21日(火)、加東市社にある善龍院で360年余りの伝統を持つ初庚申祭りが行われました。9時前にお参りしましたが、9時からのお祭りの準備を檀家の役員さんらが慌ただしく行っておられました。
善龍院は、涌羅野山慈眼寺善龍院の寺号をもつ真言宗のお寺で、赤穂の浅野氏の分家である家原浅野氏の菩提所として代々の領主の位牌が納められており、初庚申(年始の庚申日)には多くの人々が参詣する庚申寺として知られる由緒ある寺院です。今年は、お祭りの前でしたが、お参りすることができました。
この歴史ブログでは、初庚申祭りについての説明を紹介してきましたが、今年も掲載します。
庚申とは、「庚(かのえ)申(さる)」十干十二支の組み合わせで60日に一度めぐってきます。庚申堂の本尊の青面金剛大明王(しょうめんこんごうぞう)、すなわち庚申さまは、開運、厄除け、五穀豊穣、無病の守り本尊として昔から信じられています。
庚申堂にお参りし、「庚申お猿」をいただきます。布でつくられた猿のお守りですが、「災難を去る(猿)」ということで、このお守りをいただき、翌年奉納すると、ご利益があり念願がかなうといわれています。お参りしたあと、よもぎ団子と昆布茶の御接待を受けます。甘さと昆布茶の味が格別です。
昼前には大般若経が奉読され、開運厄除、七難即滅、七福即生、福寿円満、風雨順時、五穀豊穣、交通安全、家内安全が祈念されます。庚申堂の内部正面にはよく神社に祀られている鏡があります。善龍院は明治維新までは佐保神社の社僧を務めていた関係ではないか、というお話を聞きました。その奧の秘仏は60年に一回の御開帳です。