吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

ふる里や 荒れし原野の 合歓の花

2014年08月02日 | Weblog
年に3~4回しか帰省できない古里は、2050年なくなるかも知れないという。何の特徴的な産業も、産物もない中山間地。農業だけでは成り立たない。帰省の度にみる”誰も住む人がいない”家。年に1~2軒のペースで廃屋が増える。棚田は原野化し、人手が入らない。蔦雑草や合歓の木が増える。『里山や 麓彩る 合歓の花』

荒れ放題の耕作放棄地の棚田の畦道に、色とりどりの夏草の花。エビネやシュンランとは少し違う龍のヒゲのような野草蘭。その隣の土手に、大輪の百合がある。何とも元気なのは、野草や蔦雑草だけの古里。里山の中腹から眺めると、耕作棚田の水稲のみどりがまぶしい。

いま、里山の中腹半分は合歓の花。麓の原野も合歓の花が満開。いつごろから、このような風景になったのか知らないが、原野や棚田の畦道は、合歓の木の幼木でいっぱい。桑や梅の低木は、葛やアケビなどの蔦雑草に覆われ、花や実をつけることもできない。そのような荒れ地や原野で、低木や野草があざやかに四季を知らせる。

ついこの間の蛙の合唱にかわり、アブラゼミやミンミンゼミが声高々に鳴く。薮雑草の間に、空蝉がひとつ。『ふる里や 墓の脇道に 空蝉が』
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