<6> ツユクサ
露草の 露草色の 露の花
ツユクサはツユクサ科の一年草で、シンメトリックな青い花が露の降り始める晩夏のころになるとよく見られるようになる。『万葉集』にも月草、鴨頭草(つきくさ)の名で九首に登場する。花を青色の染色に用いたのが歌にうかがえるが、古名は花をつきつぶして染料にしたことによってつけられたもので、色の褪せやすいところがあり、後にはアイで染める藍染が主流になったことで廃れて行った。花は朝方開いて夕方に萎んでしまう一日花で、その花は露を帯びて開く朝方に見るのが一番である。全国的に分布し、大和でも各地に見られるが、今では道端の雑草の存在である。