ミスター・ノーボディ/トニーノ・バレリ監督
多少単調だが、不思議な感覚とともに、妙に考えさせられる映画ではある。セルジオ・レオーネ原作の西部劇という触れ込みも多く、彼特有の西部劇の男の矜持というものを語っているという感じは確かにする。ちょっととぼけているようで、実は精一杯カッコつけている。時代もあるが、そういうものが素直に良かったと言えるのは、確かにいい時代だったのかもしれない。はっきり言ってほとんど漫画描写であり、実写映画の必要がほとんどない気もしないではないが。ヘンリー・フォンダが年取ってるなあ、という確認には必要かもしれないが。
そういう男の矜持であるとともに、伝説やら引退やらのことも、なかなか難しい問題だとも思った。普通に思い浮かぶのは、スポーツ選手の引退問題かもしれない。やりたい人が現役でやれる以上好きにすればいいとは思うが、やはり引き時というのはありそうだ。特にプロの場合興行であるという側面は無視できない。アマチュアだとデビューも引退も明確にあったものでは無かろうが、プロの場合だと活躍もそうだが、人気稼業であることが、実は第一に大切な要素だ。人気と実力があるうちが花だけれど、実力が落ちても人気があるという人もそれなりにいる。本人の問題というより、いろんな事情も絡んでいることだろう。分かりやすいのはプロレスで、あれだけハードな格闘技であるにもかかわらず、引退するのは結構まれだ。まあ、単純にスポーツのくくりで一緒に出来ないものかもしれないけど、そういうものの延長に、いろいろなスポーツもあるのではあるまいか。厳しいいい方をすれば、実力があっても人気の無い人であれば、引退問題も実はたいした問題にすらならないのかもしれない。
しかしながらいつまでも人気稼業であり続けるのもつらいことなのであろう。ましてやそれがガンマンであるとどうなるか。いつまでも命懸け。殺されるまでの地位である宿命というのは、それはいったいどんなことになるのか。
日本には宮本武蔵がいたわけだが、強くなったものがいつまでも強くなければならない厳しさというのは、かえって悲しい一生のような気がしてならないのであった。
多少単調だが、不思議な感覚とともに、妙に考えさせられる映画ではある。セルジオ・レオーネ原作の西部劇という触れ込みも多く、彼特有の西部劇の男の矜持というものを語っているという感じは確かにする。ちょっととぼけているようで、実は精一杯カッコつけている。時代もあるが、そういうものが素直に良かったと言えるのは、確かにいい時代だったのかもしれない。はっきり言ってほとんど漫画描写であり、実写映画の必要がほとんどない気もしないではないが。ヘンリー・フォンダが年取ってるなあ、という確認には必要かもしれないが。
そういう男の矜持であるとともに、伝説やら引退やらのことも、なかなか難しい問題だとも思った。普通に思い浮かぶのは、スポーツ選手の引退問題かもしれない。やりたい人が現役でやれる以上好きにすればいいとは思うが、やはり引き時というのはありそうだ。特にプロの場合興行であるという側面は無視できない。アマチュアだとデビューも引退も明確にあったものでは無かろうが、プロの場合だと活躍もそうだが、人気稼業であることが、実は第一に大切な要素だ。人気と実力があるうちが花だけれど、実力が落ちても人気があるという人もそれなりにいる。本人の問題というより、いろんな事情も絡んでいることだろう。分かりやすいのはプロレスで、あれだけハードな格闘技であるにもかかわらず、引退するのは結構まれだ。まあ、単純にスポーツのくくりで一緒に出来ないものかもしれないけど、そういうものの延長に、いろいろなスポーツもあるのではあるまいか。厳しいいい方をすれば、実力があっても人気の無い人であれば、引退問題も実はたいした問題にすらならないのかもしれない。
しかしながらいつまでも人気稼業であり続けるのもつらいことなのであろう。ましてやそれがガンマンであるとどうなるか。いつまでも命懸け。殺されるまでの地位である宿命というのは、それはいったいどんなことになるのか。
日本には宮本武蔵がいたわけだが、強くなったものがいつまでも強くなければならない厳しさというのは、かえって悲しい一生のような気がしてならないのであった。