西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

カントリー ギター 2 [ マール・トラヴィス(1) ]

2008年03月23日 | カントリーギター列伝
Merle Travis (1) 
 米国盤 Capitol SM-650  The Merle Travis Guitar(オリジナルは T-650)     
(1)Blue Smoke (2)Black Diamond Blues (3)On a Bicycle Built For Two (4)Saturday Night Shuffle (5)Bugle Call Rag (6)Tuck Me To Sleep In My Old 'Tucky Home (7)Walkin' The Strings (8)The Memphis Blues (9)The Sheik Of Araby (10)Blue Bell (11)The Waltz You Saved For Me (12)Rockabye Rag

カントリーギターの名手として超有名な人で、もう語り尽くされていると思いますのでここでは彼のguitar playerとしての初めてのLPレコードの解説をそのまま訳して載せてみたいと思います・・・・・・以下訳・・・・・・ カントリー界の人達は彼の演奏を「Travis Style」と呼びますが、ジャズ・ミュージシャン達はあれは「Country Guitar」だと言います。呼び方はどうであれマール・トラヴィスのギタープレーは特別なもので、まさに素晴らしいの一言です。先づ、マール自身のオリジナルサウンドを持っているということです。とても表現力豊かで、あらゆる先輩ギタープレイヤーの音楽に対して敬意を払っていると同時にギターという楽器に対しても一種敬意を持っているのでは・・・とさえ思われます。
M.トラヴィスは若い頃にケンタッキー州のBoone Countyでtent showやmedicine showで演奏した経験があり、いわゆる生粋の、土着のミュージシャン達(その人達自身もまた・・・まだギターが珍しく、高価でもあった時代から演奏していた先達の演奏スタイルを受け継いできている人達です)から深く影響を受けたといいます。ごく初期の時代には知っている簡単な曲がくり返しくり返し演奏されたものでした。ミュージシャン達は曲が洗練されたものに聞えるように、ギターで独創的な音が出せるように工夫努力を惜しまなかったのです。このレコードでマールが実証しているように、素朴なハーモニーや単純なメロデイに力強い音やシャープな音が加わっています。
M・トラヴィスはカントリー歌手として、あるいは「Smoke,Smoke,Smoke」「No Vacancy」「Cincinatti Lou 」等の作曲家として有名でしたが、ギタリストとしてはそれほどには知られていませんでした(注:これはあくまでも当時のことです)。実際、アメリカのギタリストの間では彼のテクニックだけが先走りし目立っていたのです。マールの演奏はどのフレーズもスムーズで一音一音がとてもクリアーです。アルバム中の曲群があたかも複数のギターで演奏されているかのように聴こえるかもしれませんが、彼が弾くギター一本だけの演奏でありレコーディング上何のトリックも使ってはいません。
「Travis Style」はジャズとは言われませんが、ジャズの影響を受けているのは明白です。一つには、”Blues Playing”と呼ばれるものを取り込んでおり、映画「ここより永遠に」(1953年バート・ランカスター主演、マールも兵隊の一人として出演している)で歌い演奏した「Re-enlistment Blues」という曲にそれがうかがえます。彼の演奏は歯切れよさ、そして時に複雑で込み入った音で成り立っていますが、決して不協和音という訳ではありません。時として泣き咽ぶような音があったりしますが、決してめそめそしたものでもありません。彼が作り出す音、テクニック、音楽的なアイデアなど全てをひっくるめて「Travis Style」と言うべきでしょう。感受性豊かで表現力に富む偉大なギターサウンドを叶えてくれる確固たるミュージック・・・・それこそ「Travis Style」であり「Country Guitar」と呼ぶべきものでしょう・・・・以上訳・・・
(1917~1983年ケンタッキー州出身)1977年にCountry Music Hall Of Fameに選ばれています。
このレコードがCDで出ているのか僕はわかりませんがカントリー ギターの古典として一度は聴いておいたほうがいいのかな・・・と思います。
コメント
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