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ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

昭和19年-社町5月常会徹底事項

2008年03月31日 06時13分13秒 | Weblog
 昭和19年(1944)5月の社町常会徹底事項を掲載します。今月も食糧の増産、貯蓄目標達成などの呼びかけが中心になっています。「説明資料」には、前線の将兵も内地の人に心配かけないように食糧の自給を図っており、珊瑚礁の上にほうれん草を蒔いた兵士の例などが挙げられています。


五月の常会徹底事項

一、「先ず食糧増産を」
 食糧の増産は絶対の急務です。米も麦も藷るいも大増産をやり遂げ、其の他、雑穀や蔬菜などすべて食用となるものはどしどし作付けしませう。
イ、苗代では病虫害を防ぐやう努め、また麦は適期をのがさぬやう内の農家以外の人も手伝って刈取りを急ぐこと。この外甘藷の植付けも時期を失せぬ様にすること。
ロ、都会でも農村でもあらゆる空地を利用して雑穀や蔬菜などを作付けすること。

二、「すべてを貯蓄へ」
 三百六十億円は今年の貯蓄目標=戦費を生み出すにも物の値上がりを防ぐにも目標額の達成はどうしても必要です。
イ、町内会、部落会や隣組では、それぞれの割当額を充分徹底させること。
ロ、〒貯金、年金、銀行預金、保険、信託、公債買入れなどにはそれぞれ計画をたてて貯蓄すること。
 今月は簡易保険の一億新加入運動が行はれますから出来るだけ最高の二千円まで入りませう。
ハ、貯金や預金は非常の場合にも簡単に払戻すことができますから手持の現金は預入れること。

 
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昭和19年-社町4月常会徹底事項

2008年03月30日 06時27分18秒 | Weblog
 昭和19年(1944)4月の社町常会徹底事項を掲載します。内容は決戦遂行に向けて生活を切りつめ増産に励みといった呼びかけになっています。


四月常会徹底事項

戦ひぬく生活へ
 決戦非常措置が決せられました。一億国民は今こそ生活の一切を挙げて戦力増強に邁進し一丸となって仇敵米英撃滅に邁進せねばなりませぬ。私達は今までの生活に一層の反省を加へて戦ひぬく生活を力強く打建てましょう。
(イ)一人残らず増産に挺身すること
 今こそ一億のすべてが全生命を打ちこんで増産戦に戦ひぬかねばならぬ時です。一人のなまけ者があってもなりません。女子も此の際一段と奮起して、まだ挺身隊に入らぬ者は一刻も早く加入し進んで重要な軍需工場などで働きませう。
(ロ)空襲への不断の準備を整へること
 不意の空襲に対して常に万全を備へを怠ってハなりませぬ。又都市から疎開して来る人に対してハ住居や職業の斡旋など温ひ思ひやりでお世話しませう。
(ハ)私事の旅行は一切やめること
 鉄道初め輸送機関はすべて戦力の為の重要な物資や生活必需品の大増産をせねばなりません。此の為め旅客列車はぐっと減り乗車制限が行はれて応召や入営、応徴を初め通勤者、通学者など本当に已む得ない旅行以外は乗車が困難になります。遊覧や買ひ出しなどハ勿論訪問や面会などの私事旅行は此の際絶対に止めねばなりません。
(ニ)空き地は一寸も余さず増産に役立てること
 あらゆる空地を利用して余すことのなき様に致しませう。今年も航空機になくてはならん潤滑油を作るため「ヒマ」を大に栽培せねバなりません。種子ハ各家庭に配給されますから空地利用の食糧増産とにらみ合せて適当な場所を選び昨年の倍以上是非とも栽培致しませう。
(ホ)生活を徹底的に簡素にすること
 私達の日常生活を真に質実本意の簡素なものとしてこそ力強く明るい「戦ひ抜く生活」が生まれます。先ず従来の食生活の習慣にとらはれず食料を完全に活用したる工夫をしましょう。また衣類や家具などハ手持ちのものを更生し不要なものハ出来るだけお互に融通し合ひ死蔵をなくしませう。

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昭和19年-社町3月の常会徹底事項②

2008年03月29日 06時03分23秒 | Weblog
 昨日に続いて、昭和19年(1944)の旧社町3月の常会徹底事項を掲載します。貯蓄目標の達成に向けた内容が続きます。目標額を札にして横に並べたり縦にに積んだりして地球や富士山と比較するなどは当時も今も変わらないんですね。

(続)

◎弐百七拾億円を十円札にしたら
 一口に弐百七拾億円と云ふと簡単のやうですけれど若し之を拾円札にすれバ横にならべると地球を十回巻く長さになり、積み上げると富士山の五十倍、これ運ぶとすると十五トン積みの貨車が百五十輌必要です。

◎目標突破へ最後の頑張り
 弐百七拾億の貯蓄もいよいよ最後の月です。昨年の四月より拾弐月までの実績百八拾弐億円で目標の八割八分に当る好成績であり、しかも年度目標を達成したのに樺太外十四県もあることハ心強い限りです。この一月から三月までにあと五十弐億円ですから目標額は達成される見込みハ充分あるのですが、本年度ハ特に米価の引上げや企業整備などに伴ふ現金が約二十億円程出されたので目標を単に達成するばかりでなく全力を注いで目標をはるかに突破する貯蓄戦果を挙げねばなりません。

◎十日の勤伶貯蓄記念日
 三月十日ハ陸軍記念日ですが同時に勤伶貯蓄記念日であります。
明治十一年明治天皇が東海北陸の地方を巡幸遊された折りに、たまたま地方の産業が振はず庶民の生活に質実を欠くの実情に深く大御心をよせ給ひ畏くも御躬を以て勤伶の範を垂れ臣民を導き給はるとの御聖慮から翌年の三月に畏くも勤伶勧業の勅語を賜り時の太政大臣三条実美、右大臣岩倉具視等の重臣ハ聖旨を拝戴して三月十日太政官達を以て天下公布したのであります。降って昭和十一年時局の推移と世相に鑑み此の日を永く記念する為関係方面で相図り勤伶貯蓄日と定めたのであります。此の日には国民すべて明治大帝の御聖慮を奉戴して一層の勤伶に励み貯蓄増強の決意を固めねバなりませぬ。

二 防空陣をしつかり固めること(口頭説明)

三 配給所に関すること(食料)

四 社国民健康保険組合
   十八年度事業報告の件 外
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昭和19年-社町3月の常会徹底事項①

2008年03月28日 06時10分41秒 | Weblog
引き続いて昭和19年(1944)の社町常会徹底事項を見ていきます。三月常会徹底事項も戦費調達一色の内容になっています。
 

三月常会の徹底事項

一、弐百七拾億は必ず突破すること、に就て
◎戦費は一日一億円
 敵は膨大な財力と物質力をたのんで兵器の数に物を云はせ様と必死の反攻を続けて居ります。此の敵に対して我が方でも敵を圧倒するだけの兵器を第一線に送らねばなりませぬ。従って大東亜戦争は其の戦費が莫大な敵に上るのは当然です。
 一体今日の戦争では、どの位の金がかかるかと云へば今年の三月末までで純戦費(臨時軍事費)として弐百七拾億円それに準戦費とも云へる一般会計が九拾億円合わせて参百六拾億円が戦争を遂行する為めに必要な金であり、云ひ換れば戦費は一日壱億円を要することとなつて居るのであります。之を過去の戦費と較べると日清戦争が二億五千万円、日露戦争が拾五億円、満州事変が拾九億円であったのに対し今度の大東亜戦争は拾八年度だけで斯様な多額の戦費です。之れを支那事変勃発以来の純戦費だけを合わせると実に七百四拾億と云ふ莫大な額に上って居り、これは日露戦争の五十倍、日清戦争の正に三百倍の戦費となつて居ります。

◎貯蓄でふせぐ通貨膨張
 この様な莫大な戦費を殆どが大部分は公債発行で賄ふことは云ふまでもありません。此の公債の大部分は日本銀行で引受けるのですが、此の公債の額が多くなれば従って日本銀行券の発行高が多くなり国民全体となればそれだけ懐に入るお礼が多くなる勘定になります。一方生活物資の方は段々少なくなって来るのでありますから此の金で物の買漁りや買溜などそれが勢ひ不足勝ちの物を更にへらして戦力増強の妨げとなるばかりでなく、物の値段を次第に吊り上げ怖ろしい悪性インフレーションのもととなるのであります。此の悪性インフレーションを防ぐには国民全体が出来るだけ物を消耗せない様に物を買はぬ様にしてこれを貯蓄すること以外にありません。

◎この六年間の貯蓄実績
 これ程の大戦争をやつてその戦費に、い□このも不安のないのは此の国民貯蓄が立派に行はれて居るからだと云へます。
 支那事変の勃発した昭和十二年七月以来昨年度までの貯蓄実績は七百弐拾億円に上って居り此の貯蓄額は明治初年以来七拾年間(昭和十二年六月まで)の四百六十億円を遙かに飛び越す額なのです。本年度の目標の弐百七十億を達成すれば実に国民貯蓄は壱千億円を突破することになるのです。
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昭和19年-社町2月の常会徹底事項②

2008年03月27日 06時30分45秒 | Weblog
 昨日に続いて、昭和19年(1944)2月の社町2月の常会徹底事項を掲載します。昨日紹介した食糧の増産とともに貯蓄の増加で戦争遂行をと呼び掛けています。また、鶉野飛行場(加西市)の勤労奉仕に関する件も口頭説明されています。

(つづき)
三 十七億貯蓄目標攻略総突撃運動実施ニ関スル件
 実施機関 自二月八日至三月三十一日
イ、本県に於ては貯蓄目標額十七億達成するに至らざるにつき今般運動を実施し以て本年度□□の貯蓄目標攻略に大突撃を敢行し所期の目標額十七億円完全達成に一路邁進し画期的成果を収めんとす。
依って本郡に於ては何れの町村も之が運動に即座して本町の其の目標額達成に町民その全生活を貯蓄に結集し完全達成に格段の努力奮闘乞はんとす
ロ、運動実施上左の諸点に調査検討を加へ万全の措置をなさんとす。
 1、農産物其の他生産物代金の貯蓄化に関する調査検討
 2、臨時的収入の貯蓄化に関する調査検討
 3、当座預金の長期化に関する調査検討
 4、戦果貯金、記念貯金
 5、自由労務者の収入及貯蓄状況に関する調査検討
 6、国債貯金の調査検討
ハ、計画的消費節約を為さしめ戦時生活基準の実行を断行すると共に副業を励行し依って生ずる増加収入の金額貯蓄を実行すること
ニ、職域にありては時間外勤務による増加収入の金額貯蓄の断行
ホ、業域にありては経済的国難克服の志気を鼓舞昂揚し遊休資金は挙げて貯蓄化すること。

四 二月国債債権消化に関する件
 二月本町割当額 壱万五千参百円
  内訳 国債貯蓄  九千百円
     債権消化  六千二百円

五 火災の予防警戒に関する件(口頭説明)

六 鶉野人夫供出に関する件(口頭説明)
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昭和19年-社町2月の常会徹底事項①

2008年03月26日 06時33分08秒 | Weblog
 昭和19年(1944)2月の社町常会徹底事項を見てみましょう。ますますきびしさを増す戦局のもと、銃後の国民生活も食糧、軍需物資の増産に総力を挙げるよう呼び掛けが行われています。

二月の常会徹底事項

「必勝魂で一億総突進へ」
 敵の反攻は益々烈しくなり今や願敵撃摧の重大な秋増産に戦争生活は本当の力を発揮せねばならぬ。「総員戦争配置」についた一億国民はあらゆる不自由と一切の困難とを克服し「必勝魂」で突進せねばならぬ。
イ.新調や新規購入はやめて手持ちの物を生かして使ふ工夫をし最低の生活で頑張り抜くこと。物の節約を図ることはやがて戦争に最も必要な飛行機船等の生産が増すことになる。此の際不必要品や退蔵品は出来るだけ隣組で融通し合ひまた物の修理更正を工夫せねばならぬ。
ロ、麦の手入れ堆肥の持込み藁工品の生産等を励行し増産の実を挙げること。
 食糧を国内で賄へるか否かは戦ひに勝つがために極めて重大である。二月十七日の祈年祭には神前に今年の豊作を心から祈願し真心こめて食糧増産に邁進しなければならぬ。麦の手入れには勿論その他の人々もあらゆる手段を尽して協力し増産の完遂を図るべきである。またこの際手間肥の積込みに一段の努力を払ひ少ない金肥を補はねばならぬ。なほ農家では寸暇でも利用して重要物資の輸送などに最も必要なかます、むしろ縄等の増産にも努めねばならぬ。

県支部決定事項
一、「敵前の人口調査」
 二月二十二日午前零時を期して全国一斉に昭和十九年の人口調査が実施せられます。これは重要な決戦行政の資料になるのでありますからよく研究して申告書の記入は正確にして下さい。又重複も脱漏もあってはなりません。一人一票です。
二、「航空機増産工員激励のため甘藷を献納しよう」
 戦局は今こそ勝敗を決する「五分間」でありますが遺憾ながら敵の圧倒的な飛行機の量に押され気味であります。南太平洋第一線の将兵は木の根を噛み草の蔓を食ひ一個の梅干で三月の命をつなぎ敵機の盲爆にさらされ乍ら只管飛行機の増産を念じてゐる。航空機の増産こそ刻下の急務によって今回航空機増産工員激励のため農家の自家保有甘藷、馬鈴薯、里ノ芋、山ノ芋等を軍需省に献納することになりました。農家一戸献納目標は二貫です。手続きは郡農会でいたします。さあ進んで目標突破を目ざしませう。
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昭和19年-社町1月の常会徹底事項

2008年03月24日 05時45分28秒 | Weblog
 昭和18年から19年へ。大東亜戦争も3年目を迎えます。引き続き社町の常会での徹底事項を掲載していきます。「一億総出陣の覚悟」、「一人残らず戦闘配置へ」、「女子挺身隊」、「生産戦場で戦ひ抜く」などの言葉に戦局のきびしさが伝わってきます。


一月の常会徹底事項

「征戦第三年、総員戦闘配置へ」
 新たに迎へた今年こそ総反攻を企ててゐる敵米英を必ず撃破すべき年である。今こそ国家の要請に応へて一億総出陣の決意を固め一人残らず戦闘配置につき戦力増強を目ざして突進しよう。
イ 平時的な仕事にある人々はこの際飛行機、船舶その他の軍需工場などに進んで転出し女子も挺身隊となつて生産戦場で戦ひ抜くこと。
 前線の決戦は日毎に苛烈さを加へ戦局は正に緊迫してゐる何より先に敵を圧倒するだけの飛行機、軍艦、大砲などをどしどしつくらねばならぬ。工場に在る者は尽く進んで増産に邁進しよう。まだ挺身隊に入らぬ女子は進んで挺身隊に参加しよう。
ロ 米麦を増産するための土地改良をなし遂げ、また米や甘藷の供出割当量を必ず果たすこと。
 外米を運んだ船で軍需資材を運ばねばならぬ。今年の食糧事情は相当に緊迫することを覚悟しなければならない。米の不足分は麦、藷、雑穀などで補ひ今年こそ食糧は国内で絶対に賄なはう。
ハ 疎開を行ふ都市に住む必要の少ない人々はこの際地方に移ること
 敵機の空襲は必至の状態にある防空態勢を固めるため進んで都市の疎開に協力しよう。このため地方では疎開を行ふ都市(主として主要な第工業都市)に住んでゐる縁故者を引きとりまたその人々のために家屋や空間を提供するなどお世話をつくさう。

一 政府買入米供出ニ関スル件
一 配給ニ関スル件
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昭和18年-社町12月常会徹底事項

2008年03月23日 06時20分14秒 | Weblog
 昭和18年(1943)の社町常会の徹底事項も12月分の掲載になりました。きびしい戦局、長期戦への覚悟を呼びかける文章に当時の空気をうかがうことができます。


十二月ノ常会徹底事項

今月ノ八日ハ輝ク大東亜戦争満二周年記念日ニ当リマス。大東亜ノ建設ハ着々ト進展シココニ聖戦第三年ヲ迎ヘマスガ敵ノ反攻ハ愈々ハゲシク戦局ハ深刻ノ一途ヲタドツテイマス。私ドモハ一昨年十二月八日ノアノ感激ヲ三度新ニシアクマデ長期戦ヲ勝チ抜ク覚悟ヲ固メ今コソ一人残ラズ戦闘配置ニツイテ生産戦ニ国土防衛ニ総力ヲ発揮シマセウ

一 十二月ダケデ「六十億」貯蓄ヲ達成シマセウ
 一昨年ハ十二月ダケデ三十億ヲ昨年ハ四十億ヲ貯蓄シマシタ今月コソハ是ガ非デモ「六十億」ヲ目ザシテ総攻撃シマセウ。
(一)八日ニ特ニ記念貯蓄トシテ一日分以上ノ収入ヲ貯蓄スルコト
(二)応召シタ気持デ一層勤労ニ励ミ年末ノ消費ヲ切詰メナホ臨時収入モ貯蓄ヤ公債消化ニ振リ向ケルコト
(三)進ンデ貯蓄券ヲ買フコト

二 年末年始ノ輸送力ヲ強メマセウ
 不急ノ旅行ヤ荷物ノ託送ハ戦争ニナクテハナラヌ大切ナモノノ輸送ヲサマタゲマス。勝ツタメニ必要ナ輸送ニ協力シマセウ。
(一)年末年始ノ旅行ハヤメルコト
(二)贈答ヤ買出ハヤメルコト

三 神宮大麻ヲ全戸漏レナク拝戴シマセウ

四 船員ニ感謝シ慰問激励ニ努メマセウ

五 木炭ヤ薪ノ増産ニ努メマセウ

六 火ノ元ニ注意シマセウ

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昭和18年-社町11月常会徹底事項②

2008年03月22日 06時30分48秒 | Weblog
 昨日に続いて、11月常会徹底事項を掲載します。戦局がきびしくなり食糧確保のための方策が強調されています。供出米の割当が増えるなか、不満が出ていたことや、食糧の横流しも行われていたことがうかがえます。

つづき

三 昭和十八年産政府買入米供出は必ず完納致しませう
 曩に各区に対し本年度産政府買入米供出割当を行ひましたが其の割当数量たるや本町予想収穫高を遙に超過し郡よりの割当は昨年度より減じ居るも作付反別に於て大減少を来したるため実際上の割当は増加し居る現状にて此の分にては自家保有米に相等喰入り供出をせねばならぬと推測されます。尚其の後の収穫の状況よりして予想以上に不作をも窺知されますので本年度の本町割当供出完納には相当の決心と勇断を必要とするものと考へられます。就いては本町の割当は是が非でもこの戦争を勝ち抜く為には完納せねばなりません。私事を考へたの種々理由もありませうし多少の不公平もありませう。而し勝つために我々農村に与へられたる責任は戦場の勇士の労苦を偲び田園も戦場の意気で必ず完納する様努力しませう。

四 節米と混食を励行致しませう
 本年度の割当を完納するためには自家保有米を二割三割場合によつてはより以上喰入るかも知れませんから今から節米を実行しませう。
 一概に節米を実行致しますと云つても口先ばかり落ち入り易いものですから毎月節米量を定めて、毎々所要量を定めて之を励行するよう致しませう。尚節米の補ひとして混食をも行ひませう。混食を行なうと思っても麦は供出により余りたくさんある訳でありませんから甘藷、馬鈴薯、大豆、其の他の芋類蔬菜等あらゆるものを考へて混食と節米することに努めませう。

五 米麦其の他重要食糧の横流れを止めませう
 御承知の通り米麦其の他重要食糧(甘藷、馬鈴薯、大豆、小豆等)は食糧管理施行令により定められたる機関以外には売買を禁じてあります。尚本年からは重要食糧を買受たる場合は売方、買方両者共に処罰されることになりました。その他取扱のものも米麦其の他のものは申すに及ばず砕粉か工品(餅等も含む)にも適用さるることになりましたから近所隣り相戒め合つて横流をせない様努めませう。
 尚運送機関たる逓信関係、鉄道関係、乗合自動車、貨物自動車関係其の他私鉄関係の業務部長又は社長とも連携し横流防止協力願ふことになつていますから御承知下さい。



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昭和18年-社町11月常会徹底事項①

2008年03月21日 05時46分59秒 | Weblog
引き続き、昭和18年(1943)の社町常会徹底事項を掲載していきます。60数年前の戦時下の地方農村で、戦時体制がどのように実施されていたのかを知るてがかりになります。


 十一月の常会徹底事項

一 新穀感謝の念を深め来年の増産に備へよう
 二十三日には新嘗祭の祭儀が厳粛に行はれます。全国民は新穀感謝の念を捧げませう。今や食糧の国内自給をどうしてもやり遂げねばならぬ重大な時です。お互は「一粒の米」にもこもる有難い神恩皇恩に感謝を奉りいよいよ増産に邁進する決意を固めませう。
(一)神々の恵である食糧を大いに尊重し食事には常に感謝を捧げること
   新嘗祭は各神社で行はれますから当日は氏神に参拝すること
(二)増産に必要な土地の改良をなしとげること
   内心を合わせてその土地土地に応じて水はけをよくしよい土を入れまた二毛作の出来るやうにつとめその他田圃までを便利にすること

二 ニッケルや銅等の補助貨は全部引換へよう
 よい飛行機や軍艦戦車等をつくるにはニッケルや銅がどうしても必要です。アルミ貨以外の補助貨はこの際一枚残らず引換へて決戦場へ送りませう。
(一)ニッケル貨、銅貨、白銅貨、銀貨等はどんなものでもすべて引換へること。
(二)二十日から三十日までは補助貨幣の引換強調期間です。部落会や町内会、隣組で取り纏めて引換へること。
  引換へる所は全国の銀行本店支店出張所信託会社市街地信用組合無尽会社中央物資活用境界で手数料としてどんな種類のものでも五十枚毎に五銭(五十枚未満は切捨)が支払はれます。

                                 つづく



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昭和18年-社町10月常会徹底事項

2008年03月20日 06時20分47秒 | Weblog
 昭和18年(1943)の社町常会の徹底事項を連続して掲載していますが、今日は10月分を紹介します。戦争必勝態勢の強化のために輸送力の増強や食糧増産などが掲げられています。


10月の常会徹底事項

一 輸送力を強めよう
 敵の反戦はいよいよ熾烈です。戦場に武器を送る重要物資を運ぶため輸送力を強度に増大することが必勝の手段です。このため十月から全国の列車時刻が改正され旅客列車は非常にへらされます。
(一)やむを得ない場合以外の旅行は一切やめること
(二)不要不急の荷物は送らぬこと
 尚錬成などの名をかりたり買出等の旅行はこの際徹底的に取りやめることは勿論たとへものを送る場合も絶対に必要な品物に限りその荷造りも出来るだけしつかりし送る人受取人をはつきり記入すること

二 麦の増産に努めよう
 勝つためには食糧の増産は絶対の要件です。麦は最も大切な食糧です。
(一)麦作りの出来る土地は余すところなく利用してまきつけること。
(二)麦のまきつけは適期を失はぬこと
(三)麦作付運動に関する件(農会より)
 イ に割当せられたる農家にして己むを得さる事由により作付をなし得ざる場合又は耕作を継続し得ざる場合は勤労奉仕共同耕作一時間耕作譲渡等の方法を講じ割当面積を確保すること。
 ロ 播種の適期を失する虞ある時は簡易整地蒔移植栽培芽出蒔等を行はしめ又湿地に付ては排水溝の設定高畦栽培等を行はしむこと。
 ハ 麦の作付予定耕地に作付を為さざるものある場合は農会に於て注意を促し尚作付を為さざるときは社町農地委員会と連絡の上農地作付統制規則に基き之の作付をなす
 ニ 麦の播種期間中に作付を完了し得ざるが如き事態を発見したる場合は農会長は町農会に連絡し対策を講ずること。

三 食糧増産緊急対策土地改良事業実施に関する件
 今回政府に於て第二次食糧増産緊急対策として土地改良事業を広汎に亘り急速且短期間中に実施さることと相成り本町に対しては相当事業量の割当有之これが実施するに当たりては労力及資材等不足せる現状の下に之が遂行容易ならざるも決戦下に於ける食糧自給強化の極めて緊要なるに鑑みあらゆる万難を排しこれが完遂を期せられ度

四 軍人援護を徹底しよう
 戦線の士気は我が国民必勝精神と軍人援護の真心から強められます。
(一)軍人の遺族、傷痍軍人を心から慰め励ますことも出来るだけ手助けすること
(二)兵器や食糧の増産を高めて前線将兵に少しも心配をかけないようにすること

四 衡器配給に関する件(口頭説明)
五 米穀供出方協力に関する件( 〃 )
六 国民貯蓄に関する件( 〃 )
七 三草山山林売却に関する件( 〃 )
八 国民健康保険組合に関する件( 〃 )
 其の他
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昭和18年-社町9月常会徹底事項

2008年03月18日 07時13分56秒 | Weblog
 9月常会徹底事項では、配給に関する事項が詳しく出されています。酒、石鹸、そして煮干しや青果物に至るまで、日常生活の細部まで戦時生活の統制色が強まっていったことを知ることができます。新しい電球を買う場合は廃電球を持参しなければならなくなり、もし、その他の理由(盗難や事故など)で買い求める場合は警察署長や町内会長の証明書が必要だったということです。


一 古弾丸回収ニ関スル件(別紙)
一 納税施設法ニ関スル件(口頭説明)
一 耕地改良事業施行ニ関スル件
一 大日本翼賛壮年団ニ関スル件
一 鶉野勤労奉仕ニ関スル件
一 配給ニ関スル件
 イ 特別指定酒申請ノ件
  指定酒購入券交付申請者ヲ町長宛ニ出スコトニナリマシタ
  用紙ハ役場ニアリマスカラ印形ヲ御持参下サイ
   交付員ハ
 1 入学、応召二升以内
 2 婚姻、死亡、法要(満中陰ニ限ル)ヲ役場ニ持参ノコト 婚姻ノ場合ハ区長ノ証明書持参ノコト
 ロ 乳児用石鹸ノ特配
  今回ヨリ一人ニ付一ケ月浴用半個洗濯用一個ノ割ニテ大体配給レマス
 ハ 煮干配給(口頭説明)
 ニ 製綿ノ配給( 〃 )
一 青果物配給統制ノ件(口頭説明)
一 廃電球及廃真空管回収ニ関スル件
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昭和18年-社町8月常会徹底事項②

2008年03月18日 05時55分57秒 | Weblog
 昨日に続いて、昭和18年の8月常会徹底事項を掲載します。
戦時下で物資が不足し、配給制度が実施されているなかで、家族の人数をごまかしても少しでも多くの配給を受けようとする不正行為があったことがこの徹底事項で分かりました。それほど大変だったんでしょうね。

○生活必需物資不正受配の防止運動の件
 戦時生活を真実に実行することは切に望まれるところでありますが、何といつても食糧や燃料や衣料品等生活必需品で一人分の消費量が定まつてゐるのにかかわらず、その定めを破つて家族の人数を誤間かして多くを買求め多くを消費する貪欲なおこなひほど醜い、恥ずかしい、そして排斥すべきことがらはありません。これこそは戦時生活の敵であります。
 一人分や二人分を誤間かしたところで、大したことはないだろう、と考へるならそれはおそろしい大間違ひです。その考へは国全体の配給計画を打ち壊すことになり、国家の大事になつて来るのでありますから、戦時生活のやかましく叫ばれるのもこのためです。国や県や市町村当局で定められた一人分といふもの、又家族人員に割当てられた分量を堅く守ることは、大東亜戦争を勝ち抜く為に絶対に必要なことです。それで今月の常会取定め徹底事項として左の事項を厳守することを申し合わせることに致しませう。
             記
一 家族の人員は正確に部落会長に届けませう。
二 男女別、年令、妊産婦、職業も正直に届けませう。
三 家族の異動(出生、死亡、転出、転入)は速く正直に届け出て、配給の通帳や切符の人員数を訂正しませう。
四 若し何かの都合で現在の家族数、年齢、職業等通帳や切符に記載したものと違ってゐるなら直ちに訂正致しませう。
            注意事項
 近日警察署、市町村役場等から家族調査に廻りますが、其の際に違ってゐると、処分を受ける様なことになります。特に注意して置きます。
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昭和18年-社町8月常会徹底事項①

2008年03月17日 06時17分58秒 | Weblog
 昭和18年(1943)の社町常会徹底事項の掲載を続けていますが、8月の徹底事項には、きびしくなる一方の戦局下、食糧増産とともに混食や郷土食で食糧を節約することを奨励したり、すべての国民を翼賛体制に組織化動員体制をつくることなどが挙げられ、当時の緊迫したようすが伝わってきます。この8月の書類は漢字ひらがな文で書かれています。


○食糧を国内で賄わねばならなぬ-決戦食生活を実践しよう。
一 混食の実行
 イ これからは混食用として甘藷、馬鈴薯、大豆が米の通帳で配給され今月は馬鈴薯と大豆です。混食で節米に努めること。
 ロ 混炊は米一升に馬鈴薯五〇〇匁、水二升の割で多少塩味を加へるがよい。
二 郷土食の励行
 地方地方でかつて食べてゐた郷土の食物や野生のもので食用となるものを活用するやう工夫すること。
三 玄米食の実行
 玄米食をまだ実行してゐない家庭では炊き方、食べ方を工夫して実行に努めること。

○夏季鍛錬の励行
 決戦の夏-暑熱を道場として健全な心身をつくろう。
 イ この夏は壮丁の皆泳訓練が行はれるから国民皆泳を目ざして附近の川や池などで水練を行ふこと。またラジオ体操やその他土地の実情に応じた鍛錬を行ふこと。
 ロ 工場や農村等の勤労奉仕や空地開墾蔬菜栽培などで増産勤労によつて心身を鍛へること。

○蓖麻の手入れ実行
 航空決戦で勝たねばならぬ 蓖麻を一粒でも多く収穫しよう
 イ 草取りを手まめに行ひ時々まはりを耕して土を軟らかくし乾きすぎぬやう時々水をやること。下肥かドブ水其の他の肥料を根元から離して施すこと。
 ロ 風に倒されぬやう茎ののび工合に応じて支柱を樹て若し風に倒されたらすぐ起して支柱で支えること。

○県支部提出事項
一 戦局は今日この一刻が決戦であります。戦力に於て此の一日一刻を支へ且つプラスしてして行くことが勝利への道であります。今度翼賛会が中心となつて普く一億国民の勤労力を結集して勤労報国隊を組織し戦力増強に邁進することになりました。進んで参加して下さい。
二 入隊の資格は男子は十四才から五十才迄女子は十四才から二十五才迄の未婚者とし尚これに該当しない者でも志願すれば入隊出来ます。
三 隊の組織編成は翼賛壮年団、産業報国会、商業報告会、農業報国聯盟、海運報国青少年団、婦人会、労務報告会、会社、昇天、工場、同業組合、其の他の団体で組織し、右の中いずれにも所属しないものは町内会、部落会単位で組織します。又数種の団籍あるものは最も適した一つを選ぶこと。
四 隊員には隊員証を交付し隊員たるの証明をします。 
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神戸石-加東市穂積

2008年03月16日 07時09分07秒 | Weblog
神戸石(かんべいし)

 加東市穂積地区に神戸石(かんべいし)とよばれる伝説の石があると聞いていました。用事で穂積地区を通る度に気を付けていたのですが、なかなか見つかりません。それもそのはず、神戸石は私が想像していたよりも小さな石で、集落の道路の電柱の脇にそっと置いてあるような感じの石だったのです。

 神戸石にまつわる話とは次のようなものです。(『語りつぎたいふるさと滝野』より要約)

 昔、穂積村におそろしく力の強い男がいて、力くらべをしては挑戦者を負かしていました。姫路や加古川まで出かけていってこの男に勝つ者はいませんでした。力が余ってどうしようもないこの男はとうとう大川(加古川)と力くらべをすることにし、流れの激しいところに入り、戸板を流れに立てて押し返しました。すると、流れが逆流し、とうとう大川との力くらべにも勝ってしまいました。そこで、川原にあった重さおよそ300キロの大きな石をかついで村に持ち帰ってきました。
 この男の名字が神戸(かんべ)といったので、この石が「かんべ石」とよばれたのでした。

 という話で、各地にある力石の一つでは、といわれています。こんな話ですからさぞかし神戸石は大きいものという先入観ができあがってしまい、見過ごしてしまっていたわけです。
 ある日、その神戸石の近くの方からお話を聞くことができました。神戸石は半分が地下に埋まっており、したがって地上に出ているのは半分だったのです。小さいと感じたはずです。本来は高さが約1メートルぐらいあるそうです。
 

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