The Sons Of The Pioneers の草創期(3)
米国盤 American Folk Music AFM-721 Sons Of The Pioneers : Coral & Decca
(1)Way Out There (2)Tumbling Tumbleweeds (3)Kilocycle Stomp (4)A Melody From The Sky (5)Blue Bonnet Girl (6)So Long To The Red River Valley (7)Plain Old Plains (8)Kelly Waltz (9)If You Would Only Be Mine (10)Sierra Nevada (11)The River Of No Return (12)The Lilies Grow High (13)Lonely Little Room (14)Montana (15)Somebody Bigger Than You And I (16)Mystery Of His Way
前回の続き・・・・
このアルバム(1回目に載せたLPレコードのことです)に収録されている曲群はリパブリック社のスタジオに収蔵されていた最初のリハーサル段階のものや、後年ロイ・ロジャースをフューチャーしてオーバーダビングした最終テイクの歌が含まれています。ある曲ではロイのソロ、別な曲では The Sons Of The Pioneers にロイ・ロジャースをフューチャーしたものになっていたりします。中にはわずかですがデイル・エヴァンスが含まれたカットもあります。スタジオ内のコメントがそのまま残されている録音盤があったり、失敗テイク(途中でやり直すシーンがそのままの形で収録されている)をそのまま収録したりしてライブの雰囲気があるものになっていたり・・・・・です。
ティム・スペンサーのベスト作と言われている特別な曲 ”The Everlasting Hills Of Oklahoma ” が含まれていますし、コール・ポーター作の ”Don't Fence Me In ”、それに ”Tumbling Tumbleweeds ” も収録されています。”Cowboy Country ” と ”Ride 'Em Cowboy ” は牧場出の仕事やロデオを見たりしたりした経験がある者ならだれにでもアピールする曲です。 Johnny Mercer の非常に優れたヴァージョンで知られる ”I'm An Old Cowhand From The Rio Grande ” もまた A面に収録されています。
”The Everlasting Hills Of Oklahoma ” は1946( 昭和21 )年11月8日公開のリパブリック社の西部劇 ”Home In Oklahoma ”のためにレコーディングされたもので、非常に美しいバラードで Tim Spencer のとても素晴らしい作曲能力を示す見本であるばかりか、それを表現するサンズ・オブ・ザ・パイオニアズの手腕と資質を感じさせるものになっています。
”Don't Fence Me In ” は1930年代の映画 ”Adios Argentina ” のために Cole Porter が作曲したのですが 公開はされませんでした。1944(昭和19)年のワーナー映画 ”Hollywood Canteen ” の中でロイ・ロジャースの歌で紹介され、1945(昭和20)年のリパブリック社の映画 ”Don't Fence Me In ” の中で再度ロイ・ロジャースによって歌われました。そして1944(昭和19)年のヒットパレードでナンバーワンに輝き、以来カウボーイバンドが採りあげるスタンダード曲になっています。最近では(3人組の)カウボーイコーラスグループ Riders In The Sky のファーストアルバムの中のバージョンがあります。
ボブ・ノーランの秀作のひとつである ”Tumbling Tumbleweeds ”はロサンゼルスの荒涼とした吹きっさらしの日の午後に作曲されたものでした。はじめは ”Tumbling Leaves ” というタイトルでしたが、後年 The Sons Of The Pioneers によりマッチするように作り替えられて ”Tumbling Tumbleweeds ” となりました。
”Cowboy Country ”と ”Ride 'Em Cowboy ” は共に Tim Spencer 作の曲です。2曲とも楽天的な風味をもっており、singing cowboy 時代の軽快な心温まる姿勢があって The Sons Of The Pioneers のベストの趣きがあります。
Johnny Mercer 作の ”I'm An Old Cowhand From The Rio Grande ” は1936(昭和11)年にビング・クロスビーの歌で人気を博し、後に1943(昭和18)年公開のリパブリック社 西部劇 ”King Of The Cowboy ” の中でロイ・ロジャースによって披露されました。ここでのロイの素晴らしい歌が目立っており、同時にちょっとコミック風な雰囲気を持っているものです・・・・・・以上 Richard Hocuff という人が書いた解説の完訳です
(H27.12/31記載)
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