響いた(てる)言葉(3)

2021年08月17日 09時57分39秒 | 響いた(てる)言葉
      響いた(てる)言葉(2)

2021.08.17  とある対談で上の千鶴子先生が「子育て」について
   「親の役割は子供の知らない選択肢をたくさん与えてやること」
   「選ばないってことはいくらあってもいいけど、
        選べないってことはできるだけ減らしてあげた方がいい」
   「愛し合った両親のもとに自分は生まれてきたんだ、というのは一番最初の大きな
    自己肯定感。目の前の男女のカップルがどう振る舞うか、それが性教育ですよ。」
                             2021.08.15 朝日朝刊より

2021.08.09  朝日新聞 文化欄 米国を代表するシンガーソングライター ジャクソン・ブラウンの詞から
   「200年前に先住民を殺して土地を奪い、奴隷を連れて来て作った移民の国が、今度は
    移民を排斥するようになってしまった。一度手に入れたものは一人占めしたい。
    タイタニック号が沈み始め、ボートに乗ろうとした時、先に乗った人が『お前は乗れ
    ないから出てけ』と告げるように。それは米国だけでなく、これまで寛容だった北欧
    なども含め、世界中に起こっている。」  楽曲「ザ・ドリーマー」で

   「人類が居なくなった後も地球は続く。でもその地球には、我々人類の行いによって、
    生命が存在しないかもしれない。そんな分岐点に、今我々はいる。」
                   楽曲「ダウンヒル・フロム・エブリホェア」で

    そして、「人間こそウィルスかもしれない」と説く。

2021.07.26  朝日新聞(7/26) 総合地球環境学研究所所長 山極寿一
        「スポーツの起源について」

   「相手に勝つことが目的ではなく、互いに立場を交代しながら競い合い、そのプロセス
    を楽しみ、勝ち負けにこだわらず健闘をたたえ合う。いっしょにスポーツに興じたこ
    とによって、より一層信頼できる仲間となる。観戦者もこの同調の和に巻き込みなが
    ら、スポーツは私達の社会を和ませ、新たな絆を作ることに貢献してきたのだと思う」

2021.07.26  朝日新聞(7/23) 建築批評家 五十嵐太郎東北大学教授

   「丹下健三の国立代々木競技場は日本の高度成長の象徴でした。
    今回新築した国立競技場は黄昏の時代の象徴になってしまったと感じてます。」

       57年前は力があった、躍動があった。 しかし今はそんな力どこにも無く、
       こじんまりとまとまってるだけの国、つまり「黄昏てる」「前途感がない」
       国ではないか と評してる。
       確かに五輪のためにいろいろ新築したようだが、ワクワク感は感じない。

2021.07.01  朝日朝刊6/30 多事奏諭 科学医療部次長 岡崎明子
        「子どもの生きやすさ 『いつも幸せ』じゃなくていい」 と題して

   「人はだれしも幸せであるべきで、幸せを追い求めるべきだ。近頃、ますますこうし
    た規範が強まってないか。(中略) もちろん生死にかかわる苦境は政治や社会が
    取り除かねばならない。その上で『常に幸せでなくては』というこだわりがなくな
    れば、此の世はもっと生きやすくなるはずだ。」

2021.04.08  朝日新聞4/3朝刊 多事奏論欄 編集委員吉田純子さんが
        「『面倒くさい』にあがらう 心を守る言葉 選び続けたい」 と題して

   「『面倒くさい時代になった』 でも、もし、諸々の複雑なことを「面倒くさい」と
    一蹴し、逡巡を避け、深い思考を自ら放棄する人が大多数になったら。その先にあ
    るのは「自粛」「不要不急」など、本来は私達一人一人に委ねられるはずの言葉を
    どんどん政治家がかすめ取り、都合よく利用する未来だ。」 

2021.03.18  NHK 100de名著 セネカの「生の短さについて」 を聴いて

   「我々の享ける生が短いのではなく、 我々自信が生を短くするのであり、
    我々は生に欠乏しているのではなく、生を蕩尽する、それが真相なのだ。」

    「時間」は量、「時」は質   生きてる今の質を高めよ。

    紀元前にこんな事考えた哲学者がいたことにも驚き。
    人間って2000年経っても賢くなってない、むしろ後退してるかも。

2021.02.27  朝日新聞 オピニョン欄への寄稿 作家 星野智幸氏が
                         「わきまえてきた男性へ」と題して。  
       森発言に見る現代日本社会を

   「 本当にこれでいいのか?と、実際には権限から疎外されているマジョリティーの男性
    達に私は問いたい。そのように唯々諾々と従う毎日は納得できる生き方なのだろうか。
    『仕方ないよ』とその強権を受け入れてきた姿勢が性差別の構造を温存してきたので
    はないか。本当は不平等のせいなのに、自分の惨めさを覆い隠したくて、女性が差別
    されていることを無意識に黙認するという態度は、差別されている者がより弱い立場
    の者を差別する、という連鎖と階級を作りだす。」

2021.02.13  11日の朝日朝刊 「気候変動 私はどうする」の「耕論」欄で
       JT生命誌研究館名誉館長 中村桂子さんが 熟語の読み解きで (一部修正) 

   「『進歩』には『走』ではなく、『歩』がはいっている。そしてこの字は『止』を含む。 
    気候変動の自分事化は、止ると倒れてしまう今の社会を変えることにもつながる」

       「進歩=成長」の正しい姿を考えろと言いたいのだろう。
       「資本論」の中では「脱成長。資本主義下では不可能」と説いている。

2021.01.24  朝日新聞 「五輪アスリートと五輪」特集の中から
       陸上女子10000mの新谷仁美さんが過去のインタビューで

   「東京五輪はアスリートと国民が一緒の気持ちになって開催してほしい。国民の皆さんが
    やりたくないと言っていたら、開催する意味が全くなくなる」
   「アスリートだけがやれると信じたいと言っても、このご時世ではただのわがまま」
       彼女先日のぶっちぎり日本新で走ったときにも感じたが、「哲人」だな。

2021.01.03  朝日新聞 社説「民主主義の試練と世界」 にて
       スウェーデンの調査機関がある基準で「民主主義国」「非民主主義国」を仕分け
       したところ、「非民主主義国」の方が多くなってるそうだ。後進国では権威主義
       に傾く傾向があり、先進国でも異様な権威主義が進行を始めてるとの見解。
       それでも「民主主義」が良としつつ、

   「民主主義は状態ではない。行動だ」
   「民主主義は保障されてるものではなく、私たちが守ろうとしてこそ強いものになる」
                       次期米国副大統領 カマラ・ハリス
   「民主主義とは、政治の慢心のたびに見失う正道を確かめ、
                    自らの歩みを修正する不断の努力なのだ」
コメント (11)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 白州に着いた | トップ | 化粧研究初日 »

11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
塩野七生さん (でん)
2021-01-05 06:10:07
1月4日21時の NHKニュースウオッチ9 の中頃で 約10分間 今のコロナ禍の世界をどう考えるかについて、実に的確に述べておられる!まだ1週間見逃しが見れるので、岳さんの意見が欲しい!!!
返信する
TVの見逃しって見れるの? ()
2021-01-05 08:39:28
でんさん おはようございます。
それは興味深い。聞いてみたいが・・・・。
ラジオの「聴き逃し」はよく使ってるけど、TVの「見逃し」って今あるの? どうやるんだ? 有料か?
調べてみよう。それが解らんことには見る聞くできないからな。
返信する
見れました ()
2021-01-05 09:39:41
でんさん NHK+ 機能に登録して、見れました。
今サーっと1回聞きました。話が大きすぎて、簡単に理解できなかったというのが印象。それと現段階では「ベネチアが徹底した隔離で社会を守った」ということと「社会の自由が次世界につながる」というところにスッキリしてないものがあります。それとヨーロッパの指導者も中途半端であると結論してるところにも違和感。そこは「ベネチア型の隔離政策でしょう」とするなら、中世と現代は違うのではないかの疑問があります。「踊り場」だとみるのは納得。「一服して、見つめ直して、違う世界に踏み出せばいい」というのは共感。  もう1回聞いてみましょうか。
返信する
ありがとうございました。 (でん)
2021-01-07 08:49:46
三回見直しました。岳さんの言うとおりです。
現在イタリアに住んでおられるので、イタリアの人の一般論なんでしょうね。それと歴史的認識の塩野さんの考えですね。
僕は即今の日本に当てはめて、強く共感しましたが、いま冷静に考えると、もっと今の日本の感染対策を考えなければならないとの強い示唆をうけたと思っています。
返信する
3回も視聴しましたか ()
2021-01-07 09:46:52
でんさん そうですね、イタリアに50年生活してきたというのは大きいでしょうね。もうEU人でしょうからね。
それと、こう言っては失礼かもしれませんが、やはり御歳をめされてるなと思います。大きな視点での見方には共感できるところ多いのですが、極論の部分だと「古さ」と「固定観念的な」ものを感じましたね。
返信する
新谷さん! (でん)
2021-01-24 10:14:53
昨日テレビで見た!ぶれない人!若いけど尊敬できる!!!
返信する
賛成、賛成、大賛成 ()
2021-01-24 10:41:51
でんさん おはようございます。
雨でやることないから、「思いを記事に」と励んでたら、終わる前にコメントがきた。「おっ注目されてるのか? いやいや、皆さんも暇なの!」 ですよね。
早速賛同ありがとうございます。
五輪どうするので関係者がだれも言い出せない状況にヤバイと思ったのでしょうかね、朝日が特集した。これで議論が進むでしょう。関係者の中には「ホッと」してる人もいるのでは。
返信する
われわれ自身が生を短くしている…………………… (kanou37)
2021-03-19 01:21:48
とても、セネカほどではないのですが、自分も漠然と、そう思っています。現実のあわただしさの中では、そうは思えても、寝ることしか残されていない。しかし、寝れれば、いい方だ。

それで、アマゾンで、セネカの文庫本(中古)を注文しました……………………哲学のほんのさわりだけでも、読んでみようかと。ありがとう。岳さん。がんばります。
返信する
そりゃ凄い ()
2021-03-19 07:34:53
kanou37君 おはよう。
えっ買って読むのかよ。 驚きで凄いな。 僕はこれ以上深入りはしないつもりだけど、買ってもせいぜい「100分de名著」560円どまりだな。
2000年後の人間に「読んでみよう」と思わせるんだからすごいな。 いい刺激がありますように。
僕は今 「資本論」の理解で苦しんでる。水曜日だったと思うが、NHKTVで又吉が出る「ヘウレーカ」と言う番組を見た。「100歳まで生きられるか、いきてみたら・・・」というテーマだったけど、技術的には生きられるようになる。しかし地球環境が・・・・となって、又吉は100歳は辞めましょうかねと言ってた。この「地球環境が・・・」と話ししたのが資本論の先生 斎藤幸平先生で「うん、とりあげられてるな」でした。 NHK+で見れると思います。時間があったら見てください。
返信する
本来なら (kanou37)
2021-04-11 08:02:48
セネカについては、世界史の教科書を探し出し、その時代の世界の、そして、ローマの政治や、暮らし、そういう仕組みにいたった背景まで、わかっていないと、哲学者単体ではわかりづらいですね。

 が、セネカの誠実な、あるいは潔癖な、そして、その時代を生き続けなくてはならなかったことの、苦悩や、絶望感は伝わってくる。このあと、「心の平静について」など、幸福とは何なのかを追求していくのであろう、目次が続く。

 話は変わりますが、黒井千次さんの「老いのゆくえ」も、同時並行して読んでいます。老いとはなんぞやと、突き詰めているのではなく、たんたんと、日々の生活の中に、体の弱りとか、生きる疲れとか、世間とかみ合いきれない毎日が書かれていて、セネカとはまるで角度が違うのが、おもしろいです。

 
返信する

コメントを投稿

響いた(てる)言葉」カテゴリの最新記事