午前中、喉鳴りの手術 Tieback & Ventriculocordectomy をして、午後は競走馬の腕節の剥離骨折の関節鏡手術をして、そのあと喉鳴りの馬の内視鏡検査をして、その後、難産の牛が来たけど私はタッチせず・・・・・・準備して、港へ走って、フェリーに乗った(左)。
ほとんど10年ぶりの船旅だ。
飛行機も使ったことがあるし、JR特急で移動したこともあるが、どちらも結局移動に1日かかってしまう。フェリーで移動すれば、寝ている間に移動できる。
ホテル代わりだからと、特等に泊まったのだが、風呂付のツインベッドの部屋でビジネスホテルのようだった。船独特の響きと揺れが伝わってくるけど。
夜明けに八戸港へ着いた(左)。
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講義のようすは・・・・・。
戦うのは、学生のあくびと睡魔なのだが・・・・・出だしはまあまあ、しかし、1時間あたりで形勢不利になってきたので休憩を入れて・・・・・
あとはトーンを少し変えて、残りを片付けた。
ノートを取っている熱心な学生から、寝ている学生まで、差が大きいのが特徴だったかな(笑)。
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ウマ科学会のシンポジウムから考えていて言いたかったこと。
獣医学という学問を背骨として持っていることが獣医師と過去の伯楽の違いであるとしたら、
獣医学という科学で動物に、動物を飼っている人に、そして社会に貢献することが獣医師の理想、理念、哲学だろう。
馬をよく知る者。という伯楽は、馬を金儲けの手段にする「馬喰」へ退化した。(家畜商の方を悪く言うつもりではない。念のため。)
動物に、人に、社会に、貢献するという教育を受けているから、
獣医師は自分が診療で生計を立てていても、それを減らすための予防まで考えて仕事をするのだ。
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本館ロビーにある建学者の胸像に恥じない学生生活を送ってくれ(右)、学生諸君!
細菌学により人類の幸福に貢献した素晴らしい方が創られた大学なのだから。
はからずも、その朝、マクドナルドで朝食を買いながら、私を講義に呼んでくれた教授と話していた。
「日本マクドナルドの初代社長は高校の先輩にあたります。昔、時の人となり、「頭の悪い奴は損をする」という本を書いてベストセラーになりました。高校で文化祭の講演に呼ぼうという話が盛り上がった時に、「君達は金をかせぐためだけに勉強しているわけではない。頭の悪い奴は損をするなどと題する本を書く者は本校で講演するにふさわしくない」と言って、呼ぶのをやめさせた骨のある先生がいました。」
サラブレッドの医者が言うのはおかしいと思われるかもしれないが、どうか世を覆う拝金主義に毒されず、動物と人と社会に貢献できる獣医学を学んでくれ。
命を扱う学問なのだから。