シーブレ日記

愛艇と綴る釣り日記
最近は登山や自転車へと 遊びの範囲が拡大中

スピニングマーリン【1.基本編】

2015年04月25日 18時11分40秒 | カジキ
僕は従来のタックルでカジキ釣りをはじめ、その後スピニングタックルによるカジキ釣りに挑戦しました。
その間、カジキとのファイトはなんやかんやで30発ぐらいは経験できました。
キャッチ出来たのは1/3ぐらいですが・・・(笑)

当時のスピニングマーリンの記事が、依然として当ブログの人気上位で読まれており、参考にされている方も多いみたいです。
スピニングマーリンに挑戦しようという人が多くなっているのでしょうね。

アメリカで生まれたトローリングタックル&チェアーファイトは、スタンダードテクニックとして洗練され確立されてます。
一方スピニングマーリンをやっているのはごく一部のマニアで、その方法もまちまちでした。
僕もそれまでに経験してきた多くの釣りやボートの経験を元に試行錯誤を繰り返し、僕なりの解を模索しました。

これからスピニングマーリンに挑戦しようという人たちの参考になればと思い、僕なりのノウハウを、なるべく理由も付して書いてみようかなぁと思った次第です。

【基本編】【タックル編】【実釣編】の三部作の予定。
さて、これから一気に書いてみるけど、どういう展開になるかはよく分かりません。。。

スピニングマーリンを目指す同志達が、この釣りをさらに進化させてゆく上で少しでも参考になればいいなぁと思ってます。



【ファイトスタイルについて】
まずこれを決めましょう。スタンディングファイトかチェアーファイトか。
で、結論は、軽くて取り回しの良いスピニングなら断然スタンディングファイトをお勧めします!

カジキって確かにデカイし、派手なファイトを演じますが、結局はドラグ値をいくつに設定するかでアングラーに掛かる負荷強度は決まっちゃいます。
普通の体力の人であれば、ドラグ値7~8kgならスタンディングで充分戦えます。
実釣編で記しますが、事前に擬似ファイトの練習をして、ギンバル、ハーネスなどの位置関係をきちんと調整すれば不安は払拭されるはずです。


【キャプテンとアングラーの関係】
キャプテンとアングラーの考え方を合わせておく事はとても重要。
チェアーファイトとスタンディングファイトでは、操船の仕方を変えないとうまくいきません。

ちょっと理論的っぽくなりますが、”てこの原理”を思い浮かべてください。
支点(ハーネス取り付け箇所)、力点(ロッド先端)、作用点(バットエンド)の3点ですね。

チェアーファイトの場合、力学的な接点は支点(ハーネス)のみです。カジキの力の大半は力点(バット)からチェアーに直接流れます。
アングラーはハーネスに引かれる力だけを負担すればよいわけで、これは椅子に座って寄り掛かっていれば自分の体重だけで足りちゃいます。
あとはラインを巻き取る作業のみ。
ちょっと極端な言い方すれば、キャプテンはアングラーの巻き取りスピードに合わせ船を後進させる(大概の場合キャプテンの後進スピードに合わせてアングラーが必死に巻き取る)ような操船になります。

スタンディングファイトの場合、魚との接点は支点(ハーネスまたは手)と力点(バットエンド)の2点になるため、カジキから入力される力は全てアングラーが負担します。
カジキの力を余すところ無く全身で体感できるので、スタンディングファイトが面白い理由の一つだと思います。

魚の力は常に変化しますから、アングラーは魚の動き全身で感知しつつ、有利な状況の時は素早くラインを巻き取り、カジキが走るときは耐えるのみです。
キャプテンの操船としては、アングラーと魚の位置関係を見極め、アングラーに有利になるようなポジションに船を進めるという操船になります。

自分達のチームがどういう釣りを目指したいのか、とても重要なポイントでしょう。


【ボート形状について】
スタンディングの場合、魚に対してのロッドの向きはかなり自由が利きますよね。
チェアーの場合は、ほぼ後ろ向きのみです。

小型ボートの場合チェアーを付けるスペースが無い、あるいは船尾に船外機があったりして、後ろ向きにファイトする事が事実上困難な場合が多いです。
僕の船は当時UF33でウォークアラウンドタイプでした。
アングラーが船首に行き、バウファーストでファイトすれば全て解決ですが、結果的にこの方法はとりませんでした。
その理由は、まずキャプテンとアングラーの距離が離れるので、細かな意志の疎通がしにくいこと、リーダーワークや何がしかのトラブルの時、キャビンを回り込まないと直ぐに対応できないなど、主に安全面や作業性の理由からです。

また、カジキとの間合いを詰める最終段階では、激しく泳ぎ回るカジキに対して僕は積極的に船を前後左右に振る操船を行います。その場合、船首を振るより船尾の方がクイックに振れます。その際スクリューの向きが変えられるスタンドライブ船や船外機船はこの釣りには相当有利だと思いました。
船の挙動の軽さは大きな武器になるので、小型艇ならではの動きをアドバンテージとしてみてください。

ただね、小型艇は波に弱いという絶対的な弱点がありますよね。
この点については、出航地やポイント海域の特性、キャプテンの経験や判断力など、充分検討して安全を確保して頂きたいと思います。

潮をよく読んでカジキの居所を研究すれば、意外と近場にもカジキは居ると思いますよ。


【チームの人数について】
これも様々でしょうが、必要にして充分な人数は3人かな。
アングラーとキャプテンとリーダーマンです。
プラスαで撮影担当がいれば、最初から最後までカッコ良い写真や動画が残せるでしょう。

これ以上人数が多いと、むしろ邪魔な場合の方が多いかと・・・
各員の役目はゲーム開始前にしっかりと決めておく事が重要です。
ストライクと同時に船上は騒然となるので、人の動きや作業は予めシュミレートしておかないと思わぬ怪我や失敗に繋がります。

以前石垣島でカジキチャーター船に乗ったときのこと、船長以外の三名も普段は自船のキャプテンだったので、いざカジキがヒットしたら、さて誰がチェアーに座るんだ、、 どうぞどうぞ、、、 ってな状態に。
一番若い僕がチェアーに座る事になったんですが、ハーネスは合わせてないし、フットレストは届かないし・・・
もうグタグタの状態で、あっけなくカジキはフックオフしました。(笑)

まあ、そんな事態にならないよう、事前の打合せやシュミレーション、そして練習はとても大事です。
この段階から、カジキ釣りの楽しみが始まるといっても過言ではないと思いますよ。

三人必要なところを二人でやれば、作業は複雑になり難易度が増します。
カジキ釣りは完全にチームの釣りなので、人数毎に違う釣りの世界が生まれます。

ちなみに僕の場合、カジキという最高のターゲットに対してとことん挑んでみたかったので、この全てを一人でやってみました。
通常タックル複数名でのファイトを何度も経験し、それを元に安全なシングルハンドの手法を考えました。
自分の全ての知恵や能力を総動員して「困難なことをやってみたかった」のです。釣りというよりも冒険的な興味が勝っていました。
自分でやっておいて何ですが、シングルハンドはチト特殊すぎるので、あまりお勧めはしません・・・


タックル編に続く・・・



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