5月4日(日) みどりの日
4、5日の2日間で北アルプス五竜岳を考えてたが、5日は天候が崩れるので中止にした。
替わりに、日帰りで富士山をやることにした。
3月に下見して以来、積雪期の富士山にトライして見たいと思ってたし、道路の冬季閉鎖が解除されたのでタイミング的にもGoodです。
富士山スカイラインで、富士宮登山口へ。
駐車場の脇でも3mぐらい雪が残ってる。今年は雪が多いですね。
6:20登山開始。
天気は快晴。気温は1℃。風も気になるほどではない。今日いっぱいは充分もつはずだ。
登山者も結構居ますね。何時に出発したのか、かなり上の方を歩いている先行者も見えます。
当然、積雪期の富士山には登山道はありません。広大な雪の急斜面を、ひたすら直登です。
スタート地点からアイゼン装着が必要な状態でした。
表面がクラスト気味だが、アイゼンはよく効きます。
登山者が結構居ますね。みんな思い思いのコースを直登しています。
7合目の小屋が見えて来ました。今日の僕はスローペースで登ることにしています。
7合目でストックからピッケルに持ち替える。この先は斜度も増し気が抜けません。
これは、たぶん8合目の小屋(3220m)。
小屋や標識の類はすべて雪に埋まっているし、地形に特徴の無い山だから、一瞬ここは何合目だ?ってなります。
ここでオーバー手袋やバラクラバを装着。冬山完全装備となりました。今回はヘルメットもかぶってます。
下界を見下ろすと愛鷹山や箱根の山々が見えます。少し霞んでますね。
3000mを越えた辺りから少々頭痛が。高山病の兆候かな。そういえば3000m越えは何年振りだろう。
9合目と思しき鳥居が見えて来ました。
気温がグッと下がり、風も10mぐらいは吹いてます。
所々氷結した部分も出てきた。
上からストックが滑り落ちてきた。誰かが誤って落としてしまったのだろう。
富士山は平らな場所がまったく無いので、不用意に物を置いて滑り出したら延々と落ちてゆきます。
勿論、転倒厳禁の山です。
山頂の鳥居が見えてきました。
雪の硬度はさらに高まり、アイゼンの歯も半分ぐらいしか刺さらない。
とはいえ、前歯を蹴り込んだりダガポジ取る程の斜度でもない。結局、転倒厳禁で歩くしかないという中途半端な斜度だ。
山頂直下。この辺が一番斜度がきつくガチガチにクラストしてました。このコースの核心部ですね。
トレース上を慎重に歩けば問題は無いです。
氷の芸術が施された岩。
山頂に到着!
頂上入り口の鳥居は、盛大なエビの尻尾に覆われてた。
浅間神社奥宮。
真っ白で神々しいです。
山頂小屋もまだまだ雪に埋もれてる。
あのピークが富士山頂3776mの剣ヶ峰です。
ここまで来たら、やはり行っときたいですね。
山頂ピークに到達。
富士山頂測候所の形跡。象徴的なドームは外されてます。
その後、付近に居た登山者から、スノーボーダーが火口に滑落したと聞いた。(現在進行形)
すでに救助要請の連絡は付いているようだ。
状況はよく分からないが、ロープも何も無い状況で火口に降りることは無理だろう。場所が悪すぎる。
ここで僕に出来ることは何も無いので、気を付けて下山することにした。
西側から雲が湧き立って来た。救助ヘリが上手く飛べれば良いのだが。
下山の方が危険度は高い。
上部の最も危険なエリアを慎重に下り、一息付く。
さらに一歩一歩確実に下り続ける。
午後は全体的に雪は緩んでいた。特に7合目辺りから下はグズグズで歩きにくい。
午前中には無かったような雲が、断続的に現れて来た。
県警と報道のヘリが何機も飛来している。今日中に無事救助されれば良いのだが。
17:00 駐車場に到着。
かなりゆっくりと歩いたとはいえ、11時間の長丁場となった。
車で少し下って、水ヶ塚公園の駐車場で一服。
今日始めて富士山の全貌を見ました。
富士山って、見るのと登るのとで、はえらく印象の違う山ですよね。
夕方のTVニュースで、今日の滑落事故は無事救出されたようなことを伝えていた。
だが、翌日(5日)のニュースでは、滑落者は心肺停止、救助に入った登山者も滑落して行方不明と最悪の状況になっている。
せめて二重遭難は避けたいものだ。
行方不明者の無事を祈りたい。