【ファイティングフラッグ掲揚! でも、回りには船影無し 】
9月13日(土)
関東のカジキシーズンもいよいよラスト。
前回のブログで書いた通り、カジキをリリースする事を目標に、ラストを飾るもう一本を狙って出船。
布良瀬~野島周辺は混むだろう。
僕は混んでるポイントが嫌いなので、裏ポイントを探した。それも、なるべく伊東から近い場所で。結論は大島の東縁。
朝下架して9時出船。
ベタ凪ぎの海を大島の北端を目指す。今回はシングルハンド。
乳ヶ崎を交し大島の東側の出っ張りまで一気に走る。そこらへんから目指す潮を探しながら注意して南下する。水温は25度台で、水色はお世辞にも良いとはいえない。
大島の東縁でカジキを探す酔狂な人は、滅多に居ないでしょうね。
島の1/3ぐらい南下した辺りで大規模な鳥山&カツオがガンガン跳ねている。ボートのまわりはボイルだらけ。やれば入れ食い確実だけど、今日はカジキ狙い。浮ついた気持ちをグッとこらえてナブラを離脱。
やがて立派な潮目発見。その向こう側は水色が濃紺に変わり水温26度台。
探していた潮メーッケ! 勿論、こんな場所に他のボートは一艘も居ない。
3本流しでスタート。
潮色が暗いし水温も低下傾向なので、リアクションバイトで食わそうと、動きが派手で、明るい目立つ色をチョイス。
ショート トップガン NY12
ミドル BC イエローヘッド
ロング チェーンバード+ウォーターストリーム(カスタムルアー)
潮はゆっくりと南下している。島に近付いたり離れたりしながら調査曳きを続けると、南北方向に3本の潮目が平行に走っているのが分かった。その中で一番魚っ気のある潮目に狙いを付けてトレース。鳥がチラホラ居て良い感じだ。
暫らくしてルアーの位置を調整しようとデッキに出たとき、ロングのリールが控えめに鳴り出した。
ウン!? ゴミか?? ルアーを探すとチェーンバードごと水中に入って見えない。 魚だ!
シイラかもしれないし、サメかもしれないし、カジキかもしれない!!!
GOを掛けるが跳ねない。 デッドスローに戻してもラインは出続ける。
やがて真っ黒い背中が水面を割る。サイズはそこそこ大きい。 カジキか? サメか??
他のタックルを回収し、ギンバルとハーネスを体に巻き付ける。船の方向や魚の位置を調整し、レーダーで周辺に本船などが居ない事を確認。一応、ファイティングフラッグも揚げる。この辺の作業であわてる事は無くなった。
よっしゃ! 気合入れてロッドポストからロッドを引き抜き、ギンバル&ハーネスに連結。これでお互いに逃げられないぞ!!
今日はリリースするため、早めに寄せて元気なうちに勝負を付けるんだ。
ウォータープレッシャーをラインに掛けられる位置にボートをポジショニングさせながら斜め後進や前進を掛ける。僕の考えた操船技。こうすると、ラインテンションを保ちながらも楽に距離を詰めれる。
【ファイト中に余裕かましてパチリ。 スタンディングファイトは全身でカジキの躍動を感じる事ができる。】
スタンディングファイト&操船の複合競技も、2度目となるとチョット余裕がある。
ギンバルとハーネスを通して魚の反応がダイレクトに全身に伝わってくる。スタンディングファイトの醍醐味はここに尽きるね!
ファイトしながらもマオさんやマリーナのコバルトさんに電話する。これは、万が一転落とかした時の手掛かりを残すため。
30分ぐらいでダブルラインが見えてきた。結構トルクフルで力強い相手だ。この間、一回もジャンプしない。もしかしてサメ???
リーダーを取る前にロッドポストに入れるとファールになるそうで、僕はどっちでもいいんだけど、一応試してみた。ロッドをギンバルから外し、足に挟んでロッドを強引に引き起こしリーダーを取る。変なカッコだけど出来るね。
リーダー取ったままロッドをロッドポストにねじ込む。
これでファールにはならないのかな・・・よく分かんないけど。
黒い魚体が見え隠れしている。
【カジキだ! ここまで一回もジャンプしなかった。】
BOBOSSさん直伝のショートルアーリーダーにしておいたんだけど、長ーいティーザー入れちゃったんで、結局いつもと同じで、船止めてリーダー手繰り寄せる。
ビルがある! カジキだ! 結構デカイんじゃない!?
船に寄せてくると、全然超元気で、奴はここから本領発揮。
船底に突っ込むは、沖に走るは、だけどジャンプはしない。
リーダーが手に食い込んで痛い。手袋が切れた。
ドライブに行かれそうになるのを必至にコントロールするが、だんだん暴れ方が激しくなる。
危険と判断して、ゆっくりリーダーを離して再びロッドを持ってやり取りする。
100mぐらい持ってったかな。
僕はどうやってこいつのビルを掴んでリリース出来るか考えたが、今のパワーを思うとリリースのイメージが出来なかった。
まあ、もう一回寄せればだいぶ弱るだろうと思い、再び船をゆっくり走らせながら巻取りと、プレッシャーの波状攻撃を仕掛ける。
リーダーが入り、再び引っ張りっこするが、全然弱っていない。
ジャンプしないと体力が落ちないみたいです。
ティーザーまでは掴めるんだけど、その先に進めない。
ビル掴む事は諦め、ラインカットに方針転換。でも、ルアーリーダーまでは届かないとルアーも回収できないしカットも出来ない。
もう少し弱らせるしかない。
【クランキング巻き込んでフルドラグで曳き回し。 ファウルだね・・・】
最終手段で、クランキング巻き込んでフルドラグにして、10分ぐらい引き回した。
もう、ロッドポストに入れたまんまなので、こりゃファールだね。
頃合を見て停船しリーダー寄せるが、エー、弱ってない。てか、船で曳いている間向こうも休んで体力回復してんじゃないの・・・・!?
もう、リリース諦めてギャフ打っちゃおうかっていう弱い気持ちが芽生えた。その方が全然楽だもん。
しかし、今日の目標はリリース。 誘惑をグッと断ち切り、最後まで頑張ってみようと決心。 こうなったら、デットしてもリリースだ!(意味不明)
しかし、カジキってこんなにタフなの?
見た感じ150kgぐらいの感じだけど、或いはもっと大きいのかな。ひとノシの力がいままで経験したカジキのどれよりも強い。
もう一遍引き回し、最後の戦いと思ってリーダーを引き寄せる。船底に潜られリーダーが擦れるが、何とか引っ張り出す。結構体高がある。フックは口の脇にガッチリ掛かっている。
【ラインカット直前。 撮影も必死です。殆どフレームから外れてた。】
ティザーを回収。ここからは一気にスピード勝負だ。ルアーが口元まで移動している。(悲)
ルアーリーダーは約2m。ハンドギャフでルアーを引っ掛けて手元に寄せ、リーダーを巻き付けた左手でルアーも掴む。
今だ! 足元に用意しておいたナイフでリーダーカット!!
すべてのテンションが一瞬にして開放された。 カジキは身を翻し、スーッと潜っていった。
1時間50分経過。どうにかこうにかリリース成功。
嬉しいけど、もうヘトヘトです。
シングルの時は、最初っからリーダーカット目指した方が安全かもですね。
【本日活躍の道具。 チェーンバードは2週連続ヒット。オススメです】
それにしても始めてリリースしましたが、シングルハンドだと証拠は写真しかないんですよね。 そう思って途中で何とか撮りましたけど・・・
マリーナに帰ってスタッフにカジキリリースしたよって言ったら、写真撮りました?って聞かれちゃいました。(笑)
大会出る訳じゃないけど、”シキタリ”としてタギングはした方が良いのかな?
目標に掲げたリリースは、こうして成功しました。
メモリアルフィッシュ以外は、やっぱりリリースが正解だな。
後味が良いね。