだ。讃岐の札所めぐりと合わせて楽しみである・・・。
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