今日で、この項も最終です。
「四年生の読本で、県税は県の費用になることを習いましたが、詳しく言うと、どんな事業に使っていますか。」
「それはなかなか多方面であるから、一口には言えないが、県立の学校や病院、警察署、道路、橋、公園などの費用をはじめ、感化院、養老院、職業紹介所、公設食堂などのような社会事業費に至るまで、本県では一ケ年に二千万円を超えている。そしてこれらの費用の大部分が、我々県民の租税であるのはいうまでもないことだ。」
「県会議員のほかに、まだいろいろな議員がありましたね。」
「そうだ。市町村には市町村会議員があり、国家には衆議院議員というものがあって、県会議員と同じように何れも国民が公選するものだ。市町村府県、国家と大小の相違はあるけれども、国民の世論によって政治をして行こうという精神に於いては全く同一のものである。」
以上が、昭和6年刊の中学用『兵庫縣郷土讀本』の第33項「縣政の話」でした。父と娘が県会議員選挙の実施のために学校が投票場となることをきっかけに「県政」について会話をする形式で書かれていました。欄外には、研究資料として、県会議員の任期、有権者資格、県庁の事務分掌、県の歳入の種目、県会、県参事会、知事の各項目について説明がなされています。最後に「問」として、「帝国議会を組織する二院の名をいえ」、「帝国議会の主なる任務をいえ」と挙げられています。
巻末の郷土年表のには、明治4年「藩を廃し兵庫県を置かる」と書かれています。今年は兵庫県政150年で記念事業が行われましたが、初代県知事の伊藤博文が任命されたときを兵庫県の設置と定めてのことでした。明治維新の諸改革が進み、明治4年に廃藩置県、明治9年に現在の兵庫県の形になりました。それぞれ、現在の兵庫県の歴史の節目です。折々に歴史を振り返る契機になればと思います。
「四年生の読本で、県税は県の費用になることを習いましたが、詳しく言うと、どんな事業に使っていますか。」
「それはなかなか多方面であるから、一口には言えないが、県立の学校や病院、警察署、道路、橋、公園などの費用をはじめ、感化院、養老院、職業紹介所、公設食堂などのような社会事業費に至るまで、本県では一ケ年に二千万円を超えている。そしてこれらの費用の大部分が、我々県民の租税であるのはいうまでもないことだ。」
「県会議員のほかに、まだいろいろな議員がありましたね。」
「そうだ。市町村には市町村会議員があり、国家には衆議院議員というものがあって、県会議員と同じように何れも国民が公選するものだ。市町村府県、国家と大小の相違はあるけれども、国民の世論によって政治をして行こうという精神に於いては全く同一のものである。」
以上が、昭和6年刊の中学用『兵庫縣郷土讀本』の第33項「縣政の話」でした。父と娘が県会議員選挙の実施のために学校が投票場となることをきっかけに「県政」について会話をする形式で書かれていました。欄外には、研究資料として、県会議員の任期、有権者資格、県庁の事務分掌、県の歳入の種目、県会、県参事会、知事の各項目について説明がなされています。最後に「問」として、「帝国議会を組織する二院の名をいえ」、「帝国議会の主なる任務をいえ」と挙げられています。
巻末の郷土年表のには、明治4年「藩を廃し兵庫県を置かる」と書かれています。今年は兵庫県政150年で記念事業が行われましたが、初代県知事の伊藤博文が任命されたときを兵庫県の設置と定めてのことでした。明治維新の諸改革が進み、明治4年に廃藩置県、明治9年に現在の兵庫県の形になりました。それぞれ、現在の兵庫県の歴史の節目です。折々に歴史を振り返る契機になればと思います。