吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

獣除け電気牧柵の棚田の景色

2018年05月29日 | Weblog
中山間地の農業が衰退しつつある。この半世紀、農家農業の跡継ぎが減っている。整地整備の遅れが、農業の生産性というか効率を落す。耕運機やトラクターなどが入らない。付加価値率が低い3Kの典型農業、農家を引き継ぐ子供がいない。このような問題に輪をかけるこの頃の山獣問題。いままで出てこなかった山の獣が、山から里や田畑におり続ける。
〇悲しきは電気柵なり棚田かな


わが古里の田畑や無人家の庭を襲う猪。田畑や家々の庭柴などをその鼻で堀返す猪。根菜や植物の根を食すのか、地中の何かに興味があるのか知らない。さらに困るのが、収穫間近になってきた稲を襲うことだ。山に食べるものが無くなってきたのか、住む環境が悪くなってきたのか知らない。何をやっても防御が出来ない。仕方なくの獣防御電気柵なのだと思う。
〇獣除け電気牧柵春を除け


行政からの補助なども受け、一斉に電気牧柵を張り巡ぐしたのはあの東北大地震災害があった翌年だ。山からの鹿やイノシシなどを防御するために張った電気牧柵。獣を避けることに加え、人をも除けている。電気柵が、耕作農業の邪魔をする。耕運機や作業に入る時や子どもなどを引率するとき、十分注意しなければならない。緑の景色や空気を満喫したいと思って、棚田周りを散策する人々に危害や不快をもたらす。
〇燕来て土日農家の朝早し


山の獣やほかの害獣がいなくなる気配はない。棚田を巡らす電気牧柵がとられる時期は来なさそうだ。美しい棚田景色や環境が戻ることはなさそうだ。月に一度位しか帰郷しない農家を離れた年寄りの閑話でした。
〇人の居ぬ家ばかりなり春暮るる



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