カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

北極のオオカミのヤクザな世界

2018-12-01 | ドキュメンタリ

 カナダのオオカミを紹介するドキュメンタリーを観た。オオカミの寿命はおおむね10年程度と考えられるが、ここのオオカミはそうでは無い。平均すると5年程度の生存率なのであるらしい。北極圏という過酷な自然環境であるというのが、普通に考えられる原因のようにも思われるが、もちろんそういう環境あってのことではあるのだろうけれど、オオカミ同士の壮絶なサバイバルが、個体の長寿を許さないのである。
 オオカミは、この世界では生存の頂点に位置する最強の生き物である。しかしながら過酷な環境と限られた土地にあって、非常に縄張りの厳しい争いをしている。数頭の群れをつくるが、その群れが弱ければ、いくらでもはぐれたオオカミが襲ってくる。まず子育てが大変に難しい。成長段階で弱者である子供は、大人のオオカミの獲物の対象になってしまうのである。母親やその家族は、子育てにおいては巧妙に身を隠しながら移動して狩りをしなければならない。せっかく何頭も子供を持っても、成長させることが極めて難しいのである。
 さらに大人になったとしても、他のオオカミの縄張りに迷い込んでしまうと、大変に危険な立場に置かれてしまう。獲物に境界は関係ないが、場所を構わず狩りに出ると、縄張りを守ろうとする他のオオカミに襲われてしまうのである。見つかれば脅されたり追い払われるというだけでは済まなくて、執拗に攻撃を受けて殺されてしまう。ただ単になぶり殺されるのである。そうやって均衡を守って、限りある個体が生存できるという事なのであろう。ほとんどそれは、ヤクザの縄張り抗争の世界である。パイが限られた閉塞空間において、仲間の掟が最も厳しくなるという事なのだろう。本当にオオカミに生まれてこなくて良かったと、つくづく考えさせられる厳しい世界なのであった。
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