不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

昭和20年-6月の社区常会徹底事項

2007年05月31日 06時23分29秒 | Weblog
 今から64年前の昭和20年(1945)6月、大東亜戦争終結の2ヶ月前、社区の常会では次のような事項を徹底するよう決定していました。

六月の徹底事項

一、田植ヲ完全ニヤリ遂ゲヤウ
 腹ガ減ツテハ戦ガ出来ズ食糧戦力ノ源泉デアル然モ今年ノ食糧事情ハ国内自給ニ依ラザルヲ得ナイ情勢ニ立至リツツアル米一合一升デモ多ク増産シヨウ 其ノ為ニハ次ノコトヲ必ズ実行シヨウ

イ 田植ハ適期ニ行フコト、現在ノ労力状態デハ兎角田植ガ遅レ勝トナル惧レガアルガ田植ノ時期ヲ誤ルト米ノ増産ヲ望メナイ前作ノ麦馬鈴薯モ早ク収メ入レ共同作業等ニヨリ田植ノ適期ヲ外サヌコト

ロ 栽植密度ヲ増加スルコト、栽植密度ノ増加ハ肥料不足ノ際極メテ有効ナ増収法デアル今年ハ坪当リ株数ヲ今迄ヨリ二割方増加スルヨウニシ株数増加ノ困難ナトキハ一株本数ヲ増加スルコト又肥料不足ノ際ハ苗植方ヲ等間隔正方形植ヨリ並木植トスル方ガ結果ガヨイ

ハ 不耕作田ヲ残サヌ事 最後ノ勝利ヲ克チ得ルタメ今年コソ豊国農村ノ面目ニカケテ一ツノ不耕作田モ無イヤウ田ト云フ田ハ剰サズ立派ナ稲ヲ植付ケルコト手ノ足リヌ処デハ部落会ノ共同作業デデモ必ズヤリ遂ゲルコト

二、 藷類ノ増産ト収穫ニ就テ

 藷類ハ主要食糧トシテ又航空機其他ノ液体燃料源トシテ今年ハ何トシテモ大増産ヲヤリ遂ゲネバナラナイ 前線特攻隊戦果モ藷類ノ増産ニカカツテイル其藷ハ地方ニヨツテ本月中旬迄ハ植付ノ適期デアルカラ残リ苗等モ充分活用シ空荒地等迄利用シテ割当以上ノ植付ヲナスコト 又馬鈴薯ノ堀取ハ梅雨期ニカカルカラ収穫シタ薯ガ腐ラヌ様良くク風乾シテ包□スルコト

三、六百億貯蓄ノ強調ニ就テ

 通貨膨張ニヨル悪影響ヲ克服スルタメ手持ノ現金ヤ賞与其ノ他ノ不時収入等ヲ無理デモ貯蓄ニフリ向ケ戦力増強ト国民生活ノ安定トヲ図ラナケレバナラナイ 本年度ノ国民貯蓄ノ目標額六百億円ハ昨年度ノ五割増デアルソノツモリデ本月ウント貯蓄シヨウ

四、燈火管制強化ニ就テ

 最近ノ燈火管制情況ハ漸次悪クナリツツアルニ付管制ノ徹底ヲ図ルコト
                                  
                                  以上

 すでに昭和20年の7,8月の徹底事項をこのブログで紹介しています。この6月の事項を見ると、戦争継続に向けて、食糧増産と貯蓄運動の強化が示されています。この2ヶ月後には終戦を迎えるのですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

普通選挙の実施-昭和3年

2007年05月30日 06時28分54秒 | Weblog
 昭和3年(1928)2月20日、普通選挙法による初めての総選挙が実施されました。この選挙を前に、社町長から各区長に出された通知を紹介しましょう。

社通一第三五六号
                 社町長
 各区長殿

   衆議院議員選挙ニ関スル件
 来ル二月二十日ヲ以テ愈々総選挙ヲ執行セラルゝ事ト相成候ニ付テハ各位モ夙ニ御承知ノ如ク今回ノ選挙ハ実ニ普選第一回ノ選挙ニシテ我国憲法史上最モ重大ナル意義ヲ有スルモノニ有之従ッテ之レガ選挙ノ執行ニ当リテハ能ク普選法ノ精神ヲ究明シテ萬遺憾ナキヲ期スル事ハ尤モ緊要ナルコトゝ存シ申候 然ルニ昨秋行ハレタル府県会議員選挙ノ成績ヲ見ルニ棄権者最モ多ク即チ全国ヲ通シテ棄権率ハ実ニ二割六分強ニシテ本県ノソレハ二割八分強ヲ示シ申候 斯ノ如ク多数ノ棄権者ヲ見ルコトハ第一普選ノ意義ヲ没却スルモノニシテ実ニ遺憾ニ堪ヘサル次第ニ御座候 各位ハ比際適当ノ方法ヲ以テ普選ノ趣旨ヲ徹底セシメ各有権者ヲシテ進ムデ其ノ貴重ナル権利ヲ行使セシメ投票当日ハ一人ノ棄権者モ無カラシム様熱誠ナル努力ヲ払ハレ度特ニ及通達候也
  追テビラ送付候条貴部内有権者ニ各々配布相煩度御依頼申上候
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銃後の便り」-昭和17年⑧

2007年05月26日 06時12分57秒 | Weblog
「銃後の便り」の内容紹介も今日で最後になります。国民学校の便りでは、当時校庭にあった八城神社の秋祭が紹介されていて戦時中の学校のようすを知ることができます。5ページの「銃後の便り」にびっしりと書き込まれたふるさとのようすを戦地の兵隊さんはどんな気持ちでよんだのでしょう。

●国民学校便り  -十月-

一〇・七  軍人援護強化運動(慰問文ヲ送ル)
   八  八城神社(学校内)秋祭(神事奉納劇、角力、競走、映画デ賑フ)
   九  青年学校生徒学力調査
  一二  秋季大運動会(天気ヨク運動場ハ観衆デ一パイデシタ)
  一六  氏神祭 児童参拝
  二〇  青年学校生徒体力章検定
  二二  学徒修練 四粁強行軍ヲ行フ
  二九  健康運動
  三一  教育勅語下賜記念日(奉読式挙行)


●社町授産場
 軍人援護ノ一端トシテ経営シテ居ル本町授産場モ既ニ四年半ヲ経過シ今デハ一人前トナリマシタ。現在ハ受講生ハ十六人其ノ内一名ハ遺族其他ハ軍人家族デス。
 現在軍需品及民需品ノ縫製ヲ行ツテヰマス。本年カラ兵庫県授産協会ガ出来テ仕事ハ順次注文ガ入ツテヰマス。
一面□□ンダ見習□一方多□ノハ月五六円位ノ収入を得テヰマス。嘱託阿江信太郎氏指導ノ下ニ県下三十授産場ノ内有数ノ授産場ニナリマシタ。

●後記           末廣生
 御忙シキ中寄稿下サイマシタ各位ノ御厚志ヲ拝謝スルト共ニ未ダ一般ノ寄稿ナキ淋シク感ズル次第ニテ皆様方ニ対シ努力足ラザルヲ残念ト存ジテヰマス。来月ハ来月ハト順延致シ恐入リマスガ来月コソハト意気込ンデヰマス。
 絶大ナル戦果ノ陰 御奮闘ノ皆様方ノ武運長久ヲ祈リ御家庭ノ弥栄ヲ祈念シ銃後奉公ヲオ誓ヒ申上マス。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銃後の便り」-昭和17年⑦

2007年05月25日 06時30分56秒 | Weblog
「銃後の便り」の記事を連続して紹介しています。今日は「団体の動き」の続きを紹介します。

●社町壮年団
自一〇・七 至一〇・一二 分団常会六区  社区 山国区 松尾・出水・田中区
鳥居・貝原・野村区 西垂水・窪田・家原区 上中・梶原・喜田区
団ノ幹部ガ夫々出席団ノ□□ニツキ協議ス。

一〇・一四 総務会及練成委員会
 第一回幹部錬成会□□議シ計画ス
一〇・一七 第一回幹部錬成会 於社国民学校
 団長以下各総務、部長、委員、分団長、班長五十四名
県立嬉野学徒練成場長勝原梧一先生ヲ講師トシテ各自米一合ニ梅干二個ノオ粥ノ夕食ヲ終ヘ無言行、座談会其ノ他諸事ヲ終了其ノ後就寝暁□ヲツイテ神社参拝朝行事ヲ行ヒオ有意義ナ練成ガ了ス。
一〇・二一 労力調整ノ件□分団長会ヲ開ク
一〇・二三 農業部委員会
 農繁対策、米ノ供出促進、麦ノ増反運動ノ件ヲ議ス。

●社町農会  -十月-
一〇・二 淡水養魚講習会
   九 農会長、食糧増産共励員会(農村再編成問題、各種資材配分ノ件)
  一九 豊穣感謝祭及米穀増産競進会褒賞□□式
      社町ハ米ニ於テ第三位
  二〇 雀捕獲
  二一 朝鮮牛ノ配給(町希望者)
  三一 社高女生 勤労奉仕始マル
   △其ノ他麦種子冷水温湯浸□実施
   △収穫標準田坪刈
   △早生稲(中旬)刈始マル

●社町商工会
 商工業ノ企業統制ノタメ各商工業者ニ□□基本的ニ調査シ夫レニ対スル種々ノ調査ヲナシ準備ト研究トヲ進メマ□リ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銃後の便り」-昭和17年⑥

2007年05月24日 06時28分02秒 | Weblog
今日は「団体の動き」の欄を紹介します。この欄には、「在郷軍人会」「青年団」「社町壮年団」「社町商工会」の4団体の動向が投稿されています。戦地の兵隊は内地での在郷軍人会や青年団の活動を頼もしく読んだのではないでしょうか。

●在郷軍人分会 -十月-

10・5   三日間ノ兵教育実施
 在郷軍人在籍者、予備兵(兵長□□隊)及補充兵中過去三回以上教育ヲ受ケタルモノ全部ニ参集命令ヲ交付、五日及六日ハ各人昼食携行デ分会ニ於テ□分分会指導ノ下ニ嬉野ニ於テ終始緊張シ教育シ、七日ノ午前中ハ加東郡全部青野ヶ原ニ集合シ合同教育実施、午後ハ同所ニ於テ査閲ヲ行ヒ査閲前分会長ノ□□□下ニ激励ノ辞ニ良好ノ成績ヲ以テ修了シマシタ

●青年団

九・五  加東郡青年団指定、社町青年団□設経営研究会
 大日本青少年団ニ於テ教養訓練要綱制定ニ併せ加東郡青年幹部七〇名ノ参集ヲ命ジ、分団毎廓訓練課目ヲ公開後発表会、懇談会ヲ開キ、成果ヲ得マシタ。
九・一四 加東郡青少年団第二回体育訓練大会
 本町ハ総合第三位、昨年優勝ノ銃剣術ハ三-二ヲ二位トナル
一〇・七 姫路陸軍病院青野ヶ原分院慰問
 青野ヶ原分院ニ於テ神戸花隈検番ノ妓芸達ヲ中心ニ各芸術団ガ慰安会ヲ開キマシタ。本町青年団モ懇望ニヨリ演劇「喜劇今日は会社の勘定日」及び「悲劇、涙の補縄」ヲ熱演シ非常ナ好評ヲ得マシタ。
一〇・二四 入営兵壮行会
 十七年ノ現役兵ヲ本団ヨリ二十四名送ルコトニナリ団員一同学校ニ集合、茶ト菓子ノ盛大ナル壮行会ヲ催シ、行ク兵ニ尽忠報国ノ決意ヲ固メ爾余ノ者ハ□ルヘノ栄誉ヲ目差シテ心身ノ鍛錬ヲ期スルコトヲ誓ヒマシタ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銃後の便り」-昭和17年⑤

2007年05月23日 07時24分26秒 | Weblog
昨日に続いて、社町当局の記事を紹介します。金属回収や兵隊の記事などから戦争中の内地の生活のようすが伝わってきます。当時の社町は今の社小学校区を範囲とする地域です。

●金属回収
一般家庭ノ金属特別回収ハ十二月二日ー五日ノ間ニ行ハレル事ニナリ現在其ノ申込ヲ取ッテヰマスガ現用品ハ全部申込シテヲリマス。
昨年ノ回収モ本町ハ一戸平均鉄四貫八百匁、銅二百八十匁デ加東郡第一位デ県下第二位ノ好成績ヲ修メテヰマスノデ今回モ昨年以上ノ成績ヲ期待サレテヰマス。
皆様ノ使用ノ銃器弾丸ニナルトノ事デ町内力ンデヰマス。

●町内伝染病
十七年度ノ伝染病ノ発生ハ十一名(社一、山国二、野村八)デ全部腸チフス、内二名死亡、六名全治、三名現隔離病舎収容中、他ニ伝染ノ虞ハアリマセン。

●県立嬉野学校錬成場
青年学校生徒産業報国団、其ノ他各団体ノ奉仕ニヨリ九割位竣功モ間近ニナツテヰマス。外廓ガ出来青少年ノ錬成ヲ始メラルゝトノ事デス。有為ノ青年ノ錬成ニ期待シテヰマス。

●今年徴集ノ現役兵
十七年ノ現役兵ハ十月末決定サレマシタ.本籍者入寄留者ヲ通シ現在社町在住者ハ左ノ通リ(  )内ハ入営月日十一月ハ本年。
社   芹生昌治(一二・一) 中村数義(一二・二五) 藤野岩次郎(二・一)
    市枝正雄(一・二) 近藤安之助(四・一〇) 向□ □(九・一)
山国  稲岡義一(一二・二五) 宮野 □(一・一五) 井上信二(二・一)
    井上清一(四・一〇) 藤原準一(四・一)
出水  大橋岩雄(一二・二五) 大橋亀雄(一二・二五) 大橋正□(二・一)
    大橋正(二・一) 大橋甲子夫(四・二〇)
田中  堀内文雄(一二・一) 大橋保(一二・二五) 堀内澄夫(一二・二五)
    藤井輝男(九・一)
鳥居  藤本馨(一二・一) 永井□次(一二・二五)
貝原  中西勝次(一・一〇) 竹中正夫(二・一〇)
西垂水 上月正春(一・一五)
窪田  西田章(四・二〇) 大西武直(九・一) 小西勝(一一・一五)
家原  秋山昂(一二・二五) 門脇武夫(四・一〇) 山本勝(一・一〇)
    山本弘(四・一〇)
上中  亀野文男(一・一〇)
梶原  福田幸雄(九・一〇)
喜田  西井鴻太郎(一・一〇) 石井□□(一・一〇) 岸本□(九・二〇)

俳句

秋祭り 太鼓ねり込む 佐保の庭

子は□□□ みのりもうまし 晏如たれ

畦の児に 乳房ふくませ 稲田刈る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銃後の便り」-昭和17年④

2007年05月22日 06時02分44秒 | Weblog
引き続いて「銃後の便り」の記事を紹介します。今日は社町当局の投稿記事です。


町ノ近況(前半)

●役場日誌より
一〇・一 本日ヨリ十日間、社町内秋季清潔法ヲ実施ス
   三 本日ヨリ六日間、軍人援護強化運動日
   四 各戦没者霊前参拝及軍人遺族及家族慰問
   五 会長(町長)銃後奉公会表彰式参列ノタメ上京
   七 銃後奉公勤労日(家事農事援助ヲナス)
   八 大詔奉戴日祈願祭並ニ軍人援護祈誓
   〃 町常会
  一〇 青年体力検査 二〇〇人ヲ行フ
   〃 県会議員補欠選挙 小野町岸本長司氏無競争当選
  一二 所得調整委員選挙 本町岸野助十郎氏当選
  一六 佐保神社秋祭
  一九 戦没者ノ母及妻ノ会(県主催)
     傷痍軍人健康診断
  二〇 戦没者遺児健康診断

●十月ノ町常会
・金属回収(別記)
・物資調整委員会設置ノ件
・軍人家族(農家)援護ノ件
・部落常会指導ニ関スル件ガ協議セラレタ

●今秋靖国神社合祀者
 家原 故陸軍歩兵二等兵 ○○ ○君

●米ノ収穫予想
十七年作付反別 水稲五六七・五町 陸稲 〇・五町
十七年第一回予想収量水稲一四三〇一石 陸稲 六石
〃  第二回   〃  一三七六五石  〃 六石
十六年□□収量  〃  一一六九一石  〃 ー
第一回予想ヨリ第二回ノ方ガ五三六石減デアルガ町内一部ニ旱害田、水害田、胡麻
葉枯病発生ニヨルモ昨年ニ比シ二〇七四石ノ増カニシテ優ニ平年作以上デス

●国民貯蓄表彰
十一月三日明治節ノ佳日ニ本町内ニ於テ国民貯蓄ハ□二債権消化ノ優良ナルニヨリ左ノ通リ表彰ヲ発表サレマシタ
 △大蔵省債権局長表彰  梶原国民貯蓄組合(長 藤本□太郎氏)
 △兵庫県知事表彰    社国民貯蓄組合長 宮野太吉氏
△勧業銀行総裁感謝状  社町長

●社町ノ人口動態 -(十七年一月~十月迄)
出生    二〇三人
婚姻     九五件
分家     二三件
死亡     九〇人
離縁      四件
転□     一三件
養子縁組   一四件
現住戸数 一三一四戸
現人口  六二七九人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銃後の便り」--昭和17年③

2007年05月21日 06時23分21秒 | Weblog
 今日紹介するのは、「銃後の便り」に投稿されている社銃後団の活動報告です。

社区銃後団の活動

本町社区ニハ事変以来軍人援護事業ノ万全ヲ期スベク社区銃後団ヲ組織シ、区長ヲ会長(現宮野太吉氏)トシ、副区長及軍人援護委員之ヲ補佐シ、軍人遺家族ノ援護ノ完璧ヲ期シテヰル、其ノ概況ハ左ノ通リ。
・現役応召軍人ニ対シテハ餞別ヲ贈リ歓送ス
・出征ノ際ニハ餞別ヲ贈リ激励ス
・年四、五回区出身者ニ慰問袋ヲ送ル
・年四回佐保神社ニ於テ軍人家族ヲ招キ武運長久祈願祭ヲ行フ
・年二期ノ農繁期ニハ農業勤労奉仕をナシ農家ニアラザル遺家族ニ対シテハ慰問金ヲ贈ル
・生活困難ナル遺家族ニ就イテハ関係方面ト連絡シ扶助ニ万全ヲ期ス
・其ノ他臨時家庭訪問ヲナシ慰問ス
以上ノ如ク諸事業ヲ会長統率下円滑ニ遂行シ他区ノ範トシテ其ノ活動ハ一際目立ツテヰマス


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銃後の便り」-昭和17年②

2007年05月20日 06時57分46秒 | Weblog
 昨日に引き続き、社町銃後奉公会による「銃後の便り」(昭和17年)の記事を紹介します。今日は産業組合からの報告です。戦地の兵隊さんが米や麦の取れ具合いなどの報告を読みながら、内地の刈り取り風景に思いをめぐらせていたのでしょう。

産業組合の概況  社信用販売購買利用組合

 秋のよい時候になりました。それは内地の事で戦地では暑さ寒さの激変で無不順の事と御察申上げます。戦地の皆様には気候風土のお隙りもなく御勇健に日夜君國のために御奮闘下さる御苦労厚く厚く感謝して居ります。何卒御身御大切に此の上共邦家の為御尽し下さいます様御願申上げます。
 銃後も夫々職域を通じて御奉公に張り切って居ります。殊に本年の稲作も大体順調で出来栄も好く今は刈取りの最中です。今年は豊作の見込みで楽しんで居ります。何卒御安心下さい。
 我が産業組合の状況概ましをお知らせ致します。組合創立してから二十一年になります昨年新加入を募集しまして組合員は一千五十余名になりました。以前から懸案であった農業倉庫昨年春社駅前に建築竣功しましたのでその竣工式と創立二十周年記念式を昨年五月に挙行致しました。時局下此の倉庫で当町は非常に利便を享けて居ります。
 一昨年は米麦の内酒米は承認が扱ひましたが昨年から米麦は一元的に産業組合が取り扱ふ事になり、昨年は米一万五千六百余俵、麦一万三千二百俵を取り扱ふてゐます。此の内米麦各一万俵程□農業倉庫へ収容致しました。
今年は米は之れ以上の供出があると力んでゐます。
肥料の配合等に就いては以前から相当力を入れて来ましたが夫れは当町消費の約半数量でしたが昨年から総ての肥料を組合で取扱ふ事になりました。又、農機具類も経済更正委員会(県、郡、町毎に夫々に設置しあり)が割宛して現品は全部組合で配給する事になりました。本年十月一日から一元的に組合で取扱ふ事になり其の他配給物品の一部を取扱ひ追々事業は盛になりつつあります。
是れまでの様に金銭の貸借の信用部計りでなく各方面共に国家の要請に応へて御用を務め得らるゝ事は誠に結構な事と悦んでゐます。
 信用事業では貸付が漸減して貯金が微増致しました。事変前は貯金総額五十五万円でありましたが、事変後殊に茲二、三年間加速度的に激増し約三倍の百六十余万円になりました。之れは組合員各位が国策に副って貯金報国の赤誠の現れであり誠に喜ばしい事であります。
 郷土から戦地の皆様の武運長久を祈って居ります。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銃後の便り」-昭和17年① 

2007年05月19日 06時47分35秒 | Weblog


 昭和17年に発行された社町銃後奉公会の「銃後の便り 十月」について、去年の9月にこのブログで内容の一部を紹介しました。わら半紙に青インクの謄写版印刷、B4判紙の2つ折り、5ページ仕立ての印刷物です。
 内容をもう一度紹介しましょう。
 
○感激            会長
○小国民より         初等科3年男子、6年男子
○産業組合の概況       社信用販売購買利用組合
○社区銃後団の活動
○町の近況
 ・役場日誌ヨリ
 ・十月の町常会
 ・今秋靖国神社合祀者
 ・米ノ収穫予想
 ・国民貯蓄表彰
 ・社町ノ人口動態
 ・金属回収
 ・町内伝染病
 ・県立嬉野学徒錬成場
 ・今年徴集ノ現役兵
 ・
○俳句
○団体の動き
 ・在郷軍人分会
 ・青年団
 ・社町壮年団
 ・社町嚢会
 ・社町商工会
○国民学校便り
○社町授産場
○後記

 以上のうち、「小国民より」(小学生の手紙)を紹介しましたが、今日からそれ以外の内容も順番に紹介していきたいと思います。戦争時代のふるさとの人々の思いや町のようすを知ることができます。


○感激     会長

 軍人援護優良団体表彰ノ栄ヲ担ヒ本会ヲ代表シ 十月五日東京九段軍人会館ニ於テ東条首相始メ各大臣其ノ他顕官臨席ノ下ニ恩賜財団軍人援護会長奈良閣下ヨリ表彰状ヲ授与セラレ全国表彰者ヲ代表シ答辞ヲ申上ゲマシタ
其ノ感激 銃後ハコノ栄誉ヲ肝銘シ固ク守リマスト オ答ヘ申シタ其ノ誓今モ尚胸ノ中ニ躍如タル感激ト湧キ出ズル責務ノ重大ナルヲ痛感致シテヰマス
帰郷後早速コノ栄誉、コノ感激ヲ会員ニ伝ヘテ「皇室のもと一億一家、心と心、力と力を一つにして銃後守る」ベク堅キ決意ヲ佐保ノ社頭ニ オ誓ヒ申上マシタ
皆様方ノ武運長久ヲ祈リツゝ銃後ハシッカリ守リマス
コノ感激ニ応ヘル為ニ皆様方御苦労ヲ偲ビツゝ

明治天皇御製

人もわれも 道を守りて かはらずば
        この敷島の 國は動かじ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛国ヒマ献納運動-昭和18年

2007年05月17日 06時39分59秒 | Weblog
飛行機の潤滑油に

 大東亜戦争開戦から1年余り、戦争が長引くなか物資不足が深刻になっていた昭和18年(1943)4月、大政翼賛会兵庫県支部・兵庫県翼賛壮年団の名で「愛国ヒマ献納運動-蓖麻(ヒマ)の作り方-播植強調期間、四月二十日-五月十日」と題したビラが配布されています。
 「ヒマ」とは?ビラにはこう書いてあります。

 蓖麻(ヒマ)の種子からとれる「ヒマシ油」は、飛行機、戦車の発動機のサシ油として絶対不可欠のもので、今、輸入が杜絶して、供給の道が絶たれている。これを吾々の手で献納しようといふのである。一粒の蓖麻子と雖も苟も無駄にすることがあつてはならぬ。

 アフリカ原産のヒマを栽培して、その種子(蓖麻子)から油をとり、航空機等の潤滑油として使ったということでしょう。
 翌19年4月にも社町長から各区長あてにヒマの種子配布の通知が出されており、ヒマ増産が呼び掛けられています。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オオサンショウウオ

2007年05月14日 05時27分26秒 | Weblog
 多可郡多可町中区の門前から、「オオサンショウオが出てきた」という知らせが飛び込み、出かけてきました。
 西脇市を通って杉原川をさかのぼり、中区をさらに抜け、加美区との境までやってきました。家に着くと、庭に置かれたタライの中にいるではありませんか。
 まさしくオオサンショウウオです。その肌は鉄錆びのような色をしており無数の小さなイボのような突起があり、どこが目なのか判りません。時折り口から泡を吹き出し呼吸をしているようで、のそっと体位を変えます。
 触ってみると表面はぬるぬるとしていて、皮はだぶつき肉もふにゃふにゃのような感触がありました。山椒の臭いがするかと思って手を鼻にかざしてみましたが、ただ生臭いだけでした。
 体長103㎝、体重13.5キログラムだったということです。役場の人や近所の人も出てきて珍客に見入っていました。
 国の特別天然記念物なので元にもどさなければなりません。1メートルをこえるものは珍しいということでした。
 このようなオオサンショウウオがいるということは水がきれいだという証拠です。川から引かれた水路にもときどきサンショウウオが入ってくると聞きました。ホタルの群舞も見事なこのあたり。下流の加古川中流域の水質ももっとよくしたいですね。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和19年-社町幹部錬成懇談会の通知

2007年05月13日 07時49分35秒 | Weblog

 大東亜戦争が長引き、戦況もきびしくなっていた昭和19年(1944)、3月20日付で社町長から各区長に宛てて、「社町幹部錬成懇談会開催」の通知が出されています。
 主催は、兵庫県、加東郡、社町各大政翼賛会支部。錬成会参加対象者は、各世話人以上の幹部(区長、副区長、農会長)、翼壮団員、婦人会、青年団幹部。会場は社区公会堂、午前8時30分から午後4時までの一日となっています。
 服装は、男子は国民服又は神事に適する服装、女子は会員服にモンペ着用となっています。携帯品は、弁当と筆記用具。
 内容は、「国体の本義」の講義、時局談の他、神社参拝、部落常会についての懇談などとなっています。
 
 「国体の本義」は、万世一系の天皇を中心とするわが国の国体(国柄)を明らかにするために文部省が編纂したものです(写真)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和8年-陸軍演習で社町に宿営

2007年05月12日 07時31分38秒 | Weblog

 昭和8年(1933)の秋、陸軍の第四師団の演習に際して、社町(旧)内各で引き受ける宿営人員や注意事項を示した文書があります。

 第四師団(大阪)の社町宿営人員は、将校113人,下士兵1523人,計1636人、馬412頭となっています。この大所帯が社町の各に分かれて宿泊するのですから、受け入れは大変だっただろうと思われます。
 例えば、社には司令部108人、通信隊182人、患者療養班44人、病馬収容班28人、馬117頭が割り当てられています。

 演習の受け入れは宿泊だけではなかったようです。次のような注意書があります。
一 松茸山果樹園苗圃等ニシテ立入ラバ損害多大ナル場所ハ藁縄等ニテ立入禁止ノ区域タルコトヲ標示シ且ツ標札等ヲ立ツルコト
ニ、稲ハ収穫ニ妨ケナキ限リ努メテ刈取リ軍隊ノ練成ニ援助与ヘラレ度開闊ニ刈取リ集積ニ就テハ南北ニ便ナル如ク致サレ度
三、古井戸等近接スレハ危険ナル場所等ヲ明示スルコト
四、伝染病患者及同獣疫ノ現在有無及本年度ニ入リテノ有無ヲ町村ハ大字等ノ主要道路入口ニ標示スルコト

また、宿営する兵隊の食事の献立も書いてあります。

十弐日夕食  牛肉スキ焼 汁物 向付 酒壱本一合位
十三日朝食  豆腐汁 向付 干塩物
十三日昼食  スキ焼 汁物 向付 酒壱本
十三日夕食  菓子椀 向付 汁物 酒壱本
十四日朝食  豆腐汁 向付 ニモノ
十四日弁当  適宜ノモノ

となっています。昼食にも酒が一本付いていたんですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

社の消防用水

2007年05月11日 07時26分13秒 | Weblog
昭和8年-消防組からの請願

 昭和8年(1933)、社町消防組第一部の代表者三人の連名で、社区長宛に請願書が提出されています。
 請願の中身は、消防器具置場建設、警鐘台移転改築、用水池施設の3件からなっています。その一つの消防用水確保のための用水池の件を紹介しましょう。

 請願書によれば、10余年前に区の評議員会で用水池の設置を決議したが、未だに実行されないままになっており、このままでは消防の任務遂行に支障をきたすことになると再三要求してきた。
 しかし、実現せず、4年前に社の「三ツ池」(※道池のこと)の水を稲作灌漑以外の理由で絶対に水を落とさず、防火用水とすることを当局に要望し、当局も之を了解した。
 このことを社町民も喜んでいたのに、今年、「魚取り」の目的で減水した。これは消防組にとっても町民にとっても大きな不安をまねいた。
 この際、是非とも用水池の設置を願いたい。

という内容です。
「三ツ池」は社市街地、田町筋の東にあった池で「道池」のことです。この道池は昭和30年代はじめに埋め立てられ、環状線が設置されました。今では地名だけが残っています。「道池交差点」「道池町」(社三区の町内会)「道池商店街」など。
 「三ツ池」か「道池」か。以前、このブログでも取り上げましたが、お年寄りの中には「みついけ」とよぶ人もいます。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする