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ホールのオケピットって

2023年08月26日 10時40分36秒 | オペラに挑戦
   昨日ホールは写真の状態になりました。オーケストラピットです。

なかなか上手くできてるのでちょっと解説しましょう。
普段は写真のオケピットの場所には客席が4列あります。そこが椅子の無い平らなピットに変わってます。さらに左側に通路ができてますが、ここには5列目の客席がありました。
まず5列目の客席は床から外します。この5列目だけはボルトで床に固定されてるので、取り外しができます。外した椅子群は4列目までの床に仮置きします。
5列目椅子を乗せた4列目までの床が下降します。5mほど下がって停止し、次に左側客席の下に水平移動して格納されます。
水平移動し、格納された椅子付き床のさらに下に格納してある何も乗ってない平らな床がステージ方向に移動します。所定の位置で停止し、上がってきます。どの高さで止めるかは自由になってます。本公演の時は3mほどの深さですかね。
最後にオケピットと客席を隔てる1mほどの壁が立ち上がってきます。
これでオケピット完成です。人間の手作業は5列目の客席を取り外す作業だけ。あとは機械仕掛けです。ホールによって違うでしょうが、似たり寄ったりでしょう。
ステージ下(写真での右方向)に格納しないのはそこには別の倉庫があって、舞台専用の材料が格納されてるからです。じゃ、その材料はどうやって出すか。 ステージの真ん中が7×4mほどの昇降舞台になってるのです。 ほんとに上手くできてる。ホールステージをどう作るかだけを研究してる設計屋さんがいるんですよ。建築会社か建築設計会社に。

山高帽 使えなくなった

2023年08月21日 23時27分59秒 | オペラに挑戦
僕は何でも早く片付けて、先の見通しを良くしておきたいタイプ。懸案事項はメモ帳に書き出して、いつも眺めてて、これはいつやると決めていく。
オペラについても同様。歌はいつまでに暗譜、何月から譜面外しても計画しないと安心できない。そしてその通りやってくる。まっこれが楽なんですがね。
衣装も同じ。今回のボエームでは2つ役がくる。2幕のクリスマスイブ夜のパリ市民と3幕の2月早朝の掃除人夫。3幕の方は着飾る必要はない。日常生活並で揃えればいい。だから所持してる衣類で簡単にイメージできる。確かに考えるまでもなく、即決してた。 が故になんですが、2幕は凝ってみたい衝動が最初っからあった。出来上がったイメージは「60歳位の紳士、奥様連れでイブの街をブラブラ」で、ならば山高帽、黒のコート、蝶ネクタイ、ステッキ持って が1月頃に完成してた。さすがに山高帽とステッキは持ってない。貸してくれる人を探す、netで買ったらいくらだ と時間の余裕の中で色々手を尽くしてきた。幸い2つとも友人から借りる算段もつき、安心してた。
そんな衣装を着た写真も撮って、演出の方に送って了解をもらってた。舞台稽古になって、ステッキだけはもって稽古してた。その時もなにも言われず、60歳の紳士役を磨いてた。
19、20日の練習では衣装チェックもするとのことで、帽子、コート、ステッキをもって練習に。ところが、昨日20日の練習中に「竹ちゃん、山高帽辞めよう。立派過ぎる。着飾るのはソリストだけにしたいんだ。」との指示。 「えっなんだよ! 今更」ですよ。でもそう指示が出たんだからしょうがない、イメージから作り変えないと。60と50の夫婦を40と30くらいの夫婦に変更せにゃ。奥様役の方には影響ないだろう。ましてや若返るんだから。
さてさて僕の衣装だが。 どうするか。 もう所有してる物で作るしかない。となれば、あれとあれとあれでやるしかないか と超限定の世界。 ボヘミアンを描くと言ったってこっちは隠せない70おじさんなんだから。
25日歌練なしのバミリとオケピット作りでホールへ行く。全部持って行って、着てみて、演出に決めてもらうのが早そうだ。

ボエームの音楽的素敵さを

2023年08月20日 16時36分35秒 | オペラに挑戦
5/28の1回目に続き、今日マエストロ講習の2回目を聞いてきた。今日の講義は当然「ラ・ボエーム」、公演2週前で、宣伝と事前講習の意味もありますね。
指揮者から見た「どういいか、なぜすごいか」なんだけど、当然音楽的な視点に立ってだ。ストーリー面ではない。僕としても、ストーリーは知ってるわけで、僕なりの感想は持ってる。だからそこはさして感心が無い。やはり分析力が無い音楽面の話を聞かせてくれるのはいい。よって、全て感心する話。 なるほど作曲家の芸術的精神性とはこういうところにかくれてるのかの話ばかり。
登場人物にその人のテーマメロディー(モティーフ)を用意し、そのモティーフを場面場面でいろいろ変奏して表現する方法が採用されてることから解説が始まった。こういう手法を最初にやったのはワーグナーとの補足もつけて。ぼくが今まで経験してきた演目はだいたいこの手法がつかわれてたよう。 だからそれが当たり前のように思ってたけど、そうだよな、だれかが発明した手法だわな。変奏するって調(ハ調をヘ調にみたいな)を変えるのは一般的、長調を短調に変えるわ、リズムも変える。それが微妙な心理描写をしてるんですね。「う〜んここか、そこはかとなく僕を捕まえに来る素敵さは」で、めっちゃ納得。
もうひとつ解説してくれたテク。 「和音をあえて未解決で場面を変化させる」です。説明難しい。ギターのコード進行でやるよ。「C-F-G7-C」と進めるのは教科書的でだれでも納得する、違和感を感じない進行。 この最後の「C」をそれ以外に変えるんです。これを専門家は「和音の未解決」と言うみたいです。ここでもそれまでの長調から短調のコードに変更することだったあえてやってる。こうくると、聴く側の人間にはいろんな感情が生まれるようで、そこを敢えて狙ってるんだそうです。
まだいくつかあったようだけど、なるほどね、こうして作られてる音楽なんだ。聞くものを引き摺り込んでいく音楽、仕組まれてるんだし、作曲家はそこを仕込んでる。 
ここのリズムはベートーヴェンの運命のここをパクってるとか、ワーグナーのこのメロディーを真似てるとか、そうそうボエームの先頭ででてくるメロディーはプッチー二が音楽学校の卒論で書いた交響曲のメロディーと言う話もあった。指揮者ってさすが音楽のプロですね。
こうして解説されると、そういう観点でメロディーを聴き込んじゃいます。舞台の上では危険なことです。

皆んなが揃って舞台稽古

2023年08月07日 14時37分12秒 | オペラに挑戦
昨日やっと全員が(ソリスト、合唱のセミプロ助っ人、我々素人合唱団員、ついでに瀬山マエストロも)揃った立ち稽古だった。やはりいい。合唱もバッチリ厚みができる、そこにソリストの素敵な歌声がのってくる。中で動き、歌ってるんだけど、「ワッ〜、いい」なんて聞き入っちゃう。この気分が好きで、味わいたくてオペラ団員やってるんだから。
さすがに「最も公演回数が多い演目」と言われるだけに、プロ、セミプロの人達は最初っから完璧に歌いあげる。さすがやは。で、上手いんだから凄いな。
全員が舞台にあがり、それぞれの紹介、顔合わせをやって、ちょっと発生練習。即マエストロから「じゃ、2幕通して歌ってみよう。演技無しで。」。 何度かstop、歌い直しがあったが、マエストロには想像以上のできに聴こえたよう。いいじゃんね。 僕なんかこの通しで惚れちゃったんだから。
2つ3つの注意と子供合唱にちょっと稽古つけたかな。子供は楽しい。指導される毎にグングン良くなっていく。最後は後ろに立ってる大人軍団から拍手がでたほど。かわいい、ほんとに子供子供してる。本番でもその調子頼むよ。
ちょっと休憩して、もう演技しながらの通し稽古に。これまでは我々合唱団だけで演技練習してきたが、助っ人さんが入って、一気に舞台上がラッシュ状態に。人数が増えたことも原因なんだが、セミプロといえども経験豊富だから彼らが動くと平面的混雑以上に三次元的、スピードも入れると四次元的混雑が発生して、舞台が一気にクリスマスイブのパリの街中に変わったようでした。凄い凄い、これが醍醐味。
細かいアレンジをいれながら、3回通したのかな、演出家(うちの先生)もマエストロも満足気だったな。これはいままで以上に面白くなったぞ。自分で演出してる演技をもっと良くしたい欲が湧いてくる。奥様役をお願いした彼女とまた打ち合わせだ。彼女も欲出てきたよう。
面白くなってきた。こんどは11日だ。だから辞められん。    ( 白州から)

一番覚えのいい演目

2023年07月11日 09時35分23秒 | オペラに挑戦
立ち稽古になると当然楽譜なんて見てられない。詞はもちろん、歌い出しのタイミングも全体の流れの中で自分で捕まえていくことが必要になります。ましてや教えられたばっかりの動きをやりながらだから、立ち稽古当初は普通には混乱して、歌うのは2割3割になるのものです。僕も昔はそんな混乱 経験してきました。だからここ数年は年間予定を作って練習に臨んでます。
今回のボエームでは昨年中の3ヶ月で詞の暗記、今年の1、2、3月でメロディーつけて歌えるように。4、5、6月はできるだけ譜面見ないで、思い切り間違えて覚えてきた。これだけやってきて、もう十分歌える自信はついてますが、毎朝の散歩時は本番舞台の音源に合わせて歌う練習を続けてます。もうソリストさんの歌も脳みそに染みついてて、いっしょに口ずさんでます。
立ち稽古になって、「うん、今までと違う」を実感してます。歌い出しのタイミングを追いかける脳作業は不要です。少し前のメロディーが聞こえて来ると、ちゃんとそのタイミングで体が準備し、しっかり歌い出せます。 これだよね、こうでなくっちゃ と思います。
僕は「ノヴェッラ合唱団、演出のヒロ先生」が好きで、この団体に所属し、オペラを楽しんでるのですが、1つ不満なのは「いつまでに暗譜、何月からは楽譜を外すよ」を最初に指示しないこと。合唱団のみんなも今立ち稽古になると、「もっと早く暗譜しておけばよかった」と反省してる筈。どうせ暗譜しなきゃいけないこと、不安なままで舞台に立ったって楽しいオペラじゃないでしょう。 合唱団員が楽しく歌えるためにも、「最初の厳しい指示」これ必要ですよ。以前に意見したこともあるんですが、実施は無かったです。「そこまで自主的にやるんだ」が主義なのかも。だったら、団員がそこの努力をすることだね。 いいえ、これは自分のためなんです。

こう書くと「もう200%の自信で歌う」と思うでしょう。 いえいえそうはいかんのが歌。以前に書いた難問箇所はいまだに正解率50%止まりです。 やればやるほど「迷宮」に入り込んでいく感じです。 ダメなら最後は「歌わない」という選択があります。

演技の作り込み、役者気分

2023年07月10日 09時38分53秒 | オペラに挑戦
昨日立ち稽古2日目。我々合唱団の役者としての仕事は2幕(20分)の最初3分ほどと最後の3分ほど。ここの作り込みをやってます。
まず演出家がイメージを説明してくれます。各自は自分の動きをイメージし、構成します。ちょっとゆっくりなピアノ伴奏に合わせて、バミリの上で動いて見ます。大小の調整が入ります。大体できたところで、歌いながら動きます。まだまだ演出家からの修正はあるし、個人としても調整しながらです。
1日2.5時間の練習で2分間分だけ決まっていくような進捗スピード。特に今回は子供が入るので、ここがまた進捗を遅らせてます。まっそれも生みの苦しみで、面白いところです。
この主要時間帯以外はソリストが恰好いいアリアを順番に聞かせてくれるので、ただただクリスマスイブのパリ市街、雑踏を後ろで演じてればいい(時々はやし立てるような合唱がありますが)。だからこの時間帯では特に指示される演技はなくて、各自の創意工夫で表現すればいい、というか しなきゃいけない と言い渡されてます。
各自が2幕20分間のストーリーを作って、そこから演技を作るよう指示が出てます。これを決めれば演技も作り易いだろうは想像いただけると思います。
今のところ僕は 「初老の老人、昔実業家、かみさんとクリスマスを楽しみに街へ出てきたが、かみさんを見失い探してる。見つかってペアになる」 ここまでは昨日の練習範囲。でも20分中の頭5分程。この後かみさんとどうするかは2人でおいおい創作していくんですよ。合唱団のある女性に「奥さん役やってよ」とお願いして承諾はもらいました。彼女も「僕を嫌でなければ」ですが、演じ易くなったんと違いますかね。 但し、男性の少ない合唱団ですから、ペアを固定すると、女性同士のペアが多くなっちゃう。そこは上手く考え、動かんと とは考えてます。
若い娘に言い寄って、かみさんから平手打ちを貰う なんてのも有りです。 いちいち演出の了解はとりません。練習の場で自主的にやります。演出が「ダメ」と言ったら、辞めればいいだけ。こういう創意工夫、作り込みが面白いんですよ。
練習前のバミリ もう女性だけでサッサと進めてくれるようになりました。「みんなで協力していい物を創ろう」こういう熱が上がってます。この熱無しではいい公演にならないのをみんなが知ってる団体です。

バミリが始まる

2023年07月02日 11時05分30秒 | オペラに挑戦
今年のボエーム 9月の公演までもう2か月だ。 今朝先生から電話で「今夕の練習からバミリしたい」の知らせ。例年 練習バミリの段取りは僕の仕事になってるから、自分でも「早く図面くれよ」と楽しみにしてるところでもあった。今朝家まで図面を貰いに行ったわけだが、合唱団員の中で僕が一番で舞台イメージを知ったということです。

    左がその図面。当然中身はお見せ出来ません。A3のコピーです。
前にも書きましたが、この世界 いまだに尺貫法で作られてます。間(ケン)と尺の寸法取り。 まっ図面は1/100ですから、cm定規で測って、15cmは1m50cmと読めばいいんですがね。
この図面から線を引くのに必要なポイントの座標を全部測り出す。今簡易ですが、25ポイントありました。それらに付られた座標を一度方眼紙上に再現してみます。それで異常な曲がり、接続があれば調整します。
これで25ポイントが正しいとなったら、これを手分けして作業するのに効率のいい手順を考えるんです。20mのメジャーをどう使うか、いくつのグループに分けて、分散平行作業できるか を考えて、作業手順書にまでします。
ここまでをこれから4時頃までに仕上げるんです。手順書の基本は昨年の物があるのでそれを活用します。まっ手慣れてるから間に合うでしょう。 頑張ります。 
団員には「バミリやるぞ。 早めに来て」のLINEは送った。

ちょっとノイローゼ気味

2023年06月04日 16時32分18秒 | オペラに挑戦
今日の話は音楽的な話で、ちょっと難しいかもですが。ボエームの歌でドツボにはまったように歌えず苦しんでます という話。
今月からは子供合唱と合流して質を一段あげる予定になってます。僕個人は詞もメロディーも一応頭に入ってるので、楽譜は外し、立って、少し演技のイメージを入れながら指揮者見て歌うようにレベル上げてます。 まっ明日から立ち稽古と言われても対応できるところにはきてます。これまで8つ、9つやってきた演目中、一番覚えがいい演目でしょう。
ところが、ここへ来てあるフレーズで出だしの音が取れない、イメージして待てないところができちゃって、苦しんでます。ちょっとノイローゼ気味かも。 おそらくなんですが、練習始めた当初はイメージできて、スッとその高さの音が出たように思うのですが。 慣れたこと、慣れて周りのいろんな音(和音)が聞こえるようになったこと そんなことが影響してると見てます。

     2幕で合唱が歌い出して、ホッと一息つけた後で歌います。
左のページをソプラノが二声で3小節歌いますね、その後右のページで1拍おいて「Fiori alle belle!」と男が掛け声のように歌います。この頭の音がイメージンできんのです。
女性が「ラーレラレラレ ラーレラレラレ シラソ  シラソ」と歌う、最後のソを聞いて、即「ド」の音で歌い出すという譜面。前の3小節で感じてる和音の中に「ド」の感触がないんです。そりょ、和音の展開として「ド」の入った和音に変化するのは「不自然じゃないでしょう」と言われたら反論はしません。女性のコーラスを聞いてる最中にそこから展開される「ド」の入った和音をイメージし、その和音の中から「ド」の高さをイメージして待つ のができんのですよ。 前の女性コーラスがスピード感あるからこっちには焦りも生まれるしね。
何も考えずに感性だけで行くと歌えるのかも。「ヤバイ」感をもってるから、逆にいろいろ考える。結果は不正解と出る。自信が無くなる、さらに焦る。 負の連鎖の「ど真ん中」です。
こういう不出来っていうのは教える方だって教えようがないことだと思うのですね。「この音を覚えてください」としか指導法が無いはずです。 もう音感、感性の世界でしょうからね。
ちなみにですが、 女性の歌い出し音 「ラ」と「ファ」ですが、これも前奏の音からイメージするのは難しいようです。自分が歌う所じゃないから感じませんでしたが、先日の練習時、「男性の音 狂ってるわよ」と言われる前に、ソプラノ軍がしこたま訓練されてたからな。
「美しい響き」の裏にはこんな厳しい音楽の世界があることを知ってください。
何か音の出る楽器があったら音出して、上の音符をなぞってみてください。 もう一つ 本番の舞台ではどう聞こえるかの音源を作りました。 15秒です、聞いてみてください。

明日 チケット売り出しで

2023年06月01日 08時47分09秒 | オペラに挑戦
明日朝 9月公演のチケット売り出しです。 今まで来てくれた方に連絡し、今年の希望を集めてる。 とりあえず32枚買うことになった。 朝一番でかみさんとホールに行き、1回に4枚買える決まりで8回(2人で並び直しするから4回)買うことになる。こんな買い方するのは合唱団員で、顔なじみが「まだ買うの?」とか冷やかしながらグルグル回わるんです。4回転するに要する時間は30分ほどかな。 まっ、これも公演の楽しみの一風景ですよ。

昨日は希望が丘のカフェ「ピッコロ」にポスターとチラシを持って行った。ここの歌会仲間は10枚ほど買ってくれるんです。
今日は近所の友人宅、ここは毎週木曜日に自家製の野菜を販売するので、近所のおばさん達が集まってきます。ここにポスターを掛けていただけることになったので、掲示工事に行きます。

      そのために掲示板を用意しました。これを簡単に掲示できるように工事をやりに行きます。これで1人、2人観に来る人が増えればいいじゃないですか。

3時にお店OPEN。ガレージで自家製野菜を販売してます。    

マエストロらしい歌指導

2023年05月30日 09時33分29秒 | オペラに挑戦
昨日は瀬山マエストロの指揮者としてその音楽に向き合う際の姿勢というか解釈法を彼の講演からかいつまんで紹介しました。今回はその続きで、そのマエストロから直々に歌を指導されるとどうなるか、僕が感じた点を。
日曜日午後彼の講演を聞き、夕方から自分達の歌の指導がありました。講演を聞いた後だけに、単に歌い方の指導に止まらず、どう歌って欲しいか、何故そう歌って欲しいか、そう歌うためにどこに注意してほしいか、すればいいか を細かく指導されました。
ここでちょっと脇道。これまでだってプロとして歌ってる先生から歌指導受けてるわけです。指導法が違うというのか、単に音符追っかけて、「こう歌うんです」くらいできたように思うんだが、密度の違いみたいなのを感じたんです。いろんな理由が考えられて、単純に指導「力」の差を語るつもりはありません。 そうじゃないんだと思うからね。 生徒の方がまだ歌を知らず、「どんな歌?」の段階で難しい事聞ける以前だということ がまず大きいよね。 それより僕が一番と思ったのは 歌の色を決めるのはマエストロの仕事なんですよ。普段の先生(古川さん)は演出家です。マエストロと演出家とでは犯してはいけない領域が有るんでしょうね。だから古川先生は我々の歌に色(自分の感性)を入れないようにで指導してるんですよ。一方舞台上の色は演出家=古川さんの領域ということじゃないですか。
だからマエストロの指導になると、上に書いた「マエストロの考え、色」を理解して歌ってください になるんですよ、 きっと。
例えば こんな風です。  「ここの5度の下降音 これは明確に音の差を聞かせて。ここに凍えそうな寒さが表現されてるんだから。中途半端な下がりだと生暖かくなっちゃう」、「この一連のフレーズでは16分音符を大事に歌って。切れを大事にして。 スピード感と勇壮さが聞こえてこないとダメなんだ。」 とかね。
そしてそこを意識して歌うと練習場内の響きが変わってくるのです。 指導されてる方も何となくその変化は感じられます。その変化を感じるとテンションが一段上がります。 「これがが歌練だ」と熱が上がっていくんです。 まっこういう風にも僕はみてますが、われわれ合唱団、当然素人さんの集まりです。 でもこの指導を理解し、そこで付いていけるんだから皆さんポテンシャル高い人達だということです。
それにしてもです、素人の能力を引っ張りだしてくるのこ能力は凄いなと感心するだけです。「みんなで作り上げていくもの」を実感できます。