風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

出会い

2020-09-02 | 風人堂
インターネットの時代となり
人と人との関係性が変わったような気がする。
かつては様々な意見や考えを持つもの同士、
顔を合わせて議論し、話し合い、情報を伝え合った。
今、情報はインターネットから得られるが
簡単に目に入るのは自分の意見や考えと近いものばかり。
AIか何か知らないが、機械的に自分の嗜好や意見、
考え方に近いものが前面に出てきて
意図して探求しないと、世の中が自分中心に思える。
誰もが自分と同じ意見、考えを持っていて、
違う考えの人は異端に見えてしまう。
ネットを通じて知り合う人たちも、
結局は共感性が基本になっている場合が多い。

ネットでものを買う時も同じだ。
過去の検索情報や購入情報をもとにして
自分が好むと思われるものが
PCやスマホのディスプレイ上にどんどん出てくる。
そこで知ったものは、あたかもそこで出会ったように感じるが
実は「出会わされて」いるのだと思う。
そこには新しいベクトルはない。
ものも、もしかしたら人も
既定路線と同調によって予定調和されているのかも知れない。
確かにそれは心地よいのだが、
新しい世界、新しいベクトルを生まないことにより
自分の「進化」を妨げているのではないかと思ったりもする。
(私がSNSで繋がる人を
 基本的に会ったことがある人にしているのはそのためもある)

機械が選んでいない「出会い」はリアルでこそ体験できる。
人との出会いも、ものとの出会いも。
必要なものはネットを介してでも良いのだが、
未知のものや人との出会いはリアルでこそできるのだ。
私がこれから行おうとしていることは
未知の人との出会いの場であり、未知の本との出会いの場、
そして未知の映画や音楽との出会いの場だ。
ネット時代、コロナ時代には逆行しているのかも知れないが、
この時代だからこそ、ますます重要だと考えている。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 音楽はコミュニケーションの手段 | トップ | Machicoco便り vol.73 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

風人堂」カテゴリの最新記事