カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

迫力と美しさは一見の価値あり   KUBOクボ 二本の弦の秘密

2018-12-02 | 映画

KUBOクボ 二本の弦の秘密/トラヴィス・ナイト監督

 アニメ作品。たいして話題になったとは聞かないが、非常に評価の高い作品で、改めて観る気になった。理由はすぐに分かるが、何しろアニメの出来が良い。日本の時代物であるが、勘違いも多くて日本向きなのかどうかよく分からない。目の描かれ方が差別的であるのをはじめ、不快な感じもある。まあ、日本人にはあり得ないリアクションばかりだし。そういう視点を面白がるという意味では、それなりに見どころがあるかもしれない。
 三味線を弾くと何故だか色紙を自由に操る事の出来る少年が、何か過去にあった運命のために執拗に狙われて戦わざるを得ない境遇にある。一緒に逃げている母は殺され、サルとクワガタと共に旅をして最終的には月の帝と言われるものと戦うことになるのだった。
 サルやクワガタには特に名前が無い。クワガタといっても基本的に甲虫という事であるらしい。そういう即物的なところは日本人には無い感覚だろう。また主人公の名前もクボである。公方や苗字の久保という事が日本人にはどうしても連想されてしまう。名前としては極めて異例なのではないか。そういうのは翻訳的に変えてしまうべきだったのではなかろうか。
 CGアニメではあるが、ストップモーション・アニメーション(いわゆるコマ撮り)を多用しているらしい。これが独特の迫力を生み出しているのは確かで、アクションシーンは見どころが多い。そういう複合的によくできた映像美があって、観る者を飽きさせない展開である。後で考えてみるとなんとなく ? 的なものはあるのだが、身をまかせて映像美に酔う作品なのだろう。魔力のようなものはあまり説明は無いけれど、最初からそんなものだと思うより無い。最後は科白が多くて説明的なんだけれど、だからといってこの境遇がそれで良かったのかは、よく分からない問題だ。映像に魅力があるので、ストーリーはどうでもいいのかもしれない。撮影は大変だっただろうから、功労を称えるべきなのであろう。
コメント
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