<588> コバノミツバツツジ
あっさりと さくら咲き終へ 猫ねむる
十二日は山野の花を観察の目的で、大和の北西端に当たる生駒市高山町のくろんど池の周辺をウオークした。くろんど池は江戸時代に潅漑用として造られ、現在も農業用水に利用されているが、周辺を含め大阪・奈良府県境にまたがる自然公園として、管理所もあり、行楽客でにぎわうところになっている。
サクラの多いところであるが、サクラはほぼ終わり、コバノミツバツツジが咲き始め、雑木林を艶やかに彩っていた。風の強い日であったが、池ではブラックバスを釣る人が見られ、山ではハイキングをする人もあって、何人かに出会った。池には貸しボートがあり、バーベキューなども出来るようで、土曜、日曜日は家族連れなどが多いという。
この辺りは昨年も歩いたが、コバノミツバツツジは今年の方がよく咲いている感じがあった。多分、昨年は訪れた時期が遅かったので、花が終わっていたのだろう。花の撮影はどんな花でもタイミングが大切である。花の時期は年によって微妙にずれるので撮影時期を見極めるのは案外難しい。遠路の場合は何度も足を運ぶことが出来ないので、よく注意して、植生の特性なども知った上で撮影に当たる必要がある。
コバノミツバツツジのほかは、シハイスミレとセンボンヤリを撮った。シハイスミレは葉の裏面が紫色なのでこの名がある。かわいらしいスミレで、山道でよく見かける。芭蕉が『野ざらし紀行』で「山路来て何やらゆかしすみれ草」と詠んだスミレはこのスミレではないかと言われている。センボンヤリは秋の閉鎖花が大名行列に見られる千本槍に似ることによる。
今日一番の目的はシロバナウンゼンツツジであったが、花の咲く時期のずれによるからか、それとも、希少なツツジなので見つけ難いからか、とにかく出会うことが出来なかった。昨年駄目だったが、今年も一回目は空振りに終わった。このように、自然の花とつき合うのは結構辛抱がいる。写真は左からコバノミツバツツジ、センボンヤリ、シハイスミレ(くろんど池自然公園で)。
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