風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

庚申

2023-05-02 | 文化
今日は庚申(かのえさる)の日。
古来この日は庚申信仰により、近隣の男達が集まり
夜を徹して酒を飲んだり騒いだりする日だった。
庚申信仰についてwikipediaを見ると

「庚申信仰(こうしんしんこう)とは、
 中国道教の説く「三尸説(さんしせつ)」をもとに、
 仏教、特に密教・神道・修験道・呪術的な医学や、
 日本の民間のさまざまな信仰(民間信仰)や
 習俗などが複雑に絡み合った複合信仰である。」

とある。
平安時代初期にはもう行われていたらしい。
60日に1度の庚申の日に眠ると、
体内にいるとされる三尸という虫が体から抜け出し
天帝に宿主の罪を告げて寿命を縮めるといわれ、
庚申の夜は眠らずに過ごすという風習が生まれたとのこと。
ひとりで徹夜よりは集まった方がいいということで、
地域で庚申講とよばれる集まりをつくり、
会場を決めて集団で庚申待をする風習がひろまった由。
庚申講の記念に建てたものなのかどうか
「庚申塚」と呼ばれる石碑が全国あちこちに残っている。



庚申信仰は明治期に修験道が禁止されたことがきっかけで衰退。
もうこの風習を知っている人も少ないだろう。
しかし、どうやら今も庚申講を続けている地域があるらしい。
もちろんもう三尸の虫を信じているわけではなかろうが、
地域の伝統的行事や生活慣習として残しているのは貴重だ。
少なくとも知識としてだけでも持ち続けたいものだ。
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