風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

花巻空襲から75年

2020-08-10 | 世界・平和
3月10日の東京大空襲、6月23日の沖縄戦終結から
この8月にかけては忘れてはいけない日がいくつもある。
もちろん戦禍はそれだけではないけれど
それぞれ人類の愚かさを象徴する日ではある。

そして今日は花巻に空襲があった日。
市街地はほとんど焼け、花巻駅には爆弾と機銃掃射、
釜石線似内駅に停車した汽車にも機銃掃射が浴びせられた。
大工町(今の双葉町の文化タクシー付近)に住んでいた私の親父も
家族もろとも焼け出されたのだが
その時、すぐ裏にあった宮澤清六さん(賢治さんの弟)とともに
賢治さんの原稿を守るべく土蔵の中に運んだのだと
高校生の頃に聞いたことがある。
清六さんは戦時中からの文芸同人仲間だったとのこと。
私が大人になってからも時々親父に連れられて清六さんを訪ね
貴重な資料を見せられたり、蔵書をいただいたこともある。

さて空襲。
花巻市花城町には、当時の爆弾で傷ついた橋がまだ残っている。


大堰川にかかる花川橋だ。
かつては上町にも空襲の痕跡が残った建物があった。


今は災害復興住宅隣の老健施設になっているところ。
以前はここに井形酒店があり、
その蔵の壁に火災の痕跡が残っていた。
そんな歴史の物言わぬ証人もだんだん消えていく。
花巻空襲体験を語れる人ももう皆さん80歳を超えた。
記憶が風化しないように、
直接体験した世代に育てられた私たち世代が
次の世代に語り継がなければと思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 長崎の鐘 | トップ | 若手民俗芸能継承者たちのコ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

世界・平和」カテゴリの最新記事