14日(火)、加東市の隣の篠山市今田町立杭にある兵庫陶芸美術館を訪れました。これは県議会の文化振興議員連盟の現地調査の一環として訪れたものですが、ちょうど特別企画展の「今右衛門の色鍋島」展が開かれており、その見事な色合いの作品を鑑賞することもできました。
今日紹介するのは、日本六古窯の一つである丹波焼の里、立杭に復元された丹波登窯です。平成26年から修復作業が行われた登窯を見学し、その修復作業にあたった美術館の山田貴一さん(写真)から窯の特徴や焼き入れ作業などについて詳しい説明を受けました。
この登窯が築かれたのは明治28年で、全長47メートル、窯室は9袋あり、昭和48年に兵庫県指定有形民俗文化財に指定されています。しかし、阪神淡路大震災で一部が陥没するなどの被害を受け、ブルーシートで覆われているような状態でした。平成25年度に最古の登窯復興と丹波焼の里活性化の委員会が立ち上げられ、26年度から覆屋根の工事や修復に必要なまくら(日干しレンガ)づくりなどが行われ、27年11月には修復後初の焼成が行われました。28年度には2回目の焼成が行われました。1回の焼成には赤松の薪の束が1000束必要で、火入れをして3日間燃やし続けます。各袋を順に上へと温度を上げていきます。そうした説明を実際に窯を見ながら受けました。一番上まで上ってみると、煙出しの穴が蜂の巣のように開けられていました。
もう20年ほど前のことですが、中学校の教師時代に歴史資料集の兵庫県版をつくるために調査に訪れたことがあります。その資料集には登窯の写真を掲載しましたが、レンガ作りの煙突も見えるので、別の登窯だったかもしれません。
ボンベが窯の中の地中に埋められていたことがニュースになったことは記憶に新しいのですが、来年の5月2日から4日の連休には焼成が予定されています。焼成参加作品の募集も行われているとのことでした。加東市のすぐ隣の立杭丹波焼の里の紹介でした。