朝5時前、まだまだ夜は明けない。
寝過ごしてはいけないと思うと熟睡できなかった。千歳空港へ向かう。
この季節だ。道がツルツルに凍結したり、大雪で飛行機が飛ばなかったらどうしようと思い、数日前から週間天気予報が気になったが、今年も大丈夫だった。
モノレール、JR、新幹線を乗り継いで研修場所へ。
実はこの乗り継ぎも数分しか余裕はない。
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今年は開腹手術をテーマにしたせいか、たくさんの人に集まっていただいた。
実習、実技練習こそがこの研修会の価値だと思っているので、手短に開腹手術について話した後、実習に入る。
直腸検査、腹腔穿刺を実馬でやってもらった後は、死体の腸管で腸管吻合の練習をしていただく。
腸管手術は把針器とピンセットと腸鉗子があればできる手術だから、外傷縫合ができる人ならできる・・・・・練習さえしておけば・・・・・・・
それが難しいのはわかっている。
しかし、腸捻転を起こした馬は、手術しなければ激痛でのた打ち回ったあげく、悲惨な死に方をする。
条件が整わなくてもやるしかない。
「条件」をできるだけ整えることはしておいた方がいい。
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腸の縫合は、周囲を汚さないように、内容が漏れないように、しかし狭窄させないように、しかも吻合部位の血行が保たれるようにしなければならない。
そして、腸管は愛護的に扱う必要がある。
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次の日は、実習馬で小腸を2箇所吻合し、結腸切開もやってもらった。
実習馬は経過は実に順調だった。
手術翌日から食欲もあり、熱もあがらなかった。
「馬では開腹手術は現実的ではない」というようなことが昔の教科書には書かれていたが、もはやそんなことはないと感じていただけたのではないだろうか。
(研修後半へつづく)
this photo by Dr.Asami
充実した研修ですね。何人くらい集まったのでしょう。
参加者は30名近くでした。
開腹手術には皆さん興味があったようです。
徹底して実習していただくには多すぎたかもしれません。
まあ、見てみたいだけの方もいたかと思います。
これから卒後教育はますます重要になると思っています。