はっさく(八朔)とは、柑橘類のひとつハッサクのこと。オレンジやグレープフルーツとは少し違う日本の夏蜜柑と柚子の間のような果実。夏みかんに近い姿形で、抑えた甘さと少々酸っぱさが強い酸味が特長。むかし広島は因島のお寺で発見されたということだが、明確な由来は不明。現在では広島での収穫(20%)より和歌山県生産の量が断然多い(70%)。
どちらかというと、ハッサクは冬場(12月~2月頃)収穫されるが、多くの人々に食されるのは3月~4月頃。昔は八朔なる旧暦8月1日(新暦9月上旬)食べたというが、あの分厚い皮肉や強い酸味をどのように食したのだろうか。いまでは、採りたての酸味などを抜き美味しく食べるために2ヵ月程貯蔵して出荷、これを戴くことになったのだ。
同時期に重なる夏みかんとの競合をさけるために、収穫の八朔時期の出荷を控え貯蔵しオイシクし翌3~4月頃に出荷したご苦労が偲ばれる。この9月、稲作を主とする農業国日本においてはいわゆる耕作や収穫の時であり、稲作における”穂出しや穂掛け”の時機でもある。台風や雷豪雨に加えて、害虫・害獣・害鳥などの被害に苦心する時期でもある。
いわゆる農家の三大厄日なる”八朔、二百十日、二百二十日”が続く9月。順番でいえば、二百十日が新暦8月31日又は9月1日、つぎが旧暦の8月(朔日)1日の八朔は 新暦9月7日又は8日。翌9月9日の重陽の節供を挟んで、9月10日あたりが二百二十日。”陽”重なりのめでたい9月9日は、救急の日だともいう。とにかく、庶民や農家の人々にとっては”忙しい” 9月上旬ごろなのだ。
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