閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

「にげろ!どろねこちゃん」

2021-04-17 17:29:35 | お知らせ(新刊)

春にぴったりの絵本ができました。
『にげろ!どろねこちゃん』(教育画劇 2021年4月刊)。絵は、おくはらゆめさんです。

水たまりで遊んでどろんこになっちゃった、しろねこちゃんとみけねこちゃん。
「おふろにはいりなさーい」「やだやだ」「やだよー」。
はしってにげるどろねこきょうだい。どろんこあしあと、ぺたぺたぺた。

2018年の紙芝居『どろねこちゃんになっちゃった』のリメイクです。
リメイクといっても、8場面から15場面になり、表紙も扉もついたので、内容は倍以上になりました。

紙芝居というもの、それはそれで極めれば面白いだろうと思うのですが、おおぜいの前で演じるものですから、絵は「遠目がきくこと」が第一、おはなしはテーマ先行でストーリー重視、対象年齢によって文字量も決まっていたりと、制約のあるおしごとです。それに、保育現場で使われることがほとんどで、一般の方に見ていただく機会がないのが、わたしとしてはちょっと物足りないところでした。
今回、紙芝居版の「元気」はそのままに、もっといろいろなシーンを描いていただいたことで奥行きが生まれ、近距離で繰り返し見る絵本の良さが加わり、ほのぼの可愛い1冊に生まれ変わりました。

さて、表紙がこのとおり、全身どろんこの子猫たち…「ンまあ」と眉をひそめるお母さまもいらっしゃるかと思うので(笑)とびらの絵もぜひごらんください。

ほらね、おはなしは、ここから始まっているのです。
おかあさんのはさみと針さしに注目!


ほんと、子どもって、夢中になって遊ぶのよねえ。

 

どろねこ2匹でぺたぺたとあちこち逃げ回るのが見どころです。

そして、文章ではひとこともふれていない「おかあさんのきもち」を、おくはらさんがラストでさりげなく、あたたかく表現してくださっていて、そこも素晴らしい!と思うのでした。

 

お手に取ってごらんいただけると嬉しいです。

都会のマンション住まいで、どろんこ遊びをしたことのない子どもたちが増えているそうです。もしかしたら、親ごさんの世代がすでにそうなのかもしれません。
幼いときにできるだけたくさんの自然物(土、石、水、動植物)にさわるのは、成長の過程においてすごく大切なことだと、わたしは思います。生まれて数年のうちに、サルからヒトへ、原始人から現代人へと進化するための「基礎」として不可欠なのではないかと。
うちの子が1歳くらいのとき、妙におとなしいなーと思ったら、台所で大きなタッパのお漬物をひっくり返してびちゃびちゃにして遊んでいたことがあり、後始末が大変だったけど、いま思えばあれも水と植物(と塩!)。「びちゃびちゃ」「ぐちゃぐちゃ」の感触の抗いがたい魅力ってなんとなくわかるし、たとえわからなくても、それだけ熱心にやっていたということは、そのとき、その子にとって必要だったということなのですから、おこってはいけません。
(いや、でも、おこったかなあ。おこったよね。昔のことで、もう忘れましたが…笑)

 

*最近ア〇ゾンさんでは、その本が品切れになるとマーケットプレイスの商品が自動的に繰り上がってトップに表示され、うっかりポチッとすると、知らずに定価より高い中古を買わされるという変なしくみになっているようです。逆に、定価より安くしておいて、送料をうんと高くとる業者もいます。この絵本は本体1200円、税込1320円ですので、ご注意くださいね。

<4月25日追記>↑この件はとりあえず改善されたようです。
書籍の再販制度(定価販売)については賛否あり、版元の認めた自由価格本(いわゆるバーゲンブック)というものも存在しますが、まぎらわしい売り方は良くないと思う。

コメント
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