ヘイル、シーザー!/コーエン兄弟監督
最初にコーエン兄弟の映画好きであることを告白しておくが、さて、この映画に関していうと、これはもうサッパリ訳の分からない面白くない映画だった。短くいうと感想以上!って感じだけど、まあ、以前のハリウッド界が共産主義を嫌ってて、それを茶化した映画らしい。いろいろ変な人が出てきて、わざわざ下手な演技をする。そういうのが笑いのツボに入ると楽しめるのだろうが、ちょっとオタク過ぎる設定に、やっぱりついていけなかったのだろう。何しろ設定の時代はおそらく僕が生まれるちょっと前くらいだろうし、モデルになっている人物のことはまるで知らない。共産主義の何が悪いのかもよく分からないし、しかしそれでいて資本主義の何を守るべきかもわからない。時代に翻弄され消えて行った人たちは、後に検証され知られるようになったということは何かの話で聞いたことがあるくらいで、米国ハリウッドの闇史に光を当てながら、ギャグにしているという屈折感は、日本人の多くにはほとんど関係のないことではなかろうか。まあ、それも映画なんで仕方ないが、次回作に期待いたしましょう。