先日市民の方から福祉団体の補助金をめるぐ議会の動きを知りたいとの声が寄せられました。
一連の流れを議事録からご紹介します。
今年3月議会で以下二点の提案が行われました。(二提案とも賛成多数で承認。)
①パーソナルアシスタンスともに出されている補助金・4046万円/年間についてきちんと監査すべきだ。
②福祉関連補助金交付に関する特別委員会を設置すべきだ。
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以下は、「①パーソナルアシスタンスともに出されている補助金4046万円について監査をすべき」についてのやり取りです。
(平成22年3月19日第一回定例会)
◆(小泉芳雄君) 発議第1号 監査請求についての提案理由を述べさせていただきます。
今回の内容は、浦安市特定地域活動支援センター整備・経営事業補助金、4,046万円についてであります。これは浦安市特定地域活動支援センター整備事業補助金として平成20年度、並びに特定地域活動センター経営事業補助金として平成21年度に、アシスタンスともに補助金として交付されたものであります。
浦安市は平成17年5月に補助金検討委員会の答申を受け、その後、平成20年度までに4億3,000万円の減額に取り組みましたが、平成22年度予算では平成17年度の約2倍の34億2,746万円の補助金計上となっております。補助金の増額の要因は、浦安市民病院の民営化に伴う財政援助補助金や、福祉関連団体への補助金、交付金の増額である。その内訳は、社会福祉費、障がい福祉費、高齢者福祉費合わせて20件、1億4,371万円、保育、幼稚園、福祉、個人合わせて11件の補助金が8億6,879万円、医療系5件の補助金が16億5,400万円、合計26億6,655万円となっている。この補助金は、市内福祉医療法人、NPO法人並びに企業への財政援助補助金や、福祉団体への運営補助金である。議会として補助金の使途、事業の内容、対象となる事業が公平、公正に行われているのか及び費用対効果等、チェックすることが我々議員に課せられた責務である。
しかしながら、議員には調査権はありませんので、監査報告並びに担当課の聞き取り程度の確認しかできないのが現状である。また、監査についても、1,000万円以上の援助団体監査も決算審査までに行われない監査では、議会の補助金審査は当局と当該事業者作成の精算書の内容を説明するだけであり、不透明であると言わざるを得ない。平成20年度、21年度に計上されている浦安市特定地域活動センター整備事業補助金、特定地域活動センター経営事業補助金の4,046万円がどのように使われているのか、この事業の全体像、そして詳細が不透明とならざるを得ない。
したがって、この補助金の使途、内容、対象となる事業は行われているのか、私たち議員や市民に明らかにする監査を早急に行うべきである。
以上の理由から、浦安市特定地域活動センター経営事業及び整備事業補助金4,046万円の財政援助団体監査を監査委員に求め、その結果の報告を請求するものです。
この監査提案に、より多くの議員各位のご理解をお願いいたします。
それでは、案文を読み上げさせていただきます。
(ここで発議案朗読が行われた)
以上でございます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
この提案について、宝 新市議が以下の質疑を行いました。
◆(宝新君) それでは、ただいまの発議第1号 監査の請求についてに対して、何点か質疑をさせていただきます。
できる限り端的にお伺いをするようにいたしますので、端的なるご答弁をお願いしたいと思います。
まず、第1回目にお伺いいたしたいのは1点です。
今回のこの提出されている小泉議員におかれましては、同じ会派の方々が教育民生常任委員会に出席されて、平成20年度の決算認定をされておるかと思います。当然その教育民生常任委員会での審査の内容、どういったことが審査で行われて、どういう結論に至ったのか、そういったものを把握された上で、疑義が残っているからこそ監査請求というものを提出されたと思いますが、どのような審査が平成20年度の決算認定の際に行われたと把握しており、どんな点に疑義があると考えておるのでしょうか、まず第1回目はその点についてお伺いいたします。
◆(小泉芳雄君) 宝議員の質疑に対する答弁を申し上げます。
私、会派の中で教育民生常任委員会の報告では、監査委員の結果はまだ出ていないという中で、我々も中身でいろいろと考えたんですけれども、やはり福祉関係の問題である以上は当然きれいに使われているだろう、とりあえずは賛成しようという形で決算認定には賛成したわけでございます。
しかしながら、監査の報告はないということも伺っております。
以上です。
◆(宝新君) ちょっと今のご答弁では、疑義の中身の部分というのがいま一はっきりはしていなかったかのように思われるんですけれども、続けて質疑をさせていただきたいと思いますが、先ほどの提案理由の説明の中でも、公平、公正な費用対効果のチェックというものが議員としての役割であるとおっしゃられておりました。また、並行して、監査が重要ということをおっしゃられていたと思うんですけれども、今回、この監査請求を出されているとは思うんですが、同時に並行して、定期監査が今、行われておることは議員もご承知のことと思います。昨日の一般質問の中でも現在の健康福祉部の定期監査が行われていることを存じているような発言もあったかと思うんですけれども、その監査結果が出る前に議会が監査請求をするということは、事務の混乱を招くというふうに考えられると思いますが、そういったことは予想しなかったんでしょうか。
また、この時期に請求する理由というものをお聞かせください。
先ほどの、教育民生常任委員会の審査を経て決算認定をしているという中で、ちょっと、とりあえず賛成という言葉もあったかと思うんですけれども、この決算審査の中でも、この事業が特に問題となるような指摘はなされていなかったように思えるんですね。決算審査を認定した議会の責任というものはどのように考えていらっしゃるのかお答えください。
少し言い方を変えれば、平成20年度の監査を行うということは、その決算認定を否定することにもつながるのではないかなと考えられますが、その点についてお答えください。
また、特に今回の署名をされている方々の中に、教育民生常任委員会の方も数名いらっしゃるかと思うんですが、その議員の方々は、決算審査の責任というものをどのように考えて署名をされたというふうに確認は、何かその意図というものを確認しておりますでしょうか。もししておるのであれば、お答えください。
◆(小泉芳雄君) それでは、ただいま定期監査しているというけれども、この時期にどういう意味でということなんです。
あんた、あんたは失礼だな。議員は監査の内容をよく知っているんですか。いいですか、私はこの理由については先ほど申したとおり、援助団体監査、これは専門の監査なんですよ。定期監査は、監査の内容によっては中身が、権限が違うんです。いいですか。それを勉強してから質疑、質問をしてください。聞いてくださいよ。いいですか。ね。定期監査といっても、これは結果が出るのはいつだと思っていますか。これ、5月にならなければ出ないんですよ。だからこそ大至急やって、8月までに出してくださいということを言っているのが私の理由です。いいですか。
監査には権限があるんです。また、限定されたものがあるんです。ですから定期監査ではだめですよと、要は特定の、きっちりした援助団体監査を行ってくださいと。よく今の説明、聞いておいてください。
それから2つ目、認定の否定するようなことだと。決算認定を否定するようなことだと。否定はしていないですよ、私たち。この監査請求することによっては。というのは、その専門の監査をしていないからやってくださいよという請求をしているんです。どこが悪いんですか、議会として。そのぐらいのこと、よく勉強しておいてくださいよ。
それから、委員の人は、それは自分で聞けばいいではないですか。ここでわざわざ私が一人一人聞くわけにいきませんよ。こういうことで決算を、大至急やっていただきますよという議会監査請求をするのに同調してくれたわけですよ。あなた自分で聞けばいいじゃないですか。何考えてるの。失礼な話だよ。
以上です。
◆(宝新君) ちょっと興奮されているようなのですけれども、私は提出者として当然、各々の署名者の意見というものを確認しておるだろうと思いましたから、提出者からそれをお伺いするのが当然であろうと思いまして、今のような質疑に至ったわけであります。
あと、定期監査がだめと断言をされるような表現もあったんですけれども、定期監査の中身では足りないということであるんだったら、私もそれはよくわかります。ただ、定期監査を今、やっていて、5月にその結論も出てくる。それを踏まえてからではどうしていけないんでしょうかね。私もちょっと、その辺は全く今、伝わってこなかったですし、なぜそのように急ぐ必要性があるのかというのは全く伝わってまいりませんでした。今の時期にやらなければいけない理由というのが何も答弁されなかったように思います。
思いますというのは、私の意見はいけないので、質疑を続けたいと思いますが、最後に1点、また今の延長になりますけれども、監査委員による監査を、結局、今の定期監査を否定することにつながると思います。監査委員の監査を否定するということは、監査委員の残り任期の部分も否定するということになると思いますが、この辺に関してはどのように考えておるんでしょうか。
◆(小泉芳雄君) 何ですか、監査委員の任期が継続するって、どういうことですか。もう一度、ちょっと説明してください。
○議長(岡本善徳君) 3回目なので。
(「聞き取れなかったから、もう一度言ってくれという意味で」の声あり)
○議長(岡本善徳君) では、聞き取りやすいように、相手に伝わるように、そこだけお願いします。
◆(宝新君) 済みません、わかりづらかったかもしれませんけれども、今の流れを聞いていると、今の監査制度というか、それ自体を何か否定するような形にもつながるのではないかと私は考えました。それで、今回、議会の中から選出されている監査委員の方もいらっしゃいますが、その議会選出という監査自体も否定することになるのではないかと思います。その点については提出者はどのように考えているのかということで、否定することと同義と考えますが、どのように考えているのかということです。
◆(小泉芳雄君) 議会選出者の監査委員を否定をするということに当たるのではないですかということですね。質疑は。そういうことですね。
いや、決して、だって行っていないんですよ、まだ。先ほどから言っているでしょう。援助団体監査は行っていないから、大至急やってくださいよと言っているんです。あんた何を聞いているのよ。ちゃんと聞きなさいよ。定期監査は今、やって、その結果は5月でなければ出ないんですよと。かといって、5月までにこの監査をやってくれと書いていないですよ。先ほど、中、見てみなさい。8月31日までの日程になっているじゃないですか。それは変わった人がやるでしょうよ。否定していないでしょう、どこで否定しているんですか。それは大きな間違いですよ。宝議員のほうが勘違いしているんじゃないですか。
だって、定期監査はまだ終わっていないんですよ。終わっていないの、定期監査はまだ。結論が出ていないんです。
(「出ていないから」の声あり)
だから、監査は出ていないんだ、私が聞いたら。5月でないと定期監査の結果は出ませんということです。
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このやり取りの後に、発議に対しての反対討論が宝新議員により行われました。
◆(宝新君) それでは、発議第1号に対して反対の立場から討論をさせていただきます。
今の私の質疑と答弁を確認していただいたかと思いますが、正直、はっきり言って、この時期にやる理由というのが全く伝わってまいりませんでした。現行、今、定期監査を行っておりまして、5月にも結果が出る。そういった中で、それを補足する意味で追加で監査請求するということであれば私も理解できなくはないんですが、なぜこの段階で早急に監査を請求して、自分たちが行ってきた決算認定、そういったものをあたかも否定するかのような行動につながるのか、私には全く理解できません。
今回のこの発議は、言い方を変えると、議会から選出している監査委員の職務を真っ向から否定することにもつながる暴挙であると言わざるを得ません。なぜ5月にも上がってくるという定期監査の結果報告を待てないのか、何をそんなに急ぐ必要性があるのか、私には全く理解できませんでした。監査委員は、いいかげんにやっているわけではないはずです。監査委員報酬も得て、責任ある立場において公正、公平な監査をしているものだと思いますが、その監査が信用ならないと言っているのでしょうか。
平成20年度決算認定、さらには今定例会においても、この特定地域活動支援センター事業補助金については教育民生常任委員会の中でも多くの時間を費やして質疑がなされておりましたが、質疑者によっては、答弁を受けても納得できないと言いながらも、5分以上時間を余らせて質疑時間を終わらせておりました。特段答えられなかったという質疑もなかったと思われます。私には、何が納得いかなかったかもよくわかりませんでしたし、時間の許す限り自分の納得するところまで質疑、議論すべきではなかったのでしょうか。その議員も今回の発議には署名しているようですが、まず議員として果たすべき職務を果たした上でのことならわかるのですが、時間を残して、それで議員としての役目を果たしたと言えるのでしょうか。自己否定にもつながるものと言わざるを得ません。
疑問があるなら調査するのは、我々議員の使命であることは疑いのない事実であります。今回、多数の署名された議員の方々の中で、一人でも今回の補助金を受けている事業者に聞き取り調査などをされたでしょうか。たしか昨年の予算審議の中の千鳥地区の障がい者就労支援施設に関しては、関係業者に施設の事業内容や理念などを確認し、十分な判断材料を議員自らが得るために動いた方々がいたということでありましたが、今回、そのような行動はなされなかったのでしょうか。当該事業者に確認をいたしましたが、残念ながら、そのようなことはないということでありました。逆に「いつでも説明に伺います」ということでありました。
今回のような形で監査請求がなされ、それが通るようなことであれば、監査のあり方、議会選出の監査委員のあり方など、すべてにおいて見直しを図っていく必要性もあると、ここに署名されている多くの議員に言われているように感じてなりません。
ただ、このような中でもせめてもの救いは、現職議員の監査委員経験者の方が署名をされていないことであります。今回の監査請求が引き起こす影響がどういったものであるか、よくおわかりだからだと思います。
以上、簡単ではありますが、本市議会各議員の賢明なる判断を期待しつつ、発議第1号についての反対討論といたします。
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次にこの監査の請求について採決が行われ、
賛成多数で可決されました。。
(もちろん私は賛成しました。)
この議会の議決に基づき、今年8月に監査結果が出されました。
議員の調査ではとても調べきれない内容のある監査結果でした。
クリック議会の請求に基づく監査の結果報告