今日は某大学で1年生相手に「臨床獣医学概論」の馬の部分を講義。
まだ、解剖学の授業が始まったばかりの学生さんたちが対象ということで、サラブレッド生産地の診療の紹介をした。つもりだ。
馬の臨床についての断片的な知識を与えてもしょうがないので、これから大学で習うことが馬の診療にどのように必要になってくるのかを言いたかったのだが・・・・・・・・・うまく伝わっただろうか?
今は、ほとんどの学生が小動物の臨床を目指して入学して来ているそうだ。
大きな講義棟、車の数、自転車の数、そして若い人人人。
学会会場になっているときなどとは雰囲気が違うかもしれない。
キャンパスにあふれるエネルギーを感じた。
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私もかつて獣医科学生だったのだけど、もう昔の話になってしまったようだ。
♪あのころのの未来に ぼくらは立っているのかなぁ・・・・・
すべてが思うほど うまくはいかないみたいだ
あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ・・・・・
夜空のむこうには もう明日が待っている ♪
「夜空ノムコウ」 スガシカオ
獣医学情報を整理して交換するためのHP。ということで良いのかな?
酪農学園大の学生さんが運営している。
http://www.veterinaru.com/pukiwiki-1.4.6/
まだ、内容が充分ではないようだが、これから充実させたい。というところなのだろう。
面白い試みだと思う。
コンピューターは検索が得意技の一つだし、ネットを利用することで多くの人から情報を集められる。
例えば・・・・・
radius 橈骨の「橈」の字は変換しにくい。「ドウ」で表示される。と「獣医志Wiki」に書いてあった。
これは役に立つかも!と思ってやってみたが・・・・・・駄目だった(笑)。
「橈」は辞書ツールで「橈骨」を登録してしまうしかないようだ。
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今日2頭退院して久しぶりに入院厩舎は空になった。
瞬膜、第三眼瞼とも呼ぶが、そこにモコモコしたできものができている。
扁平上皮癌。
もっと白くて、カリフラワーというかブロッコリーのようにガサガサしていることも多い。
恐ろしい名前のごとく、悪性腫瘍で、ほうっておくとたいへんなことになる。
左の馬も右眼の扁平上皮癌だ。
瞬膜と、目尻側の眼球結膜から大きくなって、目尻側の角膜に乗っかり始めている。
大きくなればなるほど、広がれば広がるほど、完全な摘出がたいへんになる。
左の写真の馬も扁平上皮癌。
そう、馬の瞬膜に「できもの」ができたらかなりの確率で扁平上皮癌だと思っていた方が良い。
幸いなことに瞬膜だけなら完全な摘出ができることが多い。
左;摘出前の瞬膜。鉗子で鋏んで止血しておく。
右;切除する。
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この冬、眼の扁平上皮癌が数頭来た。偶然かもしれないが、これは明らかに多い。
カリフォルニアなどでは、眼の扁平上皮癌の症例が多いとされている。
それには、アパルーサなどの眼の周りに色素が薄い種類の馬が多いこと(白人に皮膚ガンが多いのと同じらしい)、日照量・紫外線が多いことが要因として考えられている。
眼の中で、扁平上皮癌ができるのが瞬膜がほとんどなのも、太陽光を浴びるのが角膜以外には瞬膜くらいだからだろう。そして次いで目尻の眼球結膜ということになるらしい。
この冬は雪も積もらず、紫外線が強かったとは思えないのだが・・・・・・
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雪の結晶もこれで見納め。かな?