銚子・角巳之・三代目

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一燈を提げて...①

2022年12月13日 | 日記・エッセイ・コラム

一燈を提(さ)げて暗夜を行く。暗夜を憂うことなかれ。ただ一燈を頼め...。かつて何度か
掲載させて頂きましたこの言葉...、写真の風景を見た時に脳裏から湧き上がって参りました。
過日の銚子第二魚市場、漆黒の闇の中を入港してきた旋網船(運搬船)の様子であります...。

夜半の入港はベテラン船頭でも物凄く気を遣うらしいです。それでなくとも入港・接岸は
難しいのに、周囲は漆黒の闇...。ここで言う漆黒とは、単純な黒ではなくて(漆を塗ったお椀
のような:漆器)、艶のある黒色...。この艶が不気味で、恐ろしさを増幅させて参ります...。

冒頭の言葉は、江戸時代(中・後期)の儒学者、佐藤一斎の著した“言志四録”の一節...。
幕末の志士たちが好んで読んでいたとされる書であり、時代の変革期を覆う漆黒の闇の中、
もがき、苦しみながら新時代の扉を開いた人たちの息遣いが聞こえて来そうであります。

300年近く続いた泰平の世が終わる...。終わりは始まりを意味し、前途に対して希望の光
が見えるも、終わりから始まりまでの間を覆うのは漆黒...。暗夜を憂うことなくまずは自らの
手に一燈を。当初船は1隻でしたが、だんだん辺りが明るくなって参りました(続きは次回に)