<2306> 余聞、余話 「薫風とコイノボリの季節」
鯉のぼり泳ぐ彼方に生駒山
新緑に薫風の季節はコイノボリの季節でもある。奈良県平群町の竜田川の川岸にはコイノボリのコイたちが薫風を受けて勢いよく泳いでいる。国道一六八号の道の駅「くまがし」のすぐ南のところ。約三百メートルの間、西側右岸に五十数尾が竹竿に上げられ、南方から見ると、一群になって青む生駒山に向かって泳いでいるように見える。
地元の自治体や自治会、企業など十九団体によって構成されるボランティア組織「竜田川まほろば遊歩道」推進の会(城内敏之代表)によって揚げられ、町興しの一環として今春登場したもの。町の住民に呼びかけ、町内の家に眠っていたコイノボリ八十尾ほどの提供を受け、その中の五十数尾を上げた。残りについては今後のために保管しているという。コイノボリは五月中旬まで予定され、二十九日(日)に行なわれる「へぐり時代祭り」は例年にない盛り上がりが期待されている。 鯉のぼり意志あるごとく泳ぎけり