心理学で何がわかるか/村上宣寛著(ちくま新書)
なかなか屈折した文章で面白い。エピソードも興味深いものが多く、文才のある人なのだろう。学問の内容もさることながら、読み物として面白い本なのではあるまいか。しかしながらひょっとすると、その内容に驚く人もいるかもしれない。厳しく断罪しているところはわりあい見事で、しかし断罪される方の心理学の好きな人には絶望を味あわされることになるのだろう。
しかしながら僕自身は、いくら学問とはいえ心理学は胡散臭いと思っていたので、ちゃんとした学問世界からはそうではないということが分かって、大変に有用だった。その上に面白く考えさせられるのだから非常にお得な本である。
やはりしっかりした統計を取った優位なデータをもとに物事を考えるという姿勢が何よりも強い、という当たり前のことが説いてあり、物事は直感や印象よりもエビデンスに基づいて仕事をすべきだと改めて感じた。それは普通に他の仕事だって同じ様に真理であり、ビジネスマンこそこの本を手に取るべきではなかろうか。何やら結局精神論のどうでもよい屑本より、数十倍も仕事に役立つと思うのだが…。まあ、残念ながら、そう思わない人の方が多そうだな。そういうところを上手い具合に料理してくれる中間の仕事も必要そうで、実に難しいものである。
しかしながら現在の診療についても辛辣に批判しており、もっと社会的にこの本の内容は認知された方がいいようにも思った。特に鬱などの心の病気で苦しんでいる人についても、この本の内容は大変に有用である。薬を飲むより運動をすると良いという単純な解を、これほど明確に示しているのもあんがい少ないのではなかったか。もっとも鬱の人が運動をしたがらないだろうという問題はあるわけだが。
そういう訳で、僕は気分が乗らない時でも散歩をするよう心がけようと思った。人を動かすのも確かな統計的な根拠(エビデンス)ということであって、やはり実に有用な本なのであった。
なかなか屈折した文章で面白い。エピソードも興味深いものが多く、文才のある人なのだろう。学問の内容もさることながら、読み物として面白い本なのではあるまいか。しかしながらひょっとすると、その内容に驚く人もいるかもしれない。厳しく断罪しているところはわりあい見事で、しかし断罪される方の心理学の好きな人には絶望を味あわされることになるのだろう。
しかしながら僕自身は、いくら学問とはいえ心理学は胡散臭いと思っていたので、ちゃんとした学問世界からはそうではないということが分かって、大変に有用だった。その上に面白く考えさせられるのだから非常にお得な本である。
やはりしっかりした統計を取った優位なデータをもとに物事を考えるという姿勢が何よりも強い、という当たり前のことが説いてあり、物事は直感や印象よりもエビデンスに基づいて仕事をすべきだと改めて感じた。それは普通に他の仕事だって同じ様に真理であり、ビジネスマンこそこの本を手に取るべきではなかろうか。何やら結局精神論のどうでもよい屑本より、数十倍も仕事に役立つと思うのだが…。まあ、残念ながら、そう思わない人の方が多そうだな。そういうところを上手い具合に料理してくれる中間の仕事も必要そうで、実に難しいものである。
しかしながら現在の診療についても辛辣に批判しており、もっと社会的にこの本の内容は認知された方がいいようにも思った。特に鬱などの心の病気で苦しんでいる人についても、この本の内容は大変に有用である。薬を飲むより運動をすると良いという単純な解を、これほど明確に示しているのもあんがい少ないのではなかったか。もっとも鬱の人が運動をしたがらないだろうという問題はあるわけだが。
そういう訳で、僕は気分が乗らない時でも散歩をするよう心がけようと思った。人を動かすのも確かな統計的な根拠(エビデンス)ということであって、やはり実に有用な本なのであった。