弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

小沢一郎という政治家

2008-04-03 22:04:27 | 歴史・社会
政治家の中には、優れた功績を残した政治家、功罪相半ばする政治家、凡庸な政治家などいろいろおられます。
小沢一郎という政治家はどうなのでしょうか。

最近私は、小沢一郎という政治家がいなかった方が、日本の政治にとって幸せだったのではないかと感じることがあります。

自民党の竹下派幹部だった小沢氏は、派閥内での抗争に敗れると派閥を2つに割ってしまいます。さらには自民党を飛び出して新生党を結成したのが1993年です。
その年の衆議院選挙で躍進した新生党、日本新党、新党さきがけの3新党が躍進して自民党が野党になり、細川政権が誕生しました。
そして1994年、それまで中選挙区制だった衆議院選挙が、細川政権のもとで小選挙区比例代表並立制(小選挙区300、比例代表200)に変わります。この選挙制度の変更こそ、日本の政治をつまらなくさせる大改悪だったと思っています。その改悪に小沢氏が関与しました。
小選挙区制に移行した後、衆議院議員は本当に発言しなくなりました。

細川氏が首相を投げ出し、羽田短命政権の時代があり、小沢氏は新進党を結成しますが、党内に反小沢の動きがあり、新進党は解散、その後小沢氏は自由党を結成します。
98年、99年には自自連立、自自公連立などがあり、自由党の分裂を経験した後、2003年に自由党は民主党と合併し、現在に至っています。

こうして見ると、小沢氏は仲間と意見が合わないとそのたびに組織を壊しています。結局、自民党を割ったときのスローガンであった二大政党は夢のまた夢でした。


そして去年夏の参議院選挙です。
小沢氏が徹底して頑張り、地方の有権者を味方にした結果として、参議院は野党が過半数を握ることになりました。
その後の衆参ねじれ国会のもとで、混乱は予想されていたとはいえ、現在のような体たらくまでは予想していませんでした。
日銀総裁が空席となった件にしろ、暫定税率の件にしろ、日本の政治経済をここまで空白にして一体何を求めているのでしょうか。

例の大連立騒動が尾を引いています。しかし今の民主党が、小沢さん一人で決めた大連立に納得するはずがありません。あそこで小沢さんは大きな勘違いをしました。その後一度は代表辞任を表明しますが、慰留を受けて続投を決めました。その後の民主党内の動きを見ると、大連立騒動で小沢代表の求心力が失われ、民主党は政策党としての一貫性を失っているようです。

参議院で過半数を握りながら、政策党として機能することができず、日本を悪い方向へと導いているようです。
参議院の民主党議員は、小沢さんのおかげで過半数を握ったのにもかかわらず、自分たちの実力だと勘違いしているようです。
大連立騒動の後、以前の小沢さんのように民主党をぶちこわしてもらった方が良かったのでしょうか。


今の日本政治の迷走は、参議院選挙前に安倍首相が自分のやりたいことばかりやり過ぎ、参議院選挙で小沢代表が頑張りすぎ、衆参ねじれ状態で福田首相が無策であったことの積み重ねであるようです。

最初に戻りますが、日本の政治にとって、小沢さんが存在したことは不幸だったのでしょうか。
コメント
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