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ブータンとGNH

2012年03月11日 16時34分45秒 | つれづれなるままに
市が催す国際理解講座で「ブータンと日本」という講演があった。講師は関西大学の草郷先生。面白そうだったので公聴してきた。
ブータンのGNH(国民総幸福量)政策の中身とそれがどのように始まり、今どうなってるか、また日本国内での応用例をあげながら、我が国ではどう扱っていくべきかの先生の考えを聞いた。震災からちょうど1年目の今日この話を聞けたのは何かの縁を感じた。

昨年11月に来日されたワンチュク国王は5代目の国王で、祖父の3代王が先進国を研究する中でこんなユニークで画期的な政策を自ら考えられたようだ。さらに次の4代王がたいへん優秀な王であられ、父の考えた政策を具体的なシステムにまで発展させ今にいたってるとのこと。
憲法9条で「政府の役割はGNHを追求できるような諸条件の整備に努めることにある。」と宣言している。さらにGNHの4本柱を定義し、9指標を設定している。政策を考える時、この指標にどう合致してるかを検討し、決定していくシステムにしているのだそうだ。
  4つの柱  「公正な社会経済発展」「環境の保全」「文化の保存」「よい政治」
  9つの指標 「暮らし向き」「健康」「教育」「コミュニティーの活力」「よい政治」「時間の使い方」「文化」
          「生態系」「心の健康」
いろいろ考えるきっかけになりますよね。

日本国内にもこれに類する施策を実施してる自治体があるそうです。「荒川区のGHA政策」「水俣市のもやい直し政策」「滋賀県甲良市の地域まもり政策」などを解説いただきました。
これらに共通してる点は「行政参加」と「住民の自治力UP」だというのです。市民参加の行政ではなく市民活動(自治活動)に行政が参加する統治スタイルが重要だとおっしゃってました。なるほどな。
そして日本の場合、上の4つの柱に「利他の精神」を加えて活用していくのがいいだろうとの提案でした。これは「全てのものとの関係において生かされてる」精神が薄れてることへの反省なのでしょう。ちなみにブータンでは国民が共有してる精神で、あえて明示しなくてもよいことのようです。

講演は1時半から2.5時間でした。震災発生時刻が重なってます。「どうするのかな」と市側の対応を注視してました。開講に先立ち黙祷する旨の連絡があり、2時46分から1分間全員で黙とうしました。後進国が進める先見的施策を聞きながらの黙祷 思いが深かったですね。
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