弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

インターネット初め

2006-02-06 00:12:46 | サイエンス・パソコン
1990年頃、私はパソコン通信のNIFTY-Serveに参加し、NIFTY-Serve会員同士のメールやフォーラムでの議論を楽しんでいました。今と違い、メールのやり取りはNIFTY-Serve会員同士の間に限られていました。
職場の同僚が米国に留学し、BITNETなるネットでメールを始めたことを知りました。世の中には(主に米国ですが)BITNET(Because It's Time NET)の他に、CSNET(Computor Science NET)やJUNET(Japan University NET?)などが存在し、それらのネットがインターネットなるものでつながっているらしいこともわかってきました。
私が加入するNIFTY-Serveは、当時まだインターネットとつながっていませんでした。しかし、私が同時に参加していた米国のパソコン通信Compuserveはすでにインターネットとつながっていたのです。私は、xxxxx.xxxx.compuserve.comなるメールアドレスの持ち主でした。
そこで、Compuserveからのインターネットメール送信手順を調べ、米国の大学にいる同僚にメールを送ってみたところ(英語のみ)、見事に送ることができました。ただし、Compuserveのアクセスポイントは米国ですから、日本から米国までの通信回路を確保する必要があります。当時、私はTimeNetにも加入していたので、TimePassで米国につなぐことができましたが、1分70円の高額でした。Compuserveのチャージも1分20~30円だったと記憶しています。

米国にいる日本人にメールを出すのですから、どうしても日本語メールを出したくなります。ところが、今もそうですが、インターネットメールは7ビット通信であり、8ビット×2バイトのシフトJIS漢字コードをそのままメールで送ることができません。
まずは、ishという変換ソフトのお世話になりました。たしか石塚さんという日本人が作成したソフトで、8ビットコードを7ビット文字列に変換してくれます。現在の添付ファイルが使用しているuuencode, base64, binhexのはしりですね。このソフトで日本語文を半角英数文字に変換してメールに貼りつけ、読んだ相手はこれを逆変換して日本語文を得ることができます。

漢字コードには、シフトJISの他に新JISなどいくつかのコードがあります。たしか新JISは、全部7ビットコードのみを用いており、漢字イン、漢字アウトのところに所定のコントロールコード(これも7ビット)が埋め込まれたものです。このコードでメールを作成すれば、そのままインターネットで送れるはずです。
ところが、Compuserveで無手順で送信すると、コントロールコードが途中で削除されてしまい、うまくいきません。そのうち、「b-plusというプロトコルで送信するとコントロールコードも削除されない」ということを教えてくれる人がいました。ただしこのプロトコルを使うためには、シフトJISコードで作成したファイルを、パソコン内で新JISコードに予め変換しておく必要があります。
NIFTY-Serveのソフトフォーラムで「こんなソフトはありませんか」と質問したところ、「それじゃ私が作ってあげましょう」という人が現れ、あっという間に変換ソフトが手に入りました。このソフトで漢字コードを新JISに変換し、そのファイルをb-plusプロトコルで送信したところ、受信者は何の操作を行うことなく画面上で日本語メールを閲覧することに成功したのです。
まあ、今なら当たり前のことですが・・・。

東北大学にも留学している同僚がおり、JUNETでメール可能であると聞きました。そこで、70円/分かけて米国のCompuserve(20円/分)にアクセスし、ここからJUNET宛にメールを出しました。そこから先は無料で東北大学までメールが届きました。このときの「インターネットは通信費が無料」はどうしても不思議でした。

というわけで、「1990年に私はすでにインターネットメールアドレスを所有し、使用していた」というのが自慢の一つになっています。
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