真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
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2007年九月で消滅した旧本館より継続して使用中の掲示板です
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駄楽ひまなときブログ
行きつけのお店のブログ、下戸なのに。しかも閉めたんだけどね
ツイッタ
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友松直之のブログ
友松直之監督のブログ、激しくエモーショナル
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福岡市在住のピンクス。ピンクスとは、ピンク映画愛好の士、を意味する造語である。
仮名遣ひは正仮名を使用。
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本番バイブ 折檻/エク動戦
さ行
/
2021年10月09日
「
変態折檻 ねぢり込め!
」(1992『本番バイブ 折檻』の1997年旧作改題版/製作:獅子プロダクション/提供:Xces Film/監督:佐藤寿保/脚本:五代響子/撮影:稲吉雅志/照明:小川満/編集:酒井正次/助監督:梶野考/監督助手:田尻裕司/撮影助手:村川聡・藤井昌之/照明助手:添田龍二/スチール:佐藤初太郎/録音:銀座サウンド/現像:東映化学/出演:憂花かすみ・小泉あかね・中村京子・水鳥川彩・坂田雅彦・伊藤清美・岩渕リコ・征木愛造・本間優作・杉浦峰夫・小島邦彦・今泉浩一)。出演者中、坂田雅彦から本間優作までと、小島邦彦は本篇クレジットのみ。
細胞分裂ぽい、万華鏡的なCG。サイバーパンクかおどろおどろしい雰囲気が猛然と火蓋を切ると、矢鱈とカッコいゝレタリングでのタイトル・イン。バイブを手に、バトルスーツみたいな扮装の怪人物が迫る主演女優の、ヤバいオッパイがジャスティス。どうでもよかないが、日本語で書け。絶妙な暗さ以前に、正直画質が低くて意匠がどうなつてゐるのかよく判らない、謎のゴーグルをつけられた女に監督クレ。画像処理を施したものか最初から描いたのか、アニメ調のバイブ責めイメージに「被験者・ミナミヒロミ二十五歳」、水鳥川彩のモノローグが起動する。ゴシップ誌『実話トピックス』の取材で訪れたフリーライターのミナミヒロミ(憂花)を、臨床研究医?のタチバナ(水鳥川)は開発中のブレイン・マッサージ・システム「アンドロメダ001号」―表記は適当―の実験に協力させる。ブレインwマッサージwシステムwww、ホントに五代響子(現:五代尭子)が書いたのかと耳目を疑ふほどの、如何にも佐藤寿保的な大どころか超風呂敷が清々しい。バイブ責めのイメージも、ブレイン・マッサージ・システム(以下BMS)で映像化した、ヒロミの心象風景とかいふ豪快の箍も粉砕した途方もない方便。
配役残り坂田雅彦(ex.坂田祥一朗)は、男女の仲にもあるタチバナに研究費を援助しBMSで一山狙ふ、多分ヘルスケア系の社長。消去法で小島邦彦は、実トピの編集者・ミサキ。今泉浩一がヒロミとセフレ程度の関係にもある、駆け出しのカメラマン・ケンちやん。小泉あかねはケンちやんを伴ひヒロミが取材する、ホテトル「銀河」の嬢・カオル、本間優作が店長。杉浦峰夫(a.k.a.紀野真人)は教師であつたヒロミの実質的な退職事由を担ふ、兼元同僚の不倫相手・カワシマ。中村京子が―仮称坂田家同様―レスの筈であるにも関らず、気がつくと妊娠してゐたカワシマ夫人。尺の経過につれ、この辺りの用兵が全く読めなくなつて来た岩渕リコ(a.k.a.いわぶちりこ/a.k.a.五代響子)と征木愛造(a.k.a.梶野考)は、ヒロミと地下街にて交錯する高校生カップル。制服を着させてしまへばこつちのもんだ、なかなか堂々としたキャスティングではある。岩渕リコの、アテレコのみでクレジットしたのかとさへ思はせかけた伊藤清美は、最後に飛び込んで来る電車で雑誌を読むフェミニンな女。
僅か一週間の間隙を突き、矢継ぎ早にエク動が未配信作を新着させて来た佐藤寿保1992年第一作。どうやらエク動がライオンファイアした模様、とかく碌な報せのない憂世の最中、大いに背中を押される吉兆ではないか。
タチバナがBMSをヒロミに説明して曰く、「貴女に試して貰つた機械ね、サブリミナルに直接メッセージを与へるシステムなの」。“貴女に試して貰つた機械ね”なる画期的な切り口も奮つてゐるが、まあそれにつけても、さういふ胡散臭いかキナ臭いガジェットで坂田社長が自己啓発系のヒット商品を目論む一方、現に被験通り越してBMSを被弾したヒロミは、当て身を扱ふ正体不明の戦闘力をも身に付けた上、俄かに凶暴化する。別に、夢野史郎(a.k.a.
大木寛
/a.k.a.
別所透
)なり渡剛敏の脚本作といはれても真に受けてしまひさうな頓痴気機軸から、社長やタチバナの思惑を超えるといふか蹴散らして、ヒロミが文字通り暴走する形で案外判り易い展開に着地してみせるのは何気な離れ業。城島面―健司の方―は兎も角超絶のプロポーションを誇り、そんなタマにも見えない割に劣等感を闇雲に拗らせるヒロミが、二番手を皮切りに変態折檻を女々に捩り込むのと、苛烈なまでのバイブ自慰で裸映画的にも十分に充実。戯れに剃つてみるヒロミこと憂花かすみの豊かな横乳も素晴らしいが、BMSに拘束され痙攣するタチバナの、プルップル震へる水鳥川彩の美乳がエターナルにエクストリーム。最終的に目出度く二兎を仕留め得たのか否かには、評価の分れを留保しなくもないにせよ、自身の作家もしくは趣味性と商業的要請の両立を果敢に図つた、意欲作である点に関しては論を俟つまい。BMSで脳を揉まれた女がリミッターをトッ外して暴れ倒す一方、男は白痴化する対照ないし生物的性差はどうなのよ。といふ他愛ないツッコミ処も禁じ難いものの、逆に制限解除された男が女を犯した挙句虐殺して回る映画になつてしまふと、勃つ勃たない、より直截には勃たせる勃たせないを半ば等閑視した、渡剛敏と組んだ場合の平常運行にしかならないやうな気もする。
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