今回の出張の合間に、都合3度ほど新幹線を利用した。
僕の住む街にはまだ新幹線が通っていないし、新幹線の議論になると結構ナーヴァスなことになったりして面倒なんだけど、こうやって新幹線に乗ってみる機会があると、やっぱりこれは便利だなあと思う訳だ。空港は比較的近所にあるからその恩恵を受けていて、新幹線なんて必要ないね、なんて言えることは言えるわけだが、やはりその利便性においては飛行機とはまったく別の次元で良いと感じる。
飛行機でまず気に食わないのは、あれこれと手続きがうるさいことだ。最近はだいぶ簡略されたとはいえ、荷物がどうだの搭乗手続きがどうだの、ペットボトルがどうだの、金属がどうだの、お荷物を横にするからどうだの、時々ピーっと探知機が鳴ったりして脅かしたりだの、優先搭乗がどうだの、席順が何番目がどうだの、様々なアナウンスを慇懃にいちいち聞かされてイライラさせられる。人に不愉快な思いをさせる為にわざとやってるんじゃないかとさえ思える。
そうしてやはり座席も狭く(ファーストやビジネスを買える身分になっても、恐らく躊躇するに違いない。そういう違いって、なんだか嫌ですよね)、通路側の席じゃないとトイレに行くにも気が引ける。落語を聞けるのはそれなりにいいけど、たいてい行き帰り同じ航空会社ということが多いから、月をまたがない限り二度も同じのを聞いたりはしない。
お茶のサービスも随分前には楽しみだったけど、なんだかもうやらなくてもいいんじゃないかと思ったりする。しかしせっかくだから頂戴しますけど。
新幹線は事前にチケットを購入する場合だって出来はするけど、基本的に駅に着いてから買うというのがまず第一に好ましい。直近になって心変りしてもいいという余裕があるせいだろうか。そうしておもむろに時刻表を見て適当な時間の列車に乗ればいい。混んでそうならグリーン車を選択しても、そうものすごくスノッブな気分にもならない。そうして混んでたらそれなりに不快もあるだろうけど、座席もおおむね広々しているし、足元が広いのでトイレで失礼するのもそう気が引けない。弁当食うにも困らないし、逆に楽しみだったりする。仲間と話もしやすいし、まわりの人にも気遣いがあんまり必要ない。新幹線がやってくると、いろいろあるけどやっぱりいいよなあ、などと思ってしまう。
そんなことを言ってたら、まあしかしそれなりの料金だから当たり前ですよ、と言われてしまった。例えば福岡に行くにしろ、料金から考えてバスを利用する(それなりに快適だし)だろうし、特急列車と乗車時間がそんなに違う訳でもないのに料金はかなり違うのではなかろうかという。東京・名古屋あたりということになると、やはり時間的には飛行機の方が拘束される時間が短いという利点も大きそうだということだ。その上なんだかんだ言っても航空料金はそれなりに安くなっており、新幹線は贅沢だということに変わりはなかろうというのだった。
確かに今回飛行機が苦手な人がいて、その方は往復6万以上かかったようだし、一方で僕らは早割で2万ちょっとである。なるほど違いますね。そう考えると当たり前という訳か。
その上地元の負担金は税金として徴収されることになって云々という話に戻ると、やはり新幹線問題は又厄介なものに戻ってしまう。単に選択の恩恵を受けるのは、比較的お金に優位のある人という視点がどうしても絡んでくるもののようであります。