カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

アリとコニシキソウ

2015-11-26 | 散歩



 草取りなんかをしていると、小さいくせになかなか取りにくい草というのにぶち当たる。根が深いものは取りにくいというのがあるが、葉は横に広がりそれなりにつかめるのに、どういう訳か抜きづらいというのがあって難儀する。また簡単に抜ける場合も、根元にアリの巣があって面倒な感じのするのが、コニシキソウである。道端のあちこちや、畑の畝の間なんかにも結構生えている。
 石垣の淵などにもみられて、そういう場所ではたいてい周りに小さい土の粒が散らばっている。アリの巣があるのである。僕は子供の頃からこれがなんとなく不思議に思っていたが、あまりしつこいタチではないので、いつの間にか忘れていた。
 コニシキソウの花には花びらが無く、雄しべと雌しべの下に蜜を出すところがある。アリはこの蜜を吸いにやってくるが、その蜜に口をつけると、ちょうど頭のところに雄しべの花粉が付き、また雌しべの下の蜜を吸うと、ちょうどアリの頭に付けた花粉が雌しべにつくということになっている。自己受粉もできるそうだが、そのようにして多様性を確保しているということだろう。
 またそうやって種がついて大きくなると、はじけて飛び出していく。その種は、蜜を吸うアリとは別の種類のアリが、食べるために自分の巣に運んでいく。しかし不思議なことに、このアリはコニシキソウの種はほとんど食べずに、後で巣の外に出してしまう。そうやって遠くに運ばれるとともに、アリの巣のそばにコノシキソウが生えているという原因にもなっているのだそうだ。
 植物には頭脳は無いが、これはやはり考えているようにも見える。もちろん偶然の重なりを利用して進化するということを表している訳だが、自然に神の意思が存在するように見えるのは、このような営みがあるせいなのだと思うのである。
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