大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより~ 写詩 写歌 写俳 ~小筥集

2011年08月14日 | 写詩・写歌・写俳

<3> 夏  雲
       高々と 輝きゐたる 夏の雲

 私の中には「過去+未来+現在=私」という式が成り立っている。言い換えれば、「懐旧+憧憬+勉励=この身」という式になる。 この式は若いときと年老いてからでは各部に量的違いをみるものながら 式自体に変わりはなく、 高々と湧きあがる夏雲にこの式を当てはめてみることが出来る。白く輝く雲の峰はなつかしさ、つまり、過去であり、 あこがれ、つまり、未来であり、そして、 励み、現在である。この雲を 見上げている眼は、これら過去、未来、 現在を内包する私という存在に呼応している。 そこには悔いの過去や不安の未来や躊躇の現在なども大いにあるけれども、私はこの式にいつもロマンを抱いて臨み、 そして、常に美しさを感じていたいと思っている。