ひろせ明子の市議日記

無所属・無会派。
市議として日常で見たこと・感じたことを綴っています。

格差社会と憲法

2008年09月29日 | 平和
27日(土)に、神戸大学の二宮厚美氏による「格差社会と憲法」の講演会がありました。
大変興味深いテーマでした。

憲法前文の「恐怖と欠乏からの自由」の理念の解説から始まり、
現代社会における憲法9条(平和主義・戦争の放棄)と25条(生存権の保障)の関係の話がありました。

①9条と25条は双子の兄妹の関係にある。
   アメリカは9条と25条を持っていない国である。その国に「貧困ビジネス」と「戦争ビジネス」がある。

②9条があって25条が生きるという関係にある。
つまり、平和の国でなければ25条の保障はない。古来から、「大砲かバターか」という選択のごとく、軍備費が増えれば国民の生活は圧迫を受ける。

③25条があって9条が守られる。
日々の生活に追われる毎日では、平和のことなど考える余地などない、「それどころではない」の風潮になってしまう。

また、現代日本の格差・貧困の背景には新自由主義の流れがある。新自由主義の性格として、

①格差・貧困・排除の背景には新自由主義がある
②市場での自由競争での結果を是認する・・・優勝劣敗型競争、弱肉強食型競争
③新自由主義は憲法体制に襲い掛かってくる

などがあるが、それらを克服する為に、
①「勝ち組」「負け組み」の二分論は一面的である
 能力の違いによる格差はやむをえないという議論も一面的
②格差・貧困は自己責任であるという見方は誤りであり、それらは現代の構造的問題である。
③憲法25条を活用して、
・現金給付型所得保障の実現(児童手当、年金、生活扶助等)、
・現物給付型社会サービスの保障(保育、教育、医療、福祉サービス等)、
・生存権保障の公的ルール・規制(公衆衛生、環境保全、安心・安全基準等)
等が提案されました。

憲法25条 生存権、国の生存権保障義務
すべて国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する。
②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。





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