閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ブラッカイマーの缶

2010-09-07 14:02:36 | 日々
買い物の帰り。
すぐ前を廃品回収業のトラックがゆっくり走っている。
積み荷はすべて空き缶のようだ。
4トントラックのまわりをベニヤ板で囲い、
網かごに詰めこんだ空き缶を積み上げられるだけ積み上げて、
こぼれないようにネットをかけてある。

色とりどりのビール缶ジュース缶コーヒー缶が、
照りつける陽ざしにキラキラと光っている。
その量が異様に多い。
連日の暑さで、缶飲料の消費も多かったのだろうが、
それにしてもよくまあこれだけ積んだなと驚くような積み方だ。
インドの王様が乗っている、飾り立てた象の天蓋つきの座席
…ちょうどそれくらいの高さと豪華さである。
上のほうは祭りの山鉾みたいにゆらゆらしている。

トラックはときどきセンターラインをはみ出す。
かと思えば極端に路肩に寄っていく。
交通量の少ない田舎の道路なので、対向車はあまり来ないし、
歩行者も皆無だからいいようなものの、
あまりに不安定な走り方なので、ちょっと心配になる。
運転手が居眠りしているかもしれないからだ。

しばらく見ていたら、そうではないのがわかった。
カーブを普通に曲がると傾いて荷崩れのおそれがあるから、
なるべくハンドルを切らずに走行しようとしているらしい。
いくつ目かのカーブで、ビール缶がひとつ飛んできたので、
危機感をおぼえ、真後ろにつくのをやめた。

何かの拍子にネットがぷつんと切れ、
何百何千という空き缶が滝のようになだれ落ちてくる…
映画なら見ごたえがあるだろうけど、こっちはスタントカーじゃないし、
なるべくなら、自分ではそういう目にあいたくないものです。
コメント
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