カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

お勧め笑い本6(奇人変人編)

2012-07-21 | なんでもランキング
お勧め笑い本6(奇人変人編)

○箆棒な人々/武熊健太郎著(河出文庫)
 偉大な奇人たちのインタビュー、ドキュメンタリー。これが面白いのなんの。面白いんだけれど、他の歴史上の偉人たちよりも、むしろもっと偉いのではないかという気分にさせられるのだからまた面白い。憧れるところもあるけれど、とても真似なんてできない。いや、ひょっとすると真似すらしたくないかもしれないが、猛烈にリスペクトしてしまう。著者が興味本位に茶化していない、真の愛情をもって接することによって、人というのはこれほどまでに自分をさらけ出してくれるということなのだろう。凄い本であります。

○アフリカにょろり旅/青山潤著(講談社)
 真面目な研究のための標本集めのための旅である。使命を受けて未採集のウナギを探し求めて、まさに命がけの様相を呈していく。しかしながらやっぱりなんだか嫌なんだということも正直に見てとれて、悲惨だけど面白いのである。だんだんと身も心も荒んで、本当に精神的に苦しくなっていくさまも含めて、失礼だけれど笑うしかないのである。真面目だけど、人間って根本的に馬鹿なんだという感じもして、楽しいです。

○活字狂想曲/倉坂鬼一郎著(時事通信社)
 こんな人を採用してしまうと、職場の空気は最悪になるに違いない。そういう意味では著者は加害者でもあるのだが、しかしながら会社というのは実際に人間的に不条理な社会だということも言えて、いちいち、本当に大人のさまざまな嫌な理由がはびこっていて、著者はそれに抵抗し、逃げたり戦ったりしているということなのかもしれない。お互いに不幸なことには違いないが、それが実にブラックな笑いに仕上がっている。いくら生活のためとはいえ、折り合いがつけられないのであればやってはいけない。時に若者の離職問題なんかをネガティブに取り上げられることがあるのだが、このような環境に感じている人間が長く勤められる訳が無いのである。面白いが、同時に後味悪く考えさせられる素直な物語なのかもしれない。
コメント
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